皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
柚木麻子(ゆずき あさこ)さんは、1981年東京都生まれの小説家です。 立教大学文学部フランス文学科を卒業後、製菓メーカー勤務などを経て、2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、作家としてデビューしました。
柚木さんの作品は、女性同士の複雑な関係性や、嫉妬や羨望といった感情をリアルに描くことで知られています。 読者が元気をもらえるような前向きな物語から、人間の心の闇に迫るブラックな物語まで作風は幅広く、多くの読者の共感を呼んでいます。 これまでに何度も直木賞候補に選出されており、2015年には『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞するなど、その実力は高く評価されています。
さあ、ここからは『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、柚木麻子さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。
心温まるお仕事小説から、人間の本質を鋭くえぐる問題作まで、多彩なラインナップが揃いました。あなたの心に響く一冊が、きっと見つかるはずです。気になる作品から、ぜひ手に取ってみてください。
栄えある1位に輝いたのは、現実の事件に着想を得て、食と女性の欲望の深淵を描ききった傑作『BUTTER』です。料理教室に通う30代の女性記者・里佳が、連続不審死事件の容疑者である女グルメ・梶井真奈子と面会を重ねるうちに、彼女の持つ異様な魅力に引き込まれていく物語です。
本作は、食という日常的な行為を通じて、女性が抱える欲望や社会からの抑圧を鮮烈に描き出しています。濃厚なバターのようにこってりとした読書体験は、あなたの価値観を大きく揺さぶるかもしれません。2024年には英訳版が英国の書店チェーン「ウォーターストーンズ」で「今年の一冊」に選ばれるなど、海外でも高い評価を受けています。
本作における食の描写、特にバターの官能的な表現からは、人間の根源的な欲望が浮かび上がってくる。その執拗なまでの克明さは、読者の内面に深く突き刺さるだろう。
読むとお腹が空いてきて、明日からのランチが楽しみになる。そんな元気をもらえるお仕事小説が『ランチのアッコちゃん』です。派遣社員の三智子が、少し変わった上司「アッコちゃん」こと黒川部長との一週間のランチ交換をきっかけに、食を通じて成長していく姿が描かれています。
本作は「アッコちゃん」シリーズの第1作で、続編に『3時のアッコちゃん』『幹事のアッコちゃん』があります。 仕事や人間関係に少し疲れたときに読むと、アッコさんの言葉が心に染み渡り、前向きな気持ちになれるでしょう。2015年にはNHKでテレビドラマ化もされました。
わたしもアッコさんとランチ交換してみたい!毎日のお昼が冒険になるなんて、最高にわくわくするよね。
本好きなら誰もが胸を熱くする、二人の少女の友情と成長の物語が『本屋さんのダイアナ』です。個性的な名前と外見にコンプレックスを持つ矢島大穴(ダイアナ)と、本が好きな彩子。 全く異なる環境で育った二人が、本という共通点を通じて心を通わせ、大人になっていく十数年間を描いています。
思春期特有の揺れ動く感情やすれ違い、そして大人になってからの再会が、繊細な筆致で描かれています。読書好きはもちろん、かつて少女だったすべての人におすすめしたい一冊です。本作は2014年に直木賞候補となり、静岡書店大賞を受賞しました。
ダイアナと彩子、二人の友情が尊すぎて涙なしには読めないよ…。本が繋ぐ絆って、本当に素敵だよね。
女性同士の友情の脆さや危うさを描き、多くの読者に衝撃を与えた問題作が『ナイルパーチの女子会』です。大手商社で働く主人公・栄利子が、愛読していた主婦ブロガーの翔子と出会い親しくなりますが、二人の関係は次第に歪なものへと変化していきます。
「友達」という関係性に潜む嫉妬や依存、支配欲といった負の感情を容赦なく暴き出す本作は、まさに圧巻の一言。読後、しばらく人間関係について考え込んでしまうほどの力を持っています。2015年に山本周五郎賞、2016年には高校生直木賞を受賞しました。
うわあ…わかる、わかりすぎるのが怖い!誰かを「特別」に思う気持ちって、一歩間違えるとこうなっちゃうのかも…。
現代社会に生きる私たちが抱える、言葉にならないモヤモヤをスカッと吹き飛ばしてくれる短編集がこちら。理不尽な要求を突きつけてくる相手に「あんたのためじゃない」と啖呵を切る表題作をはじめ、シスターフッドや連帯をテーマにした物語が収録されています。
柚木さんらしいパワフルな筆致で描かれる女性たちの姿に、「よくぞ言ってくれた!」と快哉を叫びたくなること間違いなし。日々の生活で溜まったストレスを解消したいときにぴったりの一冊です。2023年10月に刊行され、第170回直木賞の候補作にもなりました。
このタイトル、最高だよね!自分を大切にするための呪文みたいで、わたしも使っていきたいな。
憧れの小説家デビューを果たしたものの、鳴かず飛ばずの主人公・加代子。 同時受賞した元アイドルに話題を全てさらわれ、仕事の依頼もないまま、自腹でホテルにカンヅメになるという崖っぷちの状況から物語は始まります。
うまくいかない現実にもがきながらも、プライドをかけて再起を図ろうとする加代子の姿は、どこか滑稽で、そして愛おしい。 夢を追いかけることの厳しさと、それでも前に進もうとする人間の強さを描いた、ユーモアあふれる奮闘記です。
自分にふさわしい場所ってどこだろうって考えさせられるね。加代子みたいに、もがいてでも見つけたいな。
75歳の元女優・正子が、ある出来事をきっかけにお金が必要になり、再び奮闘する姿を描いた物語です。 いわゆる「理想のおばあちゃん」像とはかけ離れた、承認欲求が強くパワフルな正子が、周囲を巻き込みながら逆境を乗り越えていく様子が痛快に描かれています。
年齢を重ねることをネガティブに捉えるのではなく、いくつになっても挑戦できるという希望を与えてくれる作品です。人生100年時代を生きる私たちに、パワフルなエールを送ってくれる一冊。第161回直木賞の候補作にもなりました。
正子さん、超クール!わたしもこんな風に、パワフルでチャーミングなおばあちゃんになりたいな!
20代の脚本家・矢崎莉桜が、恋愛相談に訪れたAからDまでの4人の女性たちの話をもとにドラマの脚本を書こうとします。しかし、彼女たちが語る男が、どうやら同一人物「伊藤くん」らしいと気づき…という物語です。
「伊藤くん」という一人の男性を、彼に関わる複数の女性の視点から描くというユニークな構成が特徴。それぞれの女性が語る「伊藤くん」像のズレから、人間の身勝手さや思い込みの激しさが浮き彫りになります。2018年には映画化もされました。
いるよね、こういう人…。自分を客観視できない痛い男と、それに振り回される女たちの構図が見事だよ。
明治時代、女性の活躍の場が限られていた時代に、女子教育の発展に生涯を捧げた実在の人物たちを描いた歴史小説です。後の津田塾大学の創立者・津田梅子や、恵泉女学園の創立者・河井道、翻訳家の村岡花子など、パワフルな女性たちが登場します。
困難な時代の中でも、未来を信じて道を切り拓いていった女性たちの情熱と連帯に、胸が熱くなること間違いなし。歴史小説が好きな方はもちろん、現代を生きる私たちにも多くの勇気と示唆を与えてくれる作品です。
昔の女性たちのパワーって本当にすごい!彼女たちが灯した「らんたん」の光が、今につながっているんだね。
中学校からの仲良し4人組を主人公にした、食がテーマの連作短編集です。 30歳を目前にして、仕事や恋愛など、それぞれが人生の悩みを抱える中、稲荷寿司やハイボールといった料理をヒントに、お互いのトラブルを乗り越えていきます。
柚木さんならではの美味しそうな料理の描写が満載で、読むとお腹が空いてくる一冊。女性同士の悪意や嫉妬といった要素はなく、心温まる友情物語が読みたい方におすすめです。
友達と美味しいものを食べながらおしゃべりする時間って宝物だよね。まさにそんな幸せが詰まった一冊だよ!
柚木麻子さんのデビューのきっかけとなった、2008年にオール讀物新人賞を受賞した「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む4編を収録した短編集です。表題作「終点のあの子」は書き下ろしです。
思春期特有の憧れや嫉妬、すれ違いといった感情が鮮やかに描かれており、柚木作品の原点ともいえる魅力が詰まっています。 誰かと自分を比べてしまったり、友達との距離感に悩んだりした経験がある人なら、きっと共感する部分が見つかるはずです。
女子校の空気感、リアルすぎて息が詰まりそう…。この頃の気持ちって、大人になっても忘れられないものだよね。
大人気「アッコちゃん」シリーズの第2弾。今回は「3時のおやつ」をテーマに、働く女性たちの日常とささやかな悩みを、美味しいお菓子と共に描いています。
仕事の合間に食べるおやつが、凝り固まった心をほぐし、新たな一歩を踏み出すきっかけをくれる。 『ランチのアッコちゃん』で心が温まった方は、ぜひこちらも手に取ってみてください。読めば、甘いものが食べたくなること間違いなしです。
おやつの時間って大切だよね。アッコさんの選ぶおやつ、どれも美味しそうで真似したくなっちゃうな。
彼氏いない歴=年齢の主人公・青子が、ひょんなことからお寿司屋さんで働くことになり、婚活に励む物語。しかし、ただの婚活小説ではありません。
不器用ながらも自分の力で幸せを掴もうと奮闘する主人公の姿を通して、自己肯定感や成長を描いた、心温まる一冊です。美味しいお寿司の描写も魅力的で、読後にはお寿司が食べたくなるかもしれません。
婚活ってテーマだけど、それだけじゃないのが良いよね。自分の手で幸せを握っていく青子を応援したくなる!
早稲田大学を舞台に、三人の男女の視点から大学生活を描いた青春群像劇です。ジェンダーギャップやルッキズムといった現代的なテーマを織り交ぜながら、それぞれの成長と葛藤を瑞々しく描いています。
大学という特殊な空間で繰り広げられる人間模様は、どこか懐かしくもあり、同時に鋭い問いを投げかけてきます。キャンパスライフのきらめきとほろ苦さが詰まった、青春小説の傑作です。
キャンパスの空気感が伝わってきて、なんだか大学時代に戻りたくなっちゃった!甘酸っぱくて最高だね。
「アッコちゃん」シリーズの第3弾となる本作のテーマは「幹事」。飲み会やイベントの幹事という、誰もが一度は経験したことがあるであろう役割を通して、仕事や人間関係の悩みを解決していく物語です。
面倒なようで奥が深い「幹事」の仕事に、新たな光を当ててくれる一冊。アッコさんの見事な仕切り術を読めば、次回の幹事を引き受けるのが楽しみになるかもしれません。お仕事小説が好きな方におすすめです。
幹事って大変だけど、アッコさんみたいにできたら楽しいだろうな。段取り力、わたしも見習いたい!
文具メーカーで働く主人公・美緒は、優秀な同僚に片想い中。ある日、ひょんなことから社内の機密情報を知ってしまい、恋に仕事に大奮闘することになります。
お仕事小説としての面白さはもちろん、不器用な主人公の一途な恋模様にキュンとすること間違いなし。文具好きにはたまらない、こだわりの文具描写も楽しめます。明日からまた仕事を頑張ろうと思える、元気が出る一冊です。
オフィスラブってドキドキするよね!美緒の頑張りが可愛くて、思わず応援したくなっちゃうな。
本作は小説ではなく、柚木さんの日常や食、家族について綴られたエッセイ集です。作家としての顔とはまた違う、一人の女性としての素顔が垣間見えます。
タイトル通り、どんな時でも「とりあえずお湯をわかす」ことで、心を落ち着かせ、次の一歩を踏み出そうというメッセージが込められています。忙しい日々の合間に読むと、心がふっと軽くなるような、優しい一冊です。
わかる、とりあえずお茶を飲むと落ち着くよね。柚木さんの日常が垣間見えて、もっとファンになっちゃった。
これまで女性を主人公にすることが多かった柚木さんが、男性の視点からも物語を紡いだ意欲的な短編集です。ダメな部分も愛すべき部分も、様々な男性の姿が生き生きと描かれています。
女性だけでなく男性の読者も楽しめる、柚木さんの新たな一面を発見できる一冊。「わかる!」と共感したり、「こういう人いる!」と笑ってしまったり、多彩な物語が楽しめます。
男性目線の話も面白い!柚木さんの人間観察力って、本当にすごいんだなって改めて感じたよ。
絶世の美女にしか入居できない謎の寮を舞台に、外見にコンプレックスを持つ女性たちが繰り広げるコメディです。自らを「ブス」だと嘆く彼女たちが、奇想天外な騒動を巻き起こします。
ルッキズム(外見至上主義)というシリアスなテーマを、笑いとユーモアで包み込んだ快作。コンプレックスを抱えながらもたくましく生きる女性たちの姿に、元気と勇気をもらえます。2013年にはNHKでテレビドラマ化もされました。
自分の見た目が好きになれない気持ち、すごくわかる…。でも、それを笑い飛ばすパワーがすごい!
この作品は、11位で紹介した短編集『終点のあの子』に収録されている、柚木さんのデビューのきっかけとなった第88回オール讀物新人賞受賞作です。女子校を舞台に、卒業を間近に控えた少女たちの繊細な人間関係を描いています。
少女たちの脆くきらびやかな関係性が、鮮烈な筆致で描かれた柚木文学の原点です。幸せなだけではない、リアルな結婚生活の描写に、深く考えさせられる一冊です。これから結婚を考える人にも、すでに結婚している人にもおすすめです。
このヒリヒリした感じ、デビュー作ならではの鋭さだね。大人になってから読むと、また違った感情が湧いてくるよ。
柚木麻子さんのおすすめ小説ランキングTOP20、いかがでしたでしょうか。柚木さんの作品は、読む人に元気を与えてくれるビタミン剤のような物語から、人間の心の奥底を鋭く見つめる物語まで、非常に多彩な魅力を持っています。
もしあなたが明日への活力が欲しいなら『ランチのアッコちゃん』シリーズを、女性同士の複雑な関係性に興味があるなら『ナイルパーチの女子会』を、そして濃厚な読書体験を求めるなら『BUTTER』を手に取ってみてください。きっと、あなたの心に深く響く一冊が見つかるはずです。