皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。

皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
戦争小説は、ただ戦闘の様子を描くだけでなく、戦争という極限状況が人々の日常や心にどのような影響を与えるかを深く掘り下げています。極限状態に置かれた人間の心理や、普段は意識することのない生命の尊さ、そして平和のありがたさを、物語を通して読者に問いかけます。
歴史的な事実に基づいた作品も多く、過去の悲劇を学び、未来に活かすための教訓を与えてくれます。この記事では、国内外の名作から現代の話題作まで、心に深く刻まれる戦争小説をランキング形式でご紹介します。あなたの心に残る一冊が、きっと見つかるはずです。
ここからは、「小説ヨミタイ」編集部が厳選した、おすすめの戦争小説をランキング形式でご紹介します。
第二次世界大戦を舞台にした作品を中心に、古代から現代、日本から海外まで、さまざまな時代や国の物語をピックアップしました。それぞれの作品が持つ独自の視点やメッセージに触れ、あなたの心に残る一冊を見つけてみてください。
2022年の本屋大賞を受賞した、逢坂冬馬さんのデビュー作です。舞台は第二次世界大戦下の独ソ戦。ドイツ軍に母親を殺された少女セラフィマが、ソ連の女性狙撃兵として訓練を受け、戦場へと身を投じていく物語です。
復讐を誓いながらも、敵兵を撃つことに葛藤するセラフィマの姿が鮮烈に描かれています。過酷な運命に翻弄されながら、仲間との絆や自らの人間性を見つめ直していく心理描写が、多くの読者の心を打ちました。
ふくちい少女が狙撃兵になる設定がすごいよね。復讐と葛藤の心理描写に、ぐいぐい引き込まれちゃった!


太平洋戦争の特攻隊員だった祖父の生涯を、孫が調査していく形式で物語が進行します。臆病者と非難されながらも、天才的な操縦技術を持っていた祖父・宮部久蔵。彼はなぜ特攻を選んだのか、その謎を追ううちに、戦争の不条理と家族への深い愛が浮かび上がってきます。
世代を超えて戦争の記憶を継承することの重要性を問いかける作品であり、映画化もされて大きな話題となりました。戦争を知らない世代にこそ読んでほしい一冊です。



おじいちゃんの本当の姿を探す旅、いいよね。世代を超えた家族の愛に涙しちゃった…。


2015年にノーベル文学賞を受賞した、ベラルーシの作家によるノンフィクション作品です。第二次世界大戦で独ソ戦に従軍した500人以上の女性たちの証言を集め、これまで語られることのなかった「女性から見た戦争」の現実を明らかにしました。
兵士としてだけでなく、看護師、パルチザン、主婦として戦争を生き抜いた女性たちの生々しい声が、戦争の残酷さと悲惨さを多角的に伝えます。歴史の裏側に埋もれていた真実を掘り起こした、貴重な記録文学です。



これは小説じゃないんだけど、一人ひとりの言葉がすごく重いんだ。戦争のもう一つの顔を見た気がするよ。


太平洋戦争末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、敗走する日本兵の極限状態を描いた作品です。 主人公の田村一等兵が、部隊を追われ、飢えと病に苦しみながらジャングルをさまよう姿を通して、戦争が人間をどこまで変えてしまうのかを問いかけます。
人肉食という衝撃的なテーマを扱いながら、人間の尊厳や罪の問題に深く切り込んでいます。 作者自身もフィリピンで捕虜になった経験があり、その体験が作品に強烈なリアリティを与えています。



本作における極限状況下での人間の心理描写は、読者の倫理観を根底から揺さぶる力を持っている。


現代の女子中学生が、1945年の日本にタイムスリップしてしまうことから物語は始まります。そこで出会ったのは、特攻隊員の青年・彰。彼と心を通わせる中で、少女は戦争の悲惨さと、平和な現代がいかに尊いものであるかを知っていきます。
若者にも読みやすい文体で、恋愛小説の要素を取り入れながら、戦争の現実と平和への願いを描いています。2023年には映画化もされ、幅広い世代から支持を集めました。



タイムスリップっていう設定が面白いよね!切ない恋の物語を通して、戦争について考えさせられたよ。


アウシュヴィッツ強制収容所の所長の息子である8歳の少年ブルーノと、収容されている同い年のユダヤ人少年シュムエルとの友情を描いた物語です。フェンス越しに交わされる二人の無邪気な会話を通して、ホロコーストの悲劇が浮き彫りにされていきます。
子供の視点から描かれることで、大人の世界の狂気や無関心がより一層際立ちます。衝撃的な結末が世界中で議論を呼び、映画化もされました。戦争の愚かさを静かに、しかし鋭く告発する作品です。



子供の目線だからこその残酷さがあるよね…。ラストは本当に言葉を失っちゃった。


第二次世界大戦末期のビルマ(現在のミャンマー)を舞台に、日本兵たちの姿を描いた児童文学の名作です。 主人公の水島上等兵は、竪琴の名手。彼は音楽を通して、敵味方の区別なく人々の心を癒し、戦争の犠牲者を弔うためにビルマに残ることを決意します。
戦争の悲惨さだけでなく、その中にある人間愛や平和への祈りを描いた感動的な物語です。 2度にわたって映画化され、教科書にも採用されるなど、長年にわたって読み継がれています。



音楽が人と人をつなぐって素敵だよね。水島上等兵の優しさに心が温かくなったよ。


実話をもとに、アウシュヴィッツ強制収容所に作られた秘密の図書館で「図書係」を務めた14歳の少女ディタの物語を描いています。 本を持つことが死を意味する収容所で、彼女は命がけでわずか8冊の本を守り抜きます。
極限状況の中、本が人々に希望や知識、そして人間性を保つための支えとなる様子が感動的に描かれています。 生きる力としての「物語」の価値を再認識させてくれる一冊です。



本を守るために命をかけるなんて、すごい勇気だよね。物語の力を改めて感じさせられたよ。


人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の脚本家としても知られるデイヴィッド・ベニオフによる小説です。第二次世界大戦中、ナチスに包囲されたレニングラードを舞台に、2人の若者が大佐の娘の結婚式で使うための卵1ダースを探すという奇妙な任務に挑みます。
飢餓や死と隣り合わせの過酷な状況を、ユーモアと友情を交えて描いた青春冒険小説です。 戦争の悲惨さを描きながらも、エンターテインメント性が高く、読者を引き込む力を持っています。



戦争中に卵を探すミッションがユニークだよね!過酷なのにクスッと笑えるのがいいんだ。


広島の原爆投下をテーマにした、日本文学の金字塔です。主人公である閑間重松が、姪の矢須子の縁談のために、彼女が原爆に直接被爆していないことを証明すべく、自身の原爆体験記を清書していくという構成で、原爆がもたらした悲劇と、その後の人々の生活に落とす影を静かに描いています。
直接的な戦闘シーンではなく、被爆後の日常にじわじわと広がる放射能の恐怖や人々の苦しみが、かえって原爆の恐ろしさを際立たせています。 戦争の記憶をどう語り継ぐべきかを考えさせられる作品です。



本作で描かれるのは、爆発の瞬間ではなく、その後に続く静かな日常の崩壊である。この淡々とした筆致こそが、核兵器の非人道性を最も雄弁に物語っている。


太平洋戦争末期、人間魚雷「回天」の搭乗員となった若者たちの青春群像劇です。 甲子園の優勝投手だった主人公・並木浩二は、肘の故障により野球の道を断たれ、学徒出陣します。
死と隣り合わせの状況で、仲間との友情や恋人への想いを胸に、自らの運命と向き合う若者たちの葛藤が描かれています。 戦闘シーンよりも人間ドラマに焦点を当てており、戦争小説を初めて読む人にもおすすめです。



若者たちの夢や未来が奪われていくのが本当に切ない…。彼らの青春に涙が止まらなかったよ。


第二次世界大戦敗戦直後、米ソ英仏の4カ国統治下に置かれた1945年7月のベルリンが舞台です。 ドイツ人少女アウグステが、恩人の不審死の謎を追ううちに、戦争が残した大きな傷跡と向き合っていく歴史ミステリーです。
緻密な時代描写で、敗戦国の混乱と、その中でたくましく生きようとする人々の姿をリアルに描き出しています。 2019年の本屋大賞で3位に輝くなど、高い評価を得ている作品です。



ミステリーとしても面白いし、戦後のベルリンの様子が目に浮かぶようだよ。主人公の少女がすごく魅力的なんだ!


第一次世界大戦下のヨーロッパを舞台にした、ファンタジー要素のある歴史小説です。 両親を亡くしたポーランド人の少女リラは、不死の存在である「伯爵」と出会い、彼の護衛であるドイツ人兵士イェルクと共に戦禍を旅します。
戦争の悲劇を目の当たりにしたリラとイェルクが、それぞれの方法で世界を救おうと決意する姿を描いています。 なぜ人は争いを繰り返すのかという普遍的なテーマを、壮大なスケールで問いかけるエンターテインメント長編です。



ファンタジーだけど戦争の現実がしっかり描かれていて読み応えがあったよ。伯爵の存在が物語に深みを与えているんだ。


第一次世界大戦をドイツ兵の視点から描いた、反戦文学の不朽の名作です。愛国心に燃えて出征した19歳の少年パウルが、凄惨な塹壕戦の現実を目の当たりにし、心身ともに蝕まれていく過程を克明に記録しています。
英雄的な戦闘シーンは一切なく、戦争の日常にある恐怖、飢え、そして仲間たちの死が淡々と描かれます。戦争が若者からいかに人間性を奪うかを告発し、発表から100年近く経った今もなお、世界中で読み継がれています。



英雄譚ではない、一個人の兵士から見た戦争のリアル。この作品が持つ告発の力は、時代を超えて普遍的である。


第二次世界大戦中のヨーロッパ戦線を舞台に、アメリカ軍のコック兵ティムの活躍を描いたミステリー仕立ての物語です。 彼は戦闘に参加しながら、兵士たちのために食事を作り、戦場で起こるささやかな謎を解き明かすことを心の慰めにしています。
過酷な戦場での「食」と「謎解き」というユニークな組み合わせが魅力です。 仲間との友情や、死と隣り合わせの日常がリアルに描かれ、直木賞候補や本屋大賞にノミネートされるなど高い評価を受けました。



戦場で謎解きっていうのが新しいよね!料理の描写が美味しそうで、過酷な中でも希望を感じられたよ。


神戸大空襲で両親を亡くした14歳の兄・清太と4歳の妹・節子の姿を描いた、野坂昭如の自伝的な短編小説です。 親戚の家を飛び出し、二人きりで防空壕での生活を始めますが、やがて栄養失調で衰弱していきます。
戦争が引き起こす悲劇を、子供たちの視点から痛切に描いています。スタジオジブリによるアニメ映画化でも知られていますが、原作を読むことで、作者自身の戦争体験に基づいた、より深いメッセージを感じ取ることができるでしょう。



アニメも有名だけど、原作の文章はまた違った重みがあるんだ。読むのが辛いけど、目をそらしちゃいけない物語だよ。


神戸の沖縄料理店「てだのふあ・おきなわ亭」の一人娘、ふうちゃんを主人公にした物語です。 沖縄戦で心に深い傷を負った父や、店に集まる沖縄出身の人々との交流を通して、ふうちゃんが成長していく姿を描いています。
戦争の悲しみだけでなく、沖縄の文化や人々の温かさ、そして人間の優しさとは何かを問いかける感動的な作品です。 児童文学として書かれていますが、大人が読んでも深く考えさせられる名作です。



ふうちゃんの明るさと優しさに救われるなぁ。沖縄のことをもっと知りたくなる一冊だよ。


第二次世界大戦中、ワルシャワのユダヤ人ゲットーから脱出した8歳の少年シュリクの、過酷な逃亡生活を描いた物語です。この物語は、第二次世界大戦下のホロコーストを生き抜いた少年の実体験に基づいており、作者ウーリー・オルレブ自身もゲットーや強制収容所を経験しています。
たった一人で森や農村をさまよい、身分を偽りながら、飢えや寒さ、そして人間たちの悪意と戦い続けます。子供の視点から見た戦争の不条理と、それでも失われない生きる希望が胸を打つ作品です。



8歳の男の子が一人で逃げ続けるなんて…。想像を絶する過酷さで、胸が苦しくなったよ。


太平洋戦争末期、九州の大学病院で行われた米兵捕虜に対する生体解剖事件を題材にした小説です。若き医師である主人公が、罪の意識を感じながらも、命令に逆らえず実験に加担していく姿を通して、日本人の倫理観や罪の問題を鋭く問いかけます。
戦争という異常な状況下で、人間の良心がいかに麻痺していくかを冷徹な筆致で描いています。人間の内面に潜む「悪」と向き合わされる、重厚なテーマの作品です。



この作品が提示する倫理的な問いは、極めて重い。戦争という状況が、いかに個人の道徳観念を破壊するかを克明に記録している。


作者自身の戦争体験をもとにしたノンフィクション文学です。 12歳の少女・敏子は、東京大空襲で母と二人の妹を、疎開先での機銃掃射で父を亡くします。 焼け跡に残っていたのは、ガラス職人だった父が作ってくれた、歪んだガラスのうさぎや妹たちの遺品、家族が使っていた食器の欠片などでした。
戦争によって大切な家族を次々と失いながらも、戦後を懸命に生き抜く少女の姿が描かれています。 長年にわたり読み継がれている、戦争児童文学の代表作の一つです。



作者自身の体験が元だから、言葉の一つ一つがすごく重いんだ。平和の尊さを改めて感じたよ。


太平洋戦争末期のサイパン島で、わずか47人の兵を率いて512日間もアメリカ軍に抵抗し続けた実在の日本兵、大場栄大尉の戦いを描いたノンフィクション・ノベルです。彼の部隊は、その神出鬼没な戦いぶりから、映画や小説の中で「フォックス」と呼ばれ恐れられました。
極限の状況下でも部下や民間人を守り抜き、最後まで誇りを失わなかった大場大尉のリーダーシップと人間力が描かれています。2011年には『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』として映画化もされました。



たった47人で戦い続けたなんて信じられないよね。リーダーのあり方を考えさせられる物語だよ。


第二次世界大戦中の東ヨーロッパを舞台に、ホロコーストから逃れるために一人で田舎をさまよう少年を描いた物語です。黒い髪と黒い瞳を持つ少年は、行く先々で異質な存在として迫害され、人間たちの迷信や残虐性に晒されます。
暴力と差別に満ちた世界で、少年が言葉を失い、感情をなくしていく過程が衝撃的に描かれています。戦争が人間社会にもたらす根源的な「悪」を告発した問題作として、世界中で大きな反響を呼びました。



本作で描かれる暴力の描写は、人間の深層に潜む闇を直視させる。その無機質な筆致は、かえって読者に強烈な印象を残すだろう。


ナチス・ドイツの時代を、ごく普通のドイツ人の少年の視点から描いた物語です。主人公の「ぼく」と、同じアパートに住むユダヤ人の親友フリードリヒ。二人の友情が、ナチスの台頭によって徐々に引き裂かれていく様子を、日記のような形式で淡々と綴っています。
日常の中に静かに、しかし確実に忍び寄ってくる差別の恐怖がリアルに描かれています。子供の目を通して、歴史の大きなうねりに翻弄される人々の姿を浮き彫りにした、ドイツ児童文学の名作です。



普通の日常が少しずつ壊れていくのがすごく怖いんだ。親友同士なのに、どうして…って考えさせられるよ。


豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、薩摩(現在の鹿児島県)に連れてこられた朝鮮人陶工たちの子孫の物語です。 異国の地で、望郷の念を抱きながら400年もの間、その伝統と文化を守り続けてきた人々の歴史と悲哀を描いています。
司馬遼太郎が、薩摩焼の窯元である14代沈壽官との出会いをきっかけに執筆した作品です。 戦争がもたらす民族の離散というテーマを通して、故郷とは何か、日本人とは何かを問いかけます。



400年も故郷を思い続けるってすごいことだよね。歴史の大きな流れの中で生きた人々の思いを感じたよ。


太平洋戦争中、戦闘機「零戦」の開発に携わった技術者たちと、その時代を駆け抜けた人々を描いた物語です。主人公は、実在のアメリカ人女性飛行士をモデルにした人物と、戦前に世界一周飛行を成し遂げた国産機に搭乗した架空の日本人カメラマンです。
戦争の道具としてではなく、美しい飛行機を作りたいという技術者たちの純粋な夢と情熱、そして葛藤が描かれています。戦争という大きな時代の流れの中で、自らの夢を追い続けた人々の生き様が胸を打つ作品です。



飛行機を作る人たちの話っていうのが新鮮だったな。技術者のプライドと戦争の現実がぶつかるのが切ないよ。


第二次世界大戦中、「軍犬」として戦場に送られた犬と、その飼い主の絆を描いた物語です。 作者が図書館で一枚の軍犬の写真を見つけたことをきっかけに生まれました。 多くの犬たちが人間と共に戦い、日本に帰ることなく命を落としたという史実に基づいています。
犬好きの心優しい青年と、彼が育てたシェパードのアルマ。 固い絆で結ばれた彼らが戦争によって引き裂かれていく姿は、涙なくしては読めません。 2010年にはテレビドラマ化もされました。



犬も戦争に行っていたなんて知らなかった…。動物と人間の絆に、ただただ涙が止まらなかったよ。


第二次世界大戦後、ソ連のシベリアに抑留された日本人捕虜たちの過酷な収容所生活を描いたノンフィクションです。主人公・山本幡男は、極寒と飢え、そして絶望的な状況の中でも、人間としての希望と誇りを失わず、仲間たちを励まし続けます。
彼の死後、仲間たちはその遺書を暗記し、日本の家族のもとへ届けようとします。人間の尊厳と、仲間との深い絆が胸を打つ感動の実話です。2022年には『ラーゲリより愛を込めて』として映画化され、大きな話題となりました。



遺書を暗記して日本に持ち帰るなんて…。人間の想いの強さに感動したよ。絶対に忘れてはいけない歴史だね。


1941年、ソ連に占領されたバルト三国の一つ、リトアニアから、多くの人々がシベリアの強制労働収容所へ送られた史実を描いています。15歳の少女リナが、家族と引き裂かれ、過酷な収容所で生き抜こうとする姿を力強く描いた物語です。
あまり知られていない歴史の悲劇に光を当てた作品として、世界中で高い評価を受けています。絶望的な状況の中でも、絵を描くことで希望をつなぎ、人間の尊厳を保とうとするリナの姿が心に残ります。



こんな悲しい歴史があったなんて知らなかった…。主人公の少女の強さに、勇気をもらえた気がするよ。


『戦火の馬』の作者としても知られるマイケル・モーパーゴによる、第一次世界大戦を舞台にした物語です。主人公のトーマス・ピースフル(兵士ピースフル)が、兄と共に過ごした幼少期から、戦場の塹壕で死刑執行を待つまでの24時間を回想形式で描いています。
貧しい農村での兄弟の絆や淡い恋、そして戦場の非情な現実が対照的に描かれ、戦争の不条理さを際立たせています。なぜトーマスは死刑にならなければならなかったのか。その謎が、物語を力強く牽引していきます。



兄弟の思い出が温かいからこそ、戦場の現実が余計に辛いんだ。ラストは本当に衝撃的だったよ…。


ある日突然、自分が住む町が「となり町」と戦争を始めることになった、という奇妙な設定の物語です。主人公は市役所の「となり町戦争課」に配属され、戦争を「業務」として淡々とこなすことになります。
戦闘シーンはなく、戦争が完全に日常の一部と化してしまった世界の不気味さや滑稽さを描いた、ユニークな風刺小説です。現実感のない「戦争ごっこ」を通して、現代社会が抱える無関心や想像力の欠如を鋭くえぐり出しています。



戦争がただの「お仕事」になってるのが、すごくシュールで怖いよね。もしかしたら、今のわたしたちも…って考えちゃった。
ここまで、おすすめの戦争小説を30作品ご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。それぞれの物語は、異なる時代、異なる場所、異なる視点から戦争の現実を描き出していました。
これらの小説を読むことは、過去の出来事を追体験し、私たちが今享受している平和がいかに尊く、かけがえのないものであるかを再認識させてくれます。物語を通して登場人物たちの痛みや悲しみ、そして希望に触れることで、私たちは歴史をより深く理解し、未来への教訓とすることができるはずです。
今回ご紹介した作品が、戦争と平和について考えるきっかけとなれば幸いです。ぜひ、気になる一冊を手に取ってみてください。