小学生におすすめの小説とは?選び方のポイント
小学生時代は読書習慣の基礎を築く重要な時期です。この時期に面白い本と出会うことで、生涯の読書好きになる可能性が高まります。
特に小説は想像力を育み、語彙力や読解力を自然と伸ばしてくれる素晴らしいツールです。今回は、小説ヨミタイ編集部が厳選した小学生におすすめの小説をランキング形式でご紹介します。
小学生の読書習慣と小説の重要性
小学生が定期的に読書をすることで、国語力だけでなく思考力や集中力も養われます。文部科学省の調査によると、読書量が多い子どもほど学力テストの成績が良い傾向にあるというデータもあります。
小説は特に心の成長にも大きく影響します。様々な登場人物の視点から物事を見る経験は、共感力や想像力を高め、人間関係の構築にも役立ちます。
年齢や読書レベルに合わせた小説の選び方
小学生といっても、1年生と6年生では読解力に大きな差があります。子どもの学年や読書レベルに合った本選びが重要です。
低学年(1〜2年生)なら、文章量が少なく挿絵が多い作品がおすすめです。中学年(3〜4年生)になると、章立てのある短めの小説に挑戦できるようになります。高学年(5〜6年生)では、より複雑なストーリー展開の作品も楽しめるようになります。
ジャンル別の小説の魅力
小説には様々なジャンルがあり、子どもの興味に合わせて選ぶことが大切です。
ファンタジーは想像力を刺激し、冒険小説は勇気や友情について学べます。日常を描いた作品は共感しやすく、ミステリーは論理的思考力を鍛えてくれるでしょう。子どもの好みや性格に合わせて、まずは興味を持ちそうなジャンルから始めるのがおすすめです。
小学生におすすめの小説ランキングTOP20
第1位 魔女の宅急便
角野栄子さんの代表作「魔女の宅急便」は、13歳の魔女キキが一人前の魔女になるために旅立ち、見知らぬ町で宅急便の仕事を始める物語です。挫折や成長、人との触れ合いを通じてキキが成長していく姿は、小学生の心に寄り添うように描かれています。
宮崎駿監督によるアニメ映画でも知られていますが、原作小説はアニメとは異なる魅力にあふれています。小学校中学年から読み始められる親しみやすい文体で、シリーズ全6巻ありますが、まずは第1巻から読み始めるのがおすすめです。



キキの等身大の悩みや成長がすごく共感できるんだよね。魔女の話なのに不思議と身近に感じられるところが素敵かな!
第2位 ハリー・ポッターと賢者の石
J.K.ローリングによる世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズの第1作目です。11歳の誕生日に自分が魔法使いだと知らされたハリーが、ホグワーツ魔法魔術学校で友情や冒険を経験しながら成長していく物語です。
想像力豊かな魔法の世界観と、友情や勇気、善悪の対決といった普遍的なテーマが見事に融合しています。文章量は多めですが、一度読み始めると夢中になる展開の面白さがあり、小学校高学年から楽しめます。



魔法の世界にすっかり引き込まれちゃうよね。ハリー、ロン、ハーマイオニーの友情がめちゃくちゃ温かくて何度読んでも泣ける!
第3位 クレヨン王国シリーズ
福永令三さんによる「クレヨン王国」シリーズは、クレヨンで描かれた世界が舞台のファンタジー小説です。クレヨン王国の王女や兵士たちが繰り広げる冒険は、カラフルで想像力豊かな世界を広げてくれます。
短編集形式になっているため、読書に慣れていない子どもでも取り組みやすいのが特徴です。挿絵も多く、小学校低学年から楽しめる作品となっています。シリーズは多数ありますが、最初の「クレヨン王国の十二か月」から読み始めるのがおすすめです。



クレヨンの色ごとに性格が違うキャラクターたちがとっても魅力的!自分も思わず色鉛筆で絵を描きたくなっちゃう本だよ。
第4位 チョコレート工場の秘密
ロアルド・ダールによる名作「チョコレート工場の秘密」は、不思議な発明家ウィリー・ウォンカが営むチョコレート工場を訪れた子どもたちの冒険を描いた物語です。貧しいチャーリーが黄金のチケットを手に入れ、夢のような工場を見学する様子は、読む者を魔法のような世界へと誘います。
ユーモアたっぷりの文章とクィンティン・ブレイクによる挿絵が相まって、子どもの想像力を刺激します。意地悪な子どもたちに次々と起こるコミカルな出来事も、ダールならではの魅力です。



このお話を読むとチョコレートが食べたくなるよね!ウィリー・ウォンカの奇抜なアイデアとウンパ・ルンパのユーモアあふれる歌が大好き!
第5位 西の魔女が死んだ
梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」は、学校に行けなくなった中学生の少女まいが、おばあちゃんの家で過ごす夏休みを描いた物語です。おばあちゃんは自分のことを「西の魔女」と呼び、まいに「魔女の修行」と称して自立のための知恵を教えていきます。
静かな情景描写と、生きることの意味を問いかける深い内容が特徴で、小学校高学年から中学生に特におすすめです。死を扱っていますが、生きる力や自然との共生を優しく伝えてくれる名作です。



おばあちゃんと過ごす時間がとても静かで穏やかで心地いい。でも最後は涙が止まらなくなる…。生きるって何だろうって考えさせられるんだよね。
第6位 ルドルフとイッパイアッテナ
斉藤洋さんの「ルドルフとイッパイアッテナ」は、迷子になった黒猫ルドルフが大都会で出会った野良猫イッパイアッテナとの友情を描いた物語です。お互いの言葉の違いや価値観の違いを乗り越え、友情を育んでいく様子は心温まります。
猫の目線から見た世界が新鮮で、友情や信頼、勇気といったテーマを自然と学べる作品です。文章が読みやすく、小学校中学年から楽しめます。続編もあるので、気に入った場合はシリーズで楽しめます。



猫視点のお話って新鮮で面白いよね!イッパイアッテナの強さと優しさのギャップにキュンとしちゃう。友達の大切さを教えてくれる素敵な物語だよ。
第7位 怪人二十面相
江戸川乱歩の「怪人二十面相」は、名探偵・明智小五郎と変装の天才・怪人二十面相の対決を描いたミステリー小説です。次々と繰り出される二十面相の犯行と、それを追う明智小五郎の推理が子どもたちを引き込みます。
スリリングな展開と謎解きの面白さが魅力で、推理力や論理的思考を育むきっかけになります。文章は小学校高学年向けですが、漢字にふりがなが振られた「少年探偵団シリーズ」として出版されているので読みやすいです。



二十面相の変装テクニックがすごすぎる!毎回どんな姿で現れるのかドキドキするし、明智小五郎の推理も鋭くてハラハラする展開が止まらないよ。
第8位 車のいろは空のいろ
あまんきみこさんの「車のいろは空のいろ」は、少年とおじいさんの心の交流を描いた心温まる物語です。町で一番の高級車を持つおじいさんと、その車に憧れる少年の間に生まれる友情を通して、本当の豊かさや幸せとは何かを問いかけています。
情景描写が美しく、少ない言葉で多くを語る繊細な文体が特徴です。物語は短く、読書初心者でも読みやすい構成になっていますが、内容は深く心に響きます。小学校中学年から楽しめる一冊です。



タイトルの意味がわかったときの感動が忘れられないんだよね。シンプルなストーリーなのに、読み終わったあとに静かな感動が残る素敵な本!
第9位 モモ
ミヒャエル・エンデの「モモ」は、時間を盗む灰色の男たちから人々の時間を取り戻す少女モモの物語です。「時間とは何か」「本当の豊かさとは何か」という深いテーマを、ファンタジー形式で分かりやすく描いています。
現代社会における時間の使い方や人間関係の大切さを考えさせられる名作で、子どもから大人まで楽しめる奥深さがあります。文章量はやや多めですが、小学校高学年なら十分に読みこなせるでしょう。



モモの「ただ聞くだけ」の能力が今の時代こそ必要だと思うんだよね。時間泥棒の正体を知ったときのゾクッとする感覚は大人になった今でも忘れられないよ!
第10位 ふしぎ駄菓子屋銭天堂
廣嶋玲子さんの「ふしぎ駄菓子屋銭天堂」は、不思議な駄菓子を売る「銭天堂」を舞台にした連作短編集です。店主の紅子が売る駄菓子には、それぞれ不思議な力があり、それを食べた子どもたちが様々な体験をします。
短編形式で読みやすく、挿絵も豊富なため、読書に苦手意識がある子どもでも取り組みやすいのが魅力です。ファンタジー要素と日常が絶妙に融合した世界観で、小学校中学年から楽しめます。



駄菓子の不思議な力が毎回ドキドキする展開を生み出すんだよね!紅子さんの「食べ方を間違えるとどうなるかわからないからね」っていう言葉がクセになる面白さ!
第11位 かがみの孤城
辻村深月さんの「かがみの孤城」は、不登校の中学生・こころが鏡の中の城に迷い込み、同じように悩みを抱えた仲間たちと「願い」をかなえるための試練に挑む物語です。
学校に行けない子どもたちの心情が繊細に描かれ、友情や成長、家族との関係など多くのテーマを含んでいます。2018年本屋大賞を受賞した話題作で、小学校高学年から大人まで幅広い年齢層に読まれています。



登場人物それぞれの抱える問題に胸が締め付けられるけど、仲間との交流で少しずつ変わっていく様子が希望をくれるんだよね。最後の展開は何度読んでも泣けるよ。
第12位 エルマーのぼうけん
ルース・スタイルス・ガネットの「エルマーのぼうけん」は、少年エルマーが迷子の赤ちゃん竜を助けるために冒険に出る物語です。優しい心を持ったエルマーが、様々な困難を乗り越えながら野生の島へ向かう姿は、小さな子どもたちの勇気を引き出します。
文章は簡潔で読みやすく、挿絵も多いため、小学校低学年の初めての読書にもぴったりです。想像力を刺激する冒険ファンタジーとして長く愛されています。



優しいエルマーの冒険にワクワクする!何度読んでも新しい発見があって、初めて一人で読み切った本がこれだったって友達も多いんだよね。
第13位 バッテリー
あさのあつこさんの「バッテリー」は、天才ピッチャーの原田巧と、彼を受け止めるキャッチャーの永倉豪の成長と友情を描いた青春小説です。野球を通じて描かれる人間関係や心の葛藤は、スポーツをしている子どもたちに特に響く内容です。
単なるスポーツ小説ではなく、大人との関係や友情、自分らしさなど、思春期の子どもたちが直面する様々な問題が描かれています。読みごたえのある作品で、小学校高学年から楽しめます。



野球の技術的な話よりも、巧と豪の関係性の変化が面白いんだよね。言葉少なめだけど心の声がリアルで、スポーツやってなくても十分楽しめる作品だと思う!
第14位 精霊の守り人
上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」は、女用心棒バルサが、体内に水の精霊を宿した少年チャグムを守る旅に出る物語です。緻密に作り込まれた異世界と独自の文化、深みのあるキャラクターたちが魅力的なファンタジー小説です。
「守る」ことの意味や責任、成長といったテーマを、冒険ストーリーを通して描いています。文章はやや難しめですが、小学校高学年なら十分に読みこなせる内容です。



バルサの強さと優しさのバランスが絶妙で憧れる!細部まで作り込まれた世界観に引き込まれて、シリーズ全部読んじゃったよ。
第15位 ごんぎつね
新美南吉の「ごんぎつね」は、いたずらぎつねのごんが、ひとり暮らしの兵十に密かな償いをする物語です。ごんの心情の変化や、すれ違う心と心の悲しさが美しい文章で描かれています。
短い物語ながら深いテーマを持ち、命の尊さや心の交流の大切さを伝えてくれます。教科書にも掲載される名作で、小学校中学年から楽しめますが、大人が読んでも新たな発見がある奥深さを持っています。



最後のシーンは何度読んでも胸が痛くなるんだよね…。ごんと兵十が心を通わせる瞬間の切なさが忘れられない。短い話なのに心に残る力がすごい作品!
第16位 星の王子さま
サン=テグジュペリの「星の王子さま」は、小さな星から地球にやってきた王子さまと飛行士の交流を描いた物語です。シンプルな文章と挿絵で、愛や友情、大人と子どもの違いなど、深いテーマを伝えています。
「大切なものは目に見えない」といった名言も多く、年齢を重ねるごとに新たな発見がある不思議な魅力を持つ作品です。文体はシンプルですが、隠されたメッセージを読み取る力が必要なため、小学校高学年以上におすすめです。



キツネとの別れのシーンが特に好き。「時間をかけたものが大切になる」っていう言葉は大人になった今でもときどき思い出すんだよね。
第17位 11匹のねこ
馬場のぼるさんの「11匹のねこ」は、11匹の個性豊かな猫たちが繰り広げるユーモラスな物語です。さまざまな冒険や日常の出来事を通して、友情や協力の大切さを教えてくれます。
シンプルな絵と文章ながら、子どもの想像力をかき立てる魅力にあふれています。読みやすく短いストーリーが特徴で、小学校低学年の読書デビューにぴったりの一冊です。



それぞれのねこの性格が違って覚えるのが楽しいんだよね!シンプルな絵なのに、どのねこも個性的で愛着がわいちゃう。読み聞かせにもぴったりの作品だと思う!
第18位 盗賊ホットケーキ
野坂昭如さんの「盗賊ホットケーキ」は、ホットケーキが主人公の不思議で楽しいファンタジー小説です。自分がホットケーキであることに悩み、アイデンティティを模索する主人公の姿を通して、「自分らしさ」について考えさせられます。
ユーモアとナンセンスが絶妙に絡み合った斬新な作風で、子どもの想像力を大いに刺激します。文体はやや独特ですが、小学校中学年から楽しめる内容です。



発想が斜め上すぎてクスクス笑いながら読んじゃう!食べ物が主人公なのに深いテーマがあって、野坂さんの独特の世界観にハマっちゃうよね。
第19位 ナルニア国物語
C.S.ルイスの「ナルニア国物語」は、ワードローブ(衣装だんす)を通って辿り着く魔法の国「ナルニア」での冒険を描いたファンタジーシリーズです。4人の子どもたちがナルニアで出会う不思議な生き物や魔法の世界は、読む者の想像力を大いに刺激します。
シリーズ全7巻からなり、勇気や信頼、成長といったテーマが冒険物語を通して描かれています。映画化もされ、世界中で愛される名作です。小学校中学年から高学年におすすめの作品です。



アスランというライオンのキャラクターがめちゃくちゃカッコいいんだよね!タンスの中に別世界があるっていう設定も夢があって、子どもの頃に読んだら絶対タンスを覗きたくなるよ。
第20位 小さい牛追い
マリー・ハムズンの「小さい牛追い」は、ノルウェーの山村に住む少年が牛飼いとして働く夏の日々を描いた物語です。厳しい自然の中で成長していく少年の姿は、現代の子どもたちに自然との共生や自立の大切さを教えてくれます。
北欧の美しい自然描写が魅力的で、シンプルながらも心に残る名作です。文体は読みやすく、小学校中学年から楽しめる内容となっています。



北欧の雄大な自然描写が本当に美しくて、読んでいるだけで森や山の匂いが感じられるような気がするんだよね。現代の便利な生活と全然違う世界観が新鮮で面白いよ!
小学生が小説を読むときの親のサポート方法
読書習慣を身につけるためのコツ
子どもが読書習慣を身につけるには、継続的なサポートが大切です。まずは「読まなければならない」という義務感ではなく、「読むことが楽しい」と感じられる環境づくりを心がけましょう。
子どもの興味に合わせた本選びが最も重要です。最初は薄めの本や挿絵が多い本から始め、徐々に文字量の多い本にステップアップしていくと良いでしょう。また、図書館や書店に一緒に行き、子ども自身に本を選ばせることも大切です。
サポート方法 | 内容 |
読書時間の確保 | 毎日15〜30分の読書タイムを設ける |
読書環境の整備 | 静かで明るい読書スペースを用意する |
本の選び方 | 子どもの興味・レベルに合った本を一緒に選ぶ |
読書の習慣化 | 寝る前の読書など、日課として取り入れる |
図書館の活用 | 定期的に図書館へ行き、様々な本に触れる機会を作る |
一緒に楽しむ読書タイム
子どもが小説を楽しむきっかけとして、家族で一緒に読書を楽しむ時間を作ることも効果的です。親子で同じ本を読んで感想を共有したり、親が読み聞かせをしたりすることで、物語の理解が深まります。
物語について「この登場人物はどう思う?」「次はどうなると思う?」といった質問を投げかけると、子どもの思考力や想像力を育むことができます。ただし、読書感想文のように形式的に感想を求めるのではなく、自然な会話の中で物語を深める姿勢が大切です。
小学生におすすめの小説で広がる想像力と知識の世界
良質な小説との出会いは、子どもの人生を豊かにしてくれます。今回ご紹介した20作品はどれも、小学生の心に寄り添い、想像力を刺激し、新しい世界への扉を開いてくれる名作ばかりです。
子どもの年齢や読書レベル、興味に合わせて選んであげることで、読書の楽しさを発見するきっかけになるでしょう。最初は親子で一緒に読むことから始め、徐々に子ども自身が本の世界に没頭できるようサポートしていきましょう。
小学生時代に培った読書習慣は、その後の学習や人生においても大きな財産となります。ぜひ、この記事を参考に、お子さんにぴったりの一冊を見つけ、豊かな読書体験を提供してあげてください。