【2025年最新】原田マハのおすすめ小説ランキングTOP30

原田マハの小説の魅力とは？心揺さぶるアートの世界へ

数々の文学賞を受賞し、多くの読者を魅了し続ける作家、原田マハ。彼女の作品の最大の魅力は、なんといってもアートを題材にした物語の巧みさにあるでしょう。森ビル森美術館の設立に携わり、ニューヨーク近代美術館（MoMA）での勤務経験もあるなど、アートの世界に深く関わってきた経歴を持つ原田マハだからこそ描ける、リアルで情熱的なアートの世界が読者を引き込みます。

史実をベースにしながらも、大胆な発想で紡がれるフィクションは、まるで自分がその時代に生きているかのような臨場感を与えてくれます。ゴッホやピカソ、ルソーといった巨匠たちの人生や、歴史に埋もれた名画の謎を解き明かす物語は、読後、思わず美術館に足を運びたくなるほどの感動と興奮を呼び起こすのです。

原田マハのおすすめ小説ランキングTOP30

ここからは、小説ヨミタイ編集部が厳選した原田マハのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。アート小説の傑作から、心温まる人間ドラマ、爽やかなお仕事小説まで、多彩なラインナップが揃いました。あなたの心に響く、とっておきの一冊がきっと見つかるはずです。

1位: 『楽園のカンヴァス』

原田マハの代表作であり、アート小説の金字塔ともいえるのが『楽園のカンヴァス』です。本作は、素朴派の巨匠アンリ・ルソーの幻の傑作とされる絵をめぐるアートミステリー。ニューヨーク近代美術館のキュレーターと、ルソーを研究する大学教授が、真贋判定の依頼をきっかけに、絵画に隠された壮大なドラマに巻き込まれていきます。

山本周五郎賞を受賞した本作の魅力は、史実とフィクションが巧みに織り交ぜられたストーリー展開です。読者は登場人物たちと共に、ルソーの生きた時代と現代を行き来しながら、一枚の絵に秘められた謎を解き明かしていくことになります。アートの知識がなくても楽しめる、極上のエンターテインメント作品です。

2位: 『本日は、お日柄もよく』

『本日は、お日柄もよく』は、スピーチライターという職業にスポットを当てた、心温まるお仕事小説です。主人公は、幼なじみの結婚式で感動的なスピーチに出会い、言葉の持つ力に魅了されたOLの二ノ宮こと葉。伝説のスピーチライターとの出会いをきっかけに、彼女はスピーチライターとしての一歩を踏み出します。

本作を読むと、言葉がいかに人の心を動かし、人生を豊かにするかを実感させられます。結婚式の祝辞から選挙演説まで、様々な場面で紡がれる言葉の数々は、読む者の心にも深く響くでしょう。明日から少しだけ、言葉を大切にしてみようと思えるような、前向きな気持ちにさせてくれる一冊です。

3位: 『生きるぼくら』

高校時代のいじめが原因で引きこもりとなった24歳の青年、麻生人生が主人公の物語です。ある日突然、母親が置き手紙と5万円を残して失踪。残された年賀状の束の中にあった祖母からの「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」というメッセージを頼りに、人生は4年ぶりに外の世界へと足を踏み出します。

長野県の蓼科で祖母や血の繋がらない妹との共同生活を始め、米作りなどを通じて生きる意味や人との繋がりの大切さを見出していく姿が描かれています。心に傷を負った青年が、自然や人々との触れ合いの中で再生していく過程は、読む人の心に温かい感動を与えてくれるでしょう。

4位: 『たゆたえども沈まず』

19世紀末のパリを舞台に、画家フィンセント・ファン・ゴッホと、日本人画商・林忠正の交流を描いたアート小説です。当時、日本では価値を見出されていなかった浮世絵が、パリの若き画家たちに大きな影響を与えていました。物語は、林忠正のもとで働く日本人青年・加納重吉の視点から、芸術の都パリで繰り広げられる人間ドラマを追っていきます。

タイトルの「たゆたえども沈まず」はパリ市の標語であり、激動の時代を生き抜く登場人物たちの不屈の精神を象徴しています。芸術への情熱、兄弟の絆、そして異文化交流が織りなす壮大な物語は、ゴッホの絵画が持つ本当の魅力に気づかせてくれるでしょう。

5位: 『キネマの神様』

映画を愛するすべての人に贈りたい、感動の物語が『キネマの神様』です。主人公は、かつて映画監督を目指しながらも夢破れ、ギャンブル漬けの毎日を送る郷田マモル。彼のもとに、昔の映画仲間が書いた脚本の映画化の話が舞い込み、止まっていた彼の人生が再び動き出します。

家族や仲間との絆、そして何よりも映画への尽きせぬ愛情が、物語全体を温かく包み込んでいます。夢を諦めてしまった人、何かに情熱を注いできた人にこそ読んでほしい一冊。映画作りの現場の熱気や、スクリーンがもたらす魔法のような瞬間に、きっと胸が熱くなるはずです。

6位: 『暗幕のゲルニカ』

パブロ・ピカソの代表作であり、反戦のシンボルとしても知られる『ゲルニカ』。この巨大な壁画に秘められた謎と、その運命に翻弄される人々の姿を描いたアートサスペンスです。物語は、9.11同時多発テロをきっかけに、国連本部に飾られていた『ゲルニカ』のタペストリーが姿を消したことから始まります。

ピカソはなぜ『ゲルニカ』を描いたのか、そしてその絵にどんなメッセージを込めたのか。ニューヨーク近代美術館のキュレーターである八神瑤子が、絵画の謎を追ってスペインへと旅立ちます。アートが持つ社会的な力や、戦争と平和という普遍的なテーマを問いかける、重厚でスリリングな一作です。

7位: 『カフーを待ちわびて』

原田マハのデビュー作にして、日本ラブストーリー大賞を受賞した心温まる恋愛小説です。沖縄の小さな島で愛犬カフーと暮らす友寄明青のもとに、一通の手紙が届きます。それは、彼が旅先で冗談半分に書いた「嫁に来ないか」という絵馬を見たという女性、幸からのものでした。

「カフー」とは沖縄の言葉で「幸せ」や「良い知らせ」を意味します。突然現れた幸との共同生活を通して、明青の日常が少しずつ変わっていく様子が、沖縄の美しい自然を背景に瑞々しく描かれています。人と人との出会いがもたらす奇跡を信じさせてくれる、優しさに満ちた物語です。

8位: 『旅屋おかえり』

「旅の代行業」を営む元アイドルの女性レポーター、丘えりかが主人公の物語です。依頼人の代わりに日本各地を旅し、その様子をレポートする「旅屋」というユニークな仕事を通して、えりかは様々な人々と出会い、心温まるドラマを繰り広げます。安藤サクラ主演でテレビドラマ化もされた人気シリーズです。

秋田の竿燈まつりや四国の八十八箇所巡りなど、日本の美しい風景や文化が生き生きと描かれているのも魅力の一つ。旅に出たくても出られない人々の想いを背負って旅をするえりかの姿に、旅の持つ意味や人との繋がりの大切さを改めて感じさせられます。読めばきっと、どこかへ旅に出たくなるはずです。

9位: 『リボルバー』

フィンセント・ファン・ゴッホの死の謎に迫る、傑作アートミステリーです。パリの小さなオークション会社に勤める高遠冴のもとに、ある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれます。それは「ゴッホが自殺に使った」ものだというのです。このリボルバーをきっかけに、冴はアート史上最大の謎とされるゴッホの死の真相に迫っていくことになります。

ゴッホは本当に自殺だったのか、それとも誰かに殺されたのか。物語は、ゴッホとゴーギャンという二人の天才画家の複雑な関係を軸に展開していきます。史実の隙間を埋めるように紡がれる大胆なストーリーは、アートファンならずとも引き込まれること間違いなしです。

10位: 『総理の夫』

もしも自分の妻が日本初の女性総理大臣になったら？そんなユニークな設定で描かれるのが『総理の夫』です。鳥類学者の相馬日和は、ある日突然、妻の凛子が総理大臣になったことで、日本で初めての「ファースト・ジェントルマン」として世間の注目を浴びることになります。

政治の世界という特殊な舞台で、夫婦のあり方や家族の絆、そして男女の役割分担といった普遍的なテーマがコミカルかつ温かく描かれています。慣れない公務に奮闘する日和の姿や、総理としての顔と妻としての顔を持つ凛子の葛藤に、笑いながらも共感してしまうでしょう。田中圭と中谷美紀のW主演で映画化もされた話題作です。

11位: 『ジヴェルニーの食卓』

印象派の画家たちと、彼らを支えた女性たちの物語を4つの短編で描いた作品集です。表題作では、クロード・モネが愛した庭と食卓を、彼を支え続けた家族の視点から描いています。他にも、エドゥアール・マネ、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌといった巨匠たちの人生が、彼らのモデルや妻、母の目を通して語られます。

華やかな印象派絵画の裏側にある、画家たちの苦悩や葛藤、そして彼らを愛した女性たちの想いが繊細に描かれており、胸を打ちます。この本を読んだ後に印象派の絵画を観ると、一枚一枚の絵に込められた物語がより深く感じられるようになるでしょう。アートと美食、そして人間ドラマが融合した、味わい深い一冊です。

12位: 『リーチ先生』

日本の民藝運動に大きな影響を与えたイギリス人陶芸家、バーナード・リーチの生涯を描いた物語です。まだ無名だったリーチが日本に渡り、柳宗悦や濱田庄司といった仲間たちと出会い、自身の作風を確立していくまでを描いています。

リーチが日本の美に魅了され、西洋と東洋の文化の架け橋になろうと奮闘する姿は、読む人の胸を熱くします。異文化理解やものづくりへの情熱といったテーマが、リーチという実在の人物を通して生き生きと伝わってきます。芸術を愛し、国境を越えて友情を育んだ人々の姿に、深い感銘を受ける作品です。

13位: 『奇跡の人』

ヘレン・ケラーと、彼女に言葉を教えた家庭教師アン・サリヴァンの物語を、サリヴァンの視点から描いた作品です。三重苦を抱え、誰ともコミュニケーションが取れなかった少女ヘレンと、彼女の世界に光をもたらそうと奮闘するサリヴァンの姿が感動的に描かれています。

有名な「ウォーター！」のシーンに至るまでの、二人の間の壮絶な葛藤と、それを乗り越えた先にある深い絆に、涙なくしては読めません。教育とは何か、人を信じるとは何かということを、改めて考えさせてくれるでしょう。二人が成し遂げた「奇跡」は、現代に生きる私たちにも大きな勇気と希望を与えてくれます。

14位: 『さいはての彼女』

仕事に恋に疲れ果てた女性たちが、旅を通して自分自身を取り戻していく姿を描いた、爽やかな短編集です。表題作では、若くして会社を経営するも、信頼していた秘書の退職で失意の底にいた主人公が、手違いで行くことになった北海道の女満別で新たな出会いを経験します。

人生に立ち止まってしまったとき、新しい場所や人との出会いが、再び前を向く力をくれることを教えてくれる物語です。収録されている4つの物語は、どれも読後感が良く、心がリフレッシュできるはず。忙しい毎日から少し離れて、心を解放したいときにぴったりの一冊です。

15位: 『独立記念日』

人生の様々な局面で「独立」を経験する女性たちの姿を描いた7つの物語が収められた短編集です。親からの独立、夫からの独立、そして自分自身の過去からの独立など、それぞれの主人公が新たな一歩を踏み出す瞬間が鮮やかに切り取られています。

どの物語の主人公も、悩みや葛藤を抱えながらも、自分の足で力強く立とうとします。そんな彼女たちの姿に、同性として共感し、勇気づけられる読者も多いでしょう。読めば、自分自身の人生を振り返り、これからどう生きていきたいかを考えるきっかけになるかもしれません。軽やかな筆致で描かれる、女性たちへの応援歌のような作品集です。

16位: 『美しき愚かものたちのタブロー』

17世紀のオランダ絵画の黄金時代を舞台に、一枚の絵画「タブロー」を巡る人々の運命を描いたアート小説です。主人公は、天才画家ヨハネス・フェルメールの弟子であると偽って絵を描く青年。彼の描いた一枚の絵が、やがて多くの人々を巻き込む事件へと発展していきます。

光の魔術師とも呼ばれるフェルメールの絵画の世界が、緻密な時代考証と豊かな想像力によって見事に再現されています。芸術を愛するがゆえに嘘をつき、翻弄されていく登場人物たちの姿は、切なくも美しい。アートに懸ける人々の情熱と、時代に埋もれた真実を解き明かすミステリー要素が融合した、読み応えのある一冊です。

17位: 『〈あの絵〉のまえで』

一枚の絵の前で、偶然出会った人々の人生が交錯する様子を描いた連作短編集です。舞台はニューヨーク近代美術館（MoMA）。アンリ・ルソーの『夢』、パブロ・ピカソの『アヴィニョンの娘たち』など、実在する名画の前で、登場人物たちはそれぞれが抱える悩みや過去と向き合います。

アートが持つ、人の心を癒し、時に人生を変えるほどの力を感じさせてくれる物語です。美術館という空間で、見知らぬ他者と一枚の絵を共有する。そんなささやかな奇跡が、登場人物たちの心を少しずつ解きほぐしていきます。読後、お気に入りの絵に会いに行きたくなるような、心温まる作品です。

18位: 『異邦人』

京都を舞台に、一枚の絵が人々の運命を狂わせていく様を描いたアートミステリーです。主人公は、出産を控えて東京から京都に一時避難している有吉美術館の副館長・菜穂。彼女は老舗画廊で無名の女性画家が描いた一枚の絵に心を奪われ、その絵と画家に執着するようになります。

タイトルの「異邦人」は「いりびと」と読み、京都という土地に馴染めない菜穂の心情を表しています。芸術を愛するがゆえの情熱が、やがて狂気へと変わっていく過程がスリリングに描かれており、読者はページをめくる手が止まらなくなるでしょう。第6回京都本大賞を受賞し、テレビドラマ化もされた話題作です。

19位: 『板上に咲く』

「世界のムナカタ」と称された板画家、棟方志功とその妻・チヤの生涯を描いた物語です。ゴッホに憧れ、画家になることを夢見て青森から上京した棟方志功。彼の才能を信じ、極貧の生活を支え続けた妻チヤの視点から、二人の愛と闘いの人生が描かれます。

常識外れで破天荒な志功と、そんな彼を大きな愛で包み込むチヤ。二人の夫婦の絆の物語は、笑いあり涙ありの感動的な人間ドラマとして読むことができます。一つの道を信じて突き進む芸術家の情熱と、それを支える家族の愛の形に、胸が熱くなること間違いなしです。

20位: 『サロメ』

19世紀末のイギリスを舞台に、画家オーブリー・ビアズリーと、作家オスカー・ワイルドの耽美的な世界を描いた作品です。ワイルドの戯曲『サロメ』の挿絵を手がけたことで一躍時代の寵児となったビアズリー。しかし、彼の成功は、ワイルドのスキャンダルによって大きく揺らぎ始めます。

白と黒のみで描かれるビアズリーの退廃的で美しいイラストの世界が、小説の中でも見事に表現されています。芸術とスキャンダル、才能と夭折といったテーマが絡み合い、世紀末のロンドンの雰囲気を色濃く映し出しています。短くも鮮烈な人生を送った天才画家ビアズリーの魂の軌跡をたどる、濃密な一冊です。

21位: 『風神雷神』

俵屋宗達の最高傑作「風神雷神図屏風」の誕生秘話に迫る、壮大な歴史アート小説です。物語は、安土桃山時代から江戸時代初期を舞台に、謎に包まれた天才絵師・俵屋宗達の人生を追います。彼がどのようにしてあの革新的な画風を生み出し、国宝となる傑作を描き上げたのか、大胆な仮説を交えて描かれています。

戦国の世の動乱や、当時の芸術家たちの交流が、生き生きとした筆致で描かれており、歴史小説としても楽しめます。日本の美の原点ともいえる「琳派」の誕生の瞬間に立ち会うような、興奮と感動を味わえるでしょう。アートファン、歴史ファン双方におすすめしたい一作です。

22位: 『常設展示室』

美術館の「常設展示室」に飾られた6枚の絵画をモチーフにした短編集です。それぞれの絵画にまつわる、6つの異なる時代の物語が展開されます。登場するのは、画家自身であったり、モデルであったり、あるいはその絵をただ眺める名もなき人々であったりします。

一枚の絵が、時代を超えて人々の人生に寄り添い、静かに物語を紡いでいく。そんなアートと人生の関わり方を、優しく描き出した作品です。派手なミステリーやドラマはありませんが、心にじんわりと染み渡るような感動があります。美術鑑賞が好きな人はもちろん、物語に静かに浸りたい人におすすめの一冊です。

23位: 『スイート・ホーム』

「家」をテーマに、様々な家族の形を描いた6つの物語が収められた短編集です。これから新しい家を建てる夫婦、親の残した実家をどうするか悩む姉妹、シェアハウスで暮らす若者たちなど、登場人物たちの状況は様々。それぞれの物語を通して、家族とは何か、そして自分にとっての「帰る場所」とは何かを問いかけます。

どの物語も、現代社会が抱える家族の問題をリアルに描きながらも、読後には温かい気持ちになれるのが魅力です。血の繋がりだけではない、新しい家族の形も提示してくれます。自分の家族や、これから築きたい家庭について、改めて考えるきっかけをくれる作品集です。

24位: 『翼をください』

1964年の東京オリンピックを舞台に、日本の未来を切り拓こうと奮闘した人々の姿を描いた物語です。主人公は、オリンピック組織委員会で働く若き女性職員。彼女の視点を通して、聖火リレーの実現や、公式記録映画の制作など、オリンピックの裏側で繰り広げられた知られざるドラマが明かされていきます。

戦後復興の象徴であった東京オリンピックに、多くの人々がどれほどの情熱を注いだのかがひしひしと伝わってきます。困難な状況でも夢を諦めず、未来を信じて突き進んだ人々の姿は、現代の私たちにも大きな勇気を与えてくれるでしょう。歴史の大きなうねりの中で、懸命に生きた人々の熱い思いに触れられる一冊です。

25位: 『あなたは、誰かの大切な人』

人と人との繋がりや、日常の中にあるささやかな幸せをテーマにした短編集です。表題作をはじめ、収録されている6つの物語は、どれも私たちの身近にありそうな出来事を描いています。登場人物たちは、特別なヒーローやヒロインではありませんが、それぞれが誰かにとっての「大切な人」です。

何気ない毎日の中にこそ、宝物のような瞬間が隠れていることに気づかせてくれる作品集です。読んでいると、自分の周りにいる大切な人たちの顔が思い浮かび、温かい気持ちに包まれるでしょう。心が少し疲れた時に読むと、優しく寄り添ってくれるような、お守りのような一冊です。

26位: 『黒い絵』

スペインの巨匠フランシスコ・デ・ゴヤが晩年に描いた連作壁画「黒い絵」。この謎に満ちた作品群を題材に、人間の心の闇と芸術家の狂気を描いたダーク・アートミステリーです。ゴヤがなぜ、光あふれる宮廷画家の地位を捨て、自邸の壁に恐ろしい絵を描き続けたのか。その謎に、現代の美術研究者が迫ります。

「黒い絵」シリーズの中でも特に有名な《我が子を食らうサトゥルヌス》をはじめ、作品に込められたゴヤの絶望や恐怖が生々しく伝わってきます。芸術の極致にある狂気と、人間の本質的な恐怖を描き出した本作は、読者に強烈な印象を残すでしょう。

27位: 『太陽の棘』

終戦直後の沖縄を舞台に、米軍の若き精神科医と、沖縄の画家たちとの交流を描いた物語です。主人公のエドワードは、ニシムイ美術村と呼ばれる集落で、戦争の傷跡に苦しみながらも創作活動を続ける画家たちと出会います。

支配する側と支配される側という立場を超えて、アートを愛する者同士として育まれる友情が、感動的に描かれています。厳しい自然環境や物資の乏しい中でも、描くことへの情熱を失わない画家たちの姿は、生きることの力強さを教えてくれます。沖縄の歴史と美術に光を当てた、重厚ながらも心温まる一作です。

28位: 『一分間だけ』

仕事が生きがいのファッション雑誌編集者・藍と、彼女が飼うことになったゴールデンレトリバーのリラとの絆を描いた、感動の物語です。忙しい毎日の中で、次第にリラの世話を重荷に感じてしまう藍。そんな中、リラが病に倒れてしまい、藍は本当に大切なものが何かに気づかされていきます。

犬を飼ったことがある人なら、誰もが共感し、涙してしまうでしょう。愛犬と過ごすかけがえのない時間の大切さを、改めて教えてくれます。人間と動物の種を超えた深い愛情に、心が洗われるような一冊。台湾を舞台に映画化もされています。

29位: 『夏を喪くす』

中学2年生の夏、主人公の少女・冬子の周りで起こる出来事を描いた、少しビターな青春小説です。親友の裏切り、初恋、そして家族の中に潜む秘密。多感な時期の少女が経験する様々な出来事を通して、彼女が少しだけ大人へと成長していくひと夏の物語が、繊細な筆致で描かれています。

誰もが経験する思春期特有の揺れ動く感情や、世界のすべてがキラキラして見えたあの頃の感覚が、鮮やかに蘇ります。甘酸っぱいだけでなく、痛みや切なさも伴う青春の記憶。大人になった今だからこそ、主人公の心の機微に共感し、懐かしい気持ちに浸れる作品です。

30位: 『風のマジム』

沖縄の小さな離島を舞台に、さとうきびからラム酒を造ることに情熱を燃やす女性、マジムの物語です。東京でのキャリアを捨て、故郷の島に戻ってきたマジムが、様々な困難を乗り越えながら、仲間たちと共に夢を実現させていく姿が描かれています。

沖縄の美しい自然や、温かい人々との交流を背景に、地域再生や夢を追いかけることの素晴らしさが力強く伝わってきます。主人公マジムの前向きでエネルギッシュな姿に、読んでいるこちらも元気をもらえるはず。爽やかな読後感で、明日への活力が湧いてくるようなお仕事小説です。

まとめ：お気に入りの一冊を見つけて、原田マハの世界に浸ろう

原田マハのおすすめ小説ランキングTOP30をお届けしました。アートの世界を深く掘り下げた作品から、心温まる人間ドラマ、明日への活力をくれるお仕事小説まで、そのジャンルは多岐にわたります。どの作品にも共通しているのは、登場人物たちの情熱や、人生のきらめきが生き生きと描かれていることでしょう。

今回のランキングを参考に、ぜひあなたの心に響く一冊を見つけてみてください。そして、ページをめくる手を止められなくなるような、原田マハの物語の世界にどっぷりと浸ってみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの日常を少しだけ豊かにしてくれる、素敵な読書体験が待っているはずです。