皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
柚月裕子(ゆづき ゆうこ)さんは、1968年生まれ、岩手県出身の小説家です。山形県在住で、子育てが一段落した後に小説講座に通い始め、2008年に『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞して40歳でデビューしました。
柚月さんの作品は、人間の心理を深くえぐり、社会の矛盾や理不尽さを鋭く描き出す社会派ミステリーで知られています。2013年には『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を、2016年には『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞を受賞するなど、数々の文学賞に輝いています。骨太なテーマを扱いながらも、読者を引き込むエンターテインメント性を両立させた作風が、多くのファンを魅了しています。
デビュー以来、次々と話題作を生み出してきた柚月裕子さん。その作品群は、警察小説、法廷ミステリー、医療ミステリーと多岐にわたりますが、どれもが人間の本質に迫る重厚な物語ばかりです。
今回は、そんな柚月裕子さんの数ある名作の中から、特におすすめの20作品をランキング形式でご紹介します。心を揺さぶる傑作から、手に汗握るエンターテインメント作品まで、あなたの心を鷲掴みにする一冊がきっと見つかるはずです。
柚月裕子さんの名を世に知らしめた代表作であり、警察小説の金字塔ともいえる作品です。昭和63年の広島を舞台に、ヤクザとの癒着を噂されるベテラン刑事・大上と、彼のもとに配属された新人刑事・日岡の葛藤と生き様を描いています。
暴力団対策法成立以前の、警察とヤクザが剥き出しでぶつかり合う時代の熱気と狂気が、圧倒的な筆力で描かれています。正義とは何か、悪とは何かを読者に鋭く問いかける、一度読んだら忘れられない衝撃作です。2018年には役所広司さん主演で映画化され、大きな話題を呼びました。第69回日本推理作家協会賞を受賞しています。
本作における暴力描写の克明さからは、作者の並々ならぬ覚悟を感じざるを得ない。人間の本性が炙り出される様は、まさに圧巻の一言に尽きる。
2018年本屋大賞で2位に輝いた、将棋界を舞台にした感動のミステリーです。埼玉の山中から白骨遺体が見つかり、その傍らには名駒「初代菊水月作の錦旗」が。叩き上げの刑事・石破と、かつてプロ棋士を目指した経歴を持つ若手刑事・佐野が、事件の真相を追う中で、一人の天才棋士の壮絶な人生が浮かび上がります。
将棋という静かな世界の裏にある、人間の情熱、才能、そして残酷なまでの運命が描かれた物語です。ミステリーとしての完成度の高さはもちろん、夢を追いかけることの尊さと厳しさを教えてくれる人間ドラマとしても、深く心に残る一冊です。
夢を追いかける人たちの姿に、わたし、泣いちゃったよ…。才能ってなんだろうって考えさせられる物語だったな。
ある未解決の女児失踪事件を軸に、罪と赦し、そして家族の愛を描いた感動のミステリーです。定年を間近に控えた元警察官の神場は、かつて自分が担当した事件の犯人だと名乗る男に遭遇します。男の告白をきっかけに、止まっていた時間が再び動き出します。
派手なアクションやトリックはありませんが、登場人物たちの繊細な心の動きを丁寧に描き出すことで、物語に引き込まれます。読み終えた後、タイトルの『慈雨』という言葉の意味が、温かい涙とともに心に染み渡るような、優しさに満ちた作品です。
読み終わったあとの余韻がすごかったな。人の優しさに触れられる、心温まるミステリーだよ。
「犯した罪は、まっとうに償わせる」という信念を持つ、ヤメ検弁護士・佐方貞人を主人公とした「佐方貞人」シリーズの第一弾です。ある殺人事件の弁護を引き受けた佐方が、絶望的な状況の中から、法廷で驚くべき真実を明らかにしていくリーガル・ミステリーです。
不利な証拠が次々と出てくる中で、決して諦めずに真実を追求する佐方の姿が胸を打ちます。二転三転する法廷劇の面白さはもちろん、佐方というキャラクターの魅力が光る、シリーズの入門編として最適な一冊です。上川隆也さん主演でドラマ化もされています。
佐方さんの信念の強さがかっこいい!逆転劇が好きな人にはたまらない展開だと思うな。
「佐方貞人」シリーズの第二弾で、佐方が検事だった頃の活躍を描いた連作短編集です。本作で柚月さんは第15回大藪春彦賞を受賞しました。どんな圧力にも屈せず、自らの正義を貫き通す佐方の姿が、5つの事件を通して描かれています。
短編集でありながら、一本筋の通った佐方のキャラクターが物語全体を貫いており、一話一話の読み応えは抜群です。組織の論理よりも個人の正義を優先する佐方の生き様は、現代社会で働く私たちにも多くのことを問いかけてきます。
短編だからサクサク読めるのに、満足感がすごいんだ。佐方さんの検事時代、やっぱり熱いね!
警察の不祥事をテーマに、組織の闇と個人の正義の狭間で揺れる人々を描いた警察ミステリーです。「サクラ」シリーズの第一弾で、県警広報職員の森口泉が主人公です。ストーカー被害者の女性が殺害された事件をきっかけに、警察内部の隠蔽体質が明らかになっていきます。
情報漏洩の疑いをかけられた親友の死の真相を追ううち、泉は巨大な組織の闇に立ち向かうことになります。警察という閉鎖的な組織の中で、真実を求め奔走する主人公の姿に、ハラハラしながらも応援したくなる作品です。
警察の内部ってこうなってるの!?ってドキドキしちゃった。主人公の泉さんを応援せずにはいられないよ。
死刑囚と教誨師の対話を通して、人間の罪と赦しという重いテーマに挑んだ作品です。強盗殺人事件で死刑判決を受けた男・沙織。彼のもとに通う教誨師の渡瀬は、沙織との対話を通して、事件の裏に隠された衝撃的な事実に気づいていきます。
物語はほとんどが面会室での会話で進行しますが、二人の心理的な駆け引きが濃密なサスペンスを生み出しています。人が人を裁くことの意味、そして魂の救済とは何かを深く考えさせられる、社会派ミステリーの傑作です。
重いテーマだけど、すごく引き込まれたな。読み終わった後、色々と考えさせられる深い物語だよ。
大ヒット作『孤狼の血』の続編で、「孤狼の血」シリーズの第二弾です。前作から3年後、亡き大上の遺志を継ぎ、広島の裏社会を奔走する刑事・日岡の姿が描かれます。あるヤクザの出所をきっかけに、再び広島の街に血なまぐさい抗争の火種が燻り始めます。
前作の熱気を引き継ぎつつ、主人公・日岡の成長と葛藤がより深く描かれており、人間ドラマとしての魅力も増しています。警察とヤクザ、それぞれの組織の論理に翻弄されながらも、自らの信じる道を突き進む日岡の生き様から目が離せません。
前作の衝撃が再び蘇る。日岡の覚悟と狂気が、物語全体を支配している。この緊張感は病みつきになる。
生活保護の闇と不正受給の実態に迫る社会派ミステリーです。市役所の新人ケースワーカー・牧野聡美は、尊敬していた先輩が遺体で発見されたことをきっかけに、生活保護をめぐる巨大な利権と陰謀に巻き込まれていきます。
社会問題としてニュースで耳にすることはあっても、その内情までは知られていない生活保護の現場が、リアルに描かれています。ミステリーとしての面白さはもちろん、社会のセーフティネットが抱える問題点を鋭く指摘した作品です。WOWOWでドラマ化もされました。
こんな世界があるなんて…。社会の知らない一面を覗き見たような気分だよ。ちょっと怖いけど、知っておくべきことかも。
柚月裕子さんの記念すべきデビュー作で、第7回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作です。
デビュー作ながら、後の作品にも通じる社会の闇や人間の心の機微を描く筆力は圧巻です。心理描写の巧みさと、二転三転するストーリー展開に、最後までページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
これがデビュー作なんて信じられない!今の柚月さんのスタイルの原点が詰まっている感じがするよ。
頭脳明晰で変装の達人でもある元弁護士・上水流涼子が、IQ140の相棒・貴山とともに、法や警察が介入できない事件を大胆な方法で解決していく痛快なミステリーです。傷害事件で弁護士資格を剥奪された涼子が、探偵事務所「上水流エージェンシー」を立ち上げ、様々な依頼に挑みます。
「あり得ない」方法で悪を裁く涼子の活躍が爽快で、エンターテインメント性の高い作品です。柚月さんの作品の中でも特に読みやすく、普段ミステリーを読まない人にもおすすめです。天海祐希さん主演でドラマ化もされ、人気を博しました。
涼子さんのやり方がめちゃくちゃで最高!スカッとしたい時にぴったりの一冊だよ。
「佐方貞人」シリーズの第三弾。検事・佐方貞人が、痴漢冤罪事件や郵便物紛失事件など、一見すると地味な事件の裏に隠された人間の業と真実を暴いていく連作短編集です。権力からの圧力に屈することなく、自らの「死命」をかけて真実を追求する佐方の姿が描かれます。
派手さはありませんが、緻密な捜査とロジックで真相にたどり着く過程は、本格ミステリーファンも唸らせる面白さです。佐方の揺るぎない正義感と、事件関係者に見せる人間的な温かさのギャップも魅力の一つです。
どんな小さな事件にも真摯に向き合う佐方さん、本当に尊敬するな。静かな熱さが伝わってくる作品だよ。
警察小説の傑作「孤狼の血」シリーズの完結編となる第三弾です。物語は昭和と平成、二つの時代をまたぎ、大上と日岡、二人の刑事が追い続けた「最凶の敵」との長きにわたる戦いに終止符が打たれます。
シリーズを通して描かれてきた警察とヤクザの抗争、そして男たちの生き様が、壮大なスケールで描かれる集大成。シリーズのファンはもちろん、まだ読んだことがない人も、この機会に第一作から一気読みしたくなること間違いなしの傑作です。
シリーズの完結、見事と言うほかない。昭和から平成へと続く因縁の描写は、時代の変遷という無常観をも内包している。
少年犯罪をテーマに、罪を犯した少年と、彼らを取り巻く大人たちの葛藤を描いた社会派小説です。児童相談所に勤める健太は、ある傷害事件をきっかけに、法では裁かれない少年たちの心の闇と向き合うことになります。
被害者と加害者、それぞれの家族の想いが交錯し、何が本当の「正義」で、何が本当の「救い」なのかを読者に問いかけます。重いテーマを扱いながらも、未来への希望を感じさせるラストが心に残る、感動的な一冊です。
すごく考えさせられる話だった…。でも、読んだ後に希望が持てる、そんな物語だったな。
大学病院を舞台に、医療過誤疑惑と臓器移植の闇に迫る医療ミステリーです。天才的な技術を持つ心臓外科医・西條のもとで研修医として働く真木は、ある手術をきっかけに、病院が隠蔽する不都合な真実に気づいてしまいます。
人の命を救うはずの聖域で繰り広げられる、医師たちの野心や嫉妬、そして権力闘争が生々しく描かれています。緊迫感あふれる手術シーンと、謎が謎を呼ぶミステリー展開に、一気に引き込まれること間違いなしです。
病院の裏側ってこんなことになってるの!?命を扱う現場の緊張感がすごくて、ドキドキが止まらなかったよ。
保険金殺人の疑惑を軸に、人間の欲望と狂気を描いたサスペンス・ミステリーです。地方の小さな町で起きた不審な連続死。事件の裏には、妖艶な魅力で男たちを虜にする一人の女の存在がありました。
食虫植物「ウツボカズラ」のように、甘い蜜で獲物を誘い込み、破滅させていく女の恐ろしさ。そして、彼女の魅力に抗えず堕ちていく男たちの弱さが、巧みに描かれています。人間の心の奥底に潜む闇を覗き見るような、背筋が凍る一冊です。
人間の欲望が絡み合った時の恐ろしさ、その描写は実に見事だ。甘い香りに誘われた先に待つ破滅、その構図は普遍的な恐怖を喚起させる。
「佐方貞人」シリーズの第四弾です。本作でも、検事・佐方貞人がその鋭い洞察力と執念で、複雑な事件の真相を解き明かしていきます。母親を殺害した罪で逮捕された息子の裁判を担当することになった佐方は、事件の裏に隠された家族の秘密に迫ります。
法廷でのロジカルな追及だけでなく、事件関係者の心情に寄り添い、真の動機を探り出す佐方の人間的な魅力が光ります。シリーズを通して描かれる「正義とは何か」というテーマが、より一層深みを増した一冊です。
佐方さんの優しさと厳しさが両方感じられるお話だったな。ただ犯人を裁くだけじゃない、その奥にあるものが見えるよ。
特殊詐欺グループの内幕と、そこに生きる人々の姿をリアルに描いた社会派小説です。平凡な主婦だった頼子は、ふとしたことから詐欺グループの「受け子」になってしまいます。抜け出せない蟻地獄のような犯罪の世界で、彼女が見たものとは。
なぜ人は、いとも簡単に犯罪に手を染めてしまうのか。加害者側の視点から描くことで、犯罪の根深さと社会の歪みを浮き彫りにします。自分は大丈夫と思っていても、いつ誰が足を踏み入れてもおかしくない犯罪の恐ろしさを突きつけられる作品です。
普通の人が犯罪に巻き込まれていくのがリアルで怖かった…。明日は我が身かもしれないって思っちゃうね。
『朽ちないサクラ』の続編にあたる、「サクラ」シリーズの第二弾です。前作で警察組織の闇に触れた森口泉が、今度は刑事として新たな事件に挑みます。公安、県警、そして暴力団が絡み合う複雑な事件の捜査を通して、泉は刑事として、一人の人間として成長していきます。
前作よりもスケールアップした事件と、より深く描かれる警察内部の権力闘争が見どころです。正義感だけではどうにもならない組織の壁にぶつかりながらも、必死に真実を追い求める泉の姿に、再び心を揺さぶられます。
泉さんが刑事になってて感動!前作よりたくましくなった彼女の活躍から目が離せないよ。
東日本大震災をテーマに、被災地で生きる人々の葛藤と再生を描いた感動の物語です。震災で家族を失った元警察官の男性が、ある未解決事件の再調査を始めることで、過去と向き合い、未来への一歩を踏み出していきます。
ミステリーの要素を含みながらも、震災が人々の心に残した深い傷跡と、それでも前を向いて生きていこうとする人間の強さを描いたヒューマンドラマです。読み終えた後、静かな感動と、明日を生きる勇気が湧いてくるような作品です。
すごく切ないけど、温かい気持ちになれる物語だった。困難の中でも立ち上がろうとする人の姿に勇気をもらえたよ。
柚月裕子さんの作品には、魅力的なキャラクターが登場する人気シリーズがいくつかあります。それぞれに異なる面白さがあるので、どれから読もうか迷ってしまいますよね。基本的にはどのシリーズから読み始めても楽しめますが、物語をより深く味わうためには、刊行順に読むのがおすすめです。
ここでは、特に人気の3つのシリーズ「孤狼の血」「佐方貞人」「サクラ」について、読む順番とそれぞれの魅力をご紹介します。
昭和の広島を舞台に、警察とヤクザの激しい抗争を描いたハードボイルドな警察小説シリーズです。正義とは何かを問いかける重厚なテーマと、生々しい暴力描写が特徴。男たちの熱い生き様に痺れたい方におすすめです。
読む順番は、以下の刊行順がベストです。
「罪はまっとうに償わせる」という信念を持つ検事・佐方貞人の活躍を描く、本格法廷ミステリーシリーズです。緻密なロジックで事件の真相を暴いていく、二転三転する法廷劇が見どころ。リーガルものが好きな方にはたまらないシリーズです。
時系列は少し前後しますが、まずは佐方が弁護士として登場する『最後の証人』から、以下の刊行順で読むのがおすすめです。
県警の広報職員・森口泉が、警察組織内部の不祥事や隠蔽に迫る警察ミステリーシリーズです。巨大な組織の中で真実を追い求める主人公の姿を描き、女性にも読みやすいと評判です。警察内部のリアルな描写に引き込まれます。
このシリーズは、以下の刊行順でお楽しみください。
柚月裕子さんのおすすめ小説ランキング、いかがでしたでしょうか。ハードな警察小説から、感動的なヒューマンミステリー、痛快なエンターテインメント作品まで、その作風の幅広さに驚かれた方も多いかもしれません。
しかし、どの作品にも共通しているのは、人間の心の奥底を鋭く見つめ、社会の矛盾を問いかける真摯な眼差しです。どの作品を手に取っても、きっとあなたの心を強く揺さぶり、忘れられない読書体験をもたらしてくれるはずです。ぜひ、このランキングを参考に、柚月裕子さんの世界に足を踏み入れてみてください。