【2025年最新】石井遊佳のおすすめ小説ランキングTOP3

まずは知りたい！芥川賞作家・石井遊佳とは？

石井遊佳（いしい ゆうか）さんは、1963年大阪府枚方市生まれの小説家です。 東京大学大学院でインド哲学や仏教学を学んだ後、南インドのチェンナイで日本語教師として働いたユニークな経歴を持っています。

そのインドでの経験をもとに執筆した『百年泥』で2017年に第49回新潮新人賞を受賞してデビューすると、翌2018年には同作で第158回芥川龍之介賞を受賞しました。 異国の地での体験を、現実と幻想が入り混じる不思議な物語に昇華させる唯一無二の作風が、多くの読者を魅了しています。

【小説ヨミタイ編集部選】石井遊佳のおすすめ小説ランキングTOP3

ここからは、小説ヨミタイ編集部が厳選した石井遊佳さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。

芥川賞を受賞した鮮烈なデビュー作から、さらにパワーアップした作品集、そして待望の最新作まで、どれも一度読んだら忘れられない強烈なインパクトを持った作品ばかりです。石井遊佳さんの摩訶不思議な世界に、あなたもきっと引き込まれるはず。ぜひ、気になる作品から手に取ってみてください。

1位『百年泥』

堂々の1位は、石井遊佳さんのデビュー作にして第158回芥川賞を受賞した『百年泥』です。 物語の舞台は、百年に一度といわれる大洪水に見舞われた南インドのチェンナイ。 主人公の「私」は、借金を返すために現地のIT企業で日本語教師として働いています。

ある日、洪水が引いた後の川に残された大量の泥の中から、人々の記憶にまつわる品々や、なんと行方不明だった人までが現れるという奇想天外な物語です。 インドならではの混沌とした日常と、幻想的な出来事がユーモラスに描かれ、現実と非現実の境目が曖昧になっていくような不思議な読書体験ができます。 まさに石井遊佳ワールドの原点ともいえる一冊です。

2位『象牛』

2位は、芥川賞受賞後第一作となった作品集『象牛』です。 表題作「象牛」と「星曝し」の2編が収録されています。 「象牛」の舞台は、ガンジス川のほとりにあるヒンドゥー教の聖地ヴァーラーナシー。 大学の教師との関係に傷ついた女子大生が、彼を追ってインドを訪れるところから物語は始まります。

そこで彼女は、象のようでもあり牛のようでもある、謎の生き物「象牛」に翻弄されていきます。 生と死、聖と俗がごちゃ混ぜになったインドの街で繰り広げられる、エネルギッシュで混沌とした世界観は圧巻の一言。前作『百年泥』で心を掴まれた方なら、さらに深く楽しめること間違いなしの作品です。

3位『ティータイム』

3位には、約5年ぶりとなる待望の新作短編集『ティータイム』がランクイン。 表題作を含む、奇妙でどこか怖い4編の物語が収録されています。 タイトルから優雅なひとときを想像するかもしれませんが、その予想は心地よく裏切られます。

表題作の主人公は、温泉地の旅館で働く仲居さん。 彼女が休憩時間に買ったケーキを同僚の子供に分けたことから、日常が少しずつ不思議な方向へとずれていきます。 電車の網棚で生活する女性や、恐ろしいサンタクロースなど、登場人物の設定も奇想天外。 石井さん自身の仲居経験も反映されたリアルな描写と、ぶっ飛んだ物語の融合が楽しめる一冊です。

まとめ：石井遊佳の摩訶不思議な小説世界に飛び込もう

芥川賞作家・石井遊佳さんのおすすめ小説ランキングTOP3をご紹介しました。インドの熱気あふれるデビュー作『百年泥』、混沌がさらに深まる『象牛』、そして日本の日常に潜む奇妙さを描いた『ティータイム』と、どの作品も強烈な個性を放っています。

石井さんの作品に共通するのは、現実と幻想の境界を軽々と飛び越えてしまう、唯一無二の世界観です。日常に少し刺激が欲しい方、まだ誰も見たことのない物語に出会いたい方は、ぜひ石井遊佳さんの小説を手に取ってみてください。きっと、忘れられない読書体験があなたを待っています。