【2025年最新】九段理江のおすすめ小説ランキングTOP3

九段理江とは？芥川賞受賞で注目の新鋭作家の魅力に迫る

いま最も注目を集める作家の一人、九段理江さん。2024年に『東京都同情塔』で第170回芥川賞を受賞したことで、その名を知った方も多いのではないでしょうか。

九段さんは1990年生まれ、2021年に「悪い音楽」で文學界新人賞を受賞してデビューした新進気鋭の作家です。

彼女の作品の魅力は、なんといっても現代社会が抱えるテーマを鋭く切り取る批評性と、読者を引き込む物語としての面白さを両立させている点にあります。

特に芥川賞を受賞した『東京都同情塔』では、生成AIを執筆に取り入れたことでも大きな話題を呼び、AI時代の文学のあり方を問いかける作風が注目されています。

九段理江のおすすめ小説ランキングTOP3

話題の作家であることはわかったけれど、「どの作品から読めばいいの？」と迷ってしまいますよね。

そこで今回は、小説専門メディア『小説ヨミタイ』が、九段理江さんの作品の中から特におすすめしたい3作品を厳選してランキング形式でご紹介します。芥川賞受賞作からデビュー初期の作品まで、それぞれの魅力に迫りますので、ぜひお気に入りの一冊を見つけてみてください。

1位『東京都同情塔』

ランキング第1位は、やはり第170回芥川賞を受賞した『東京都同情塔』です。九段理江さんの名を一躍有名にした、まさに代表作と言えるでしょう。

物語の舞台は、実際には建設されなかったザハ・ハディド設計の国立競技場が完成したパラレルワールドの日本。そこでは、犯罪者は「同情されるべき存在」とされ、彼らのための新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」の建設が進められています。

主人公は、この塔を設計する建築家の牧名沙羅。彼女は犯罪者に同情できないという自身の考えと、社会の大きな流れとの間で葛藤します。AIが生成するような耳障りの良い言葉が溢れる社会で、本当の「言葉」とは何かを鋭く問いかける、まさに現代を象徴する一冊です。

2位『Schoolgirl』

続いて第2位にご紹介するのは、九段理江さんのデビュー単行本『Schoolgirl』です。第166回芥川賞の候補にもなった表題作「Schoolgirl」と、デビュー作「悪い音楽」の2編が収録されています。

この作品は、文豪・太宰治の『女生徒』を現代版にアップデートした物語として注目を集めました。主人公である「私」と、社会派YouTuberとして活動する14歳の娘との、すれ違う関係性が描かれています。

娘は小説ばかり読んでいる母を軽蔑し、母はZ世代の娘の価値観を理解しきれずにいます。世代間の価値観の違いや、母と娘という複雑な関係性を、太宰治の名作をモチーフに鮮やかに描き出した作品です。九段さんの原点ともいえる初期の才能を感じたい方におすすめです。

3位『しをかくうま』

ランキングの3位は、第45回野間文芸新人賞を受賞した『しをかくうま』です。この作品は、これまでの作品とは一味違い、「馬と人類の歴史」という壮大なテーマを扱っています。

物語は、現代の競馬実況アナウンサーと、太古の時代に初めて馬に乗った人物の視点が交錯しながら進んでいきます。主人公は言葉が持つ力や、人間と他の生き物との関係性について深く思索を巡らせていきます。

少し難解な部分もありますが、その分、九段さんのほとばしるような想像力と、言葉への強いこだわりを感じられる一冊です。これまでの作品とは異なるスケールの大きな物語に触れてみたい方におすすめします。

まとめ：あなたに合う九段理江作品の選び方

ここまで九段理江さんのおすすめ小説を3作品ご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。どの作品も個性的で、どれから読もうかさらに迷ってしまったかもしれませんね。

最後に、あなたの興味に合わせた作品の選び方をご提案します。

• 社会的なテーマや現代の課題に興味があるなら
  迷わず芥川賞受賞作の『東京都同情塔』がおすすめです。AI時代の言葉のあり方や、「寛容さ」の裏に潜む危うさなど、今私たちが向き合うべきテーマについて深く考えさせられます。
• 登場人物の心の機微や人間関係の物語が好きなら
  『Schoolgirl』を手に取ってみてください。母と娘の繊細で複雑な関係性が、胸に迫ります。九段さんの作家としての原点に触れたい方にもぴったりです。
• 常識を覆すような、壮大な物語体験をしたいなら
  『しをかくうま』がおすすめです。人類と馬の歴史という大きなスケールで、言葉や知性の根源を問う野心作。唯一無二の読書体験があなたを待っています。

このガイドを参考に、ぜひあなたの心に響く一冊を見つけて、九段理江さんの文学の世界に飛び込んでみてください。