【2025年最新】長嶋有の小説おすすめ人気ランキングTOP16

長嶋有の小説の魅力とは？

『小説ヨミタイ』編集長のふくちいです。今回は、芥川賞作家・長嶋有さんの作品を特集します。独特のユーモアと温かい視点で、多くの読者を魅了し続ける長嶋作品。その魅力の秘密に迫ってみましょう。

長嶋有さんの小説の最大の魅力は、何気ない日常を特別な物語に変えてしまうその巧みさです。 大きな事件が起こるわけではないのに、登場人物たちの会話や心の動きを丁寧に描くことで、読者はいつの間にか物語の世界に引き込まれてしまいます。その作風は、軽やかで読みやすい文体ながら、ふとした瞬間に人生の切なさや愛おしさを感じさせてくれる奥深さを持っています。

また、長嶋さんは小説だけでなく、俳句や漫画、ゲームなど幅広いジャンルで活躍しており、その豊かな知識が作品に独特の奥行きを与えています。 現代を生きる人々のありのままの姿を、唯一無二のユーモアを交えて切り取った作品群は、読後にじんわりと心を温めてくれるでしょう。

長嶋有の小説おすすめ人気ランキングTOP16

それでは、いよいよ『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、長嶋有さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介します！

芥川賞を受賞した代表作から、映画化された話題作、そして少し意外な魅力が詰まった作品まで、幅広くランクインしました。どの作品も、長嶋有さんならではの「日常の面白さ」を存分に味わえるものばかりです。まだ読んだことのない作品はもちろん、一度読んだ作品も、この機会に再発見があるかもしれません。あなたのお気に入りの一冊を見つけるお手伝いができれば嬉しいです。

1位『猛スピードで母は』

堂々の1位は、長嶋有さんの名を一躍有名にした第126回芥川賞受賞作『猛スピードで母は』です。 この作品は、小学6年生の主人公「慎」と、自由奔放な母親との日常を描いた物語。母の再婚話を軸に、新しい家族の形が子どもの視点からクールかつユーモラスに綴られています。

重くなりがちなテーマを扱いながらも、長嶋さん特有の軽やかな文体によって、読者はあっけらかんとした現実に引き込まれていきます。 従来の家族観にとらわれない母子の姿は、発表当時、非常に新鮮なものとして多くの読者の心を掴みました。 長嶋有作品の入門書としても最適な、まさに代表作と呼ぶにふさわしい一冊です。

2位『夕子ちゃんの近道』

第2位は、第1回大江健三郎賞を受賞した『夕子ちゃんの近道』です。 この作品は、表題作を含む珠玉の短編集で、長嶋有さんの真骨頂ともいえる「少し不思議な日常」が存分に味わえます。

登場するのは、どこにでもいそうで、でもやっぱり少し変わった人々。彼らの日常に紛れ込む小さな非日常が、絶妙なユーモアとペーソスをもって描かれています。選考委員であった大江健三郎氏から高い評価を受けたことでも知られており、文学的な評価も非常に高い一冊です。 長嶋作品の奥深さに触れたい読者におすすめします。

3位『三の隣は五号室』

ランキング3位は、第52回谷崎潤一郎賞受賞作の『三の隣は五号室』です。 主人公は、集合住宅に住む女性漫画家。四号室が欠番になっているアパートで、三号室の隣人である五号室の住人との奇妙な人間模様が描かれます。

創作活動の裏側や、他人との絶妙な距離感を、長嶋さんらしいユーモアを交えて描き出した長編小説です。 登場人物たちの何気ない会話や行動の中に、人間の本質が垣間見えるような深みがあります。じっくりと物語の世界に浸りたいときにぴったりの一冊と言えるでしょう。

4位『ジャージの二人』

第4位には、長嶋有さんの初期の代表作であり、映画化もされた『ジャージの二人』がランクインしました。 この物語の主人公は、定職にも就かず、父親と二人で実家の山荘で過ごす「僕」。

特別な事件が起こるわけでもなく、ただジャージ姿の父と子がゆるゆるとした日常を送る様子が描かれています。しかし、その何でもない日々の描写が、たまらなく愛おしく、面白いのです。 リアルな会話劇と独特の空気感は、まさに長嶋作品の真骨頂。何も考えずにリラックスしたいときに、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

5位『泣かない女はいない』

5位にランクインしたのは、恋愛をテーマにした中篇集『泣かない女はいない』です。

描かれるのは、決して甘いだけではない、ままならない恋愛模様。工場のパートとして働く女性の淡々とした恋心や、恋人との別れを前にした女性の心の揺れ動きが、静かでフラットな筆致で丁寧に描写されています。 心がざわつくような出来事も淡々と描かれることで、かえって不思議な余韻が残ります。 大人の女性の心にそっと寄り添ってくれるような、味わい深い作品集です。

6位『パラレル』

第6位は、ゲームデザイナーの主人公と、その親友や元妻との関係を描いた『パラレル』です。創作の現場を舞台に、二人の視点が交錯しながら物語が進んでいきます。

タイトルが示す通り、二つの視点が並行して描かれることで、物語に奥行きが生まれています。長嶋さん自身が漫画好きであることも反映されており、創作活動の裏側がリアルに感じられるのも魅力の一つ。少し不思議で、読後には心が温かくなるような、優しさに満ちた長編小説です。

7位『ぼくは落ち着きがない』

7位は、高校の図書部を舞台にした青春小説『ぼくは落ち着きがない』です。

図書部の部室での他愛ないおしゃべりや、携帯電話の機種にこだわる様子など、リアルな高校生の姿が活写されています。 長嶋さんは、いつの時代でも読者が新鮮に感じられるように、あえて当時の固有名詞を使いながら物語を構築しました。 どこか懐かしくも新しい、爽やかな読後感が魅力の一冊です。

8位『ねたあとに』

第8位は、長編小説『ねたあとに』です。恋人との関係や亡き父の思い出など、主人公の日常が静かな筆致で描かれています。

この作品の魅力は、日常の中でふと訪れる感情の揺らぎを、非常に丁寧にすくい取っている点にあります。 大きな出来事が起こるわけではありませんが、主人公の心の機微を追体験することで、読者の心にも静かな感動が広がります。「眠り」や「記憶」といったテーマが、物語全体を優しく包み込んでいます。

9位『ルーティーンズ』

9位には、2021年に刊行された連作小説集『ルーティーンズ』がランクイン。この作品は、作家である長嶋さん自身を思わせる人物とその家族の日常が描かれており、初の家族小説としても注目されました。

「ルーティン」をテーマに、日々の繰り返される営みの中に潜む愛おしさやおかしみを巧みに描き出しています。 夫婦がそれぞれ同じようなことを考えていたり、同じ行動をとっていたりする偶然の一致が、物語の新しい面白さを生み出しています。 読後、自分の毎日のルーティンも少し違って見えてくるかもしれません。

10位『タンノイのエジンバラ』

短編集『タンノイのエジンバラ』が10位に登場です。表題作の「タンノイ」とは、高級オーディオスピーカーのブランド名のこと。

この作品集では、音楽やオーディオといった、少しマニアックな趣味の世界がユーモアたっぷりに描かれています。 こだわりの強い男性たちが主人公の物語が多く、その少し不器用で愛すべき姿が印象的です。長嶋作品の魅力の一つである、固有名詞の巧みな使い方も光る一冊と言えるでしょう。

11位『祝福』

11位は、結婚をテーマにした長編小説『祝福』です。結婚式を間近に控えた一組のカップルと、彼らを取り巻く人々の姿をリアルに描いています。

この物語では、幸せなだけではない、結婚にまつわる様々な感情や現実的な問題が丁寧にすくい取られています。結婚に至るまでの道のりや、家族同士の関わり合いなど、共感できるポイントが多いのも特徴です。長嶋作品の中では比較的ストレートな恋愛・家族小説であり、多くの読者が感情移入しやすい作品でしょう。

12位『問いのない答え』

12位には、エッセイ集『問いのない答え』がランクインしました。小説とはまた一味違う、長嶋有さんの思考に触れることができる一冊です。

日々の暮らしの中で感じたことや考えたことが、軽妙な筆致の中に深い洞察を交えて綴られています。 タイトルが示すように、本書は明確な答えを提示するわけではありません。しかし、長嶋さんのユニークな視点に触れることで、読者は自分自身の頭で物事を考えるきっかけをもらえるはずです。小説のファンはもちろん、長嶋有という作家自身に興味がある方におすすめです。

13位『愛のようだ』

13位は、恋愛の不思議さを描いた長編小説『愛のようだ』です。主人公は、かつて愛した男性の息子と偶然出会い、奇妙な関係を築いていきます。恋愛感情とは一言では言い表せない、人と人との複雑で曖昧な繋がりを、長嶋さんならではの繊細な筆致で描き出しています。タイトルの意味を考えながら読むと、より一層物語の深みにはまるでしょう。

14位『もう生まれたくない』

14位は、インパクトのあるタイトルが印象的な長編小説『もう生まれたくない』です。作家である主人公が、自身の過去や家族、そして創作について思索を巡らせる、私小説的な要素の強い作品です。

「生きることの面倒くささ」や虚しさを描きながらも、決して暗くなることなく、随所に長嶋さんらしいユーモアが散りばめられています。人生に少し疲れてしまったとき、この物語は静かに寄り添い、心を軽くしてくれるかもしれません。タイトルに惹かれたなら、ぜひ手に取ってみてください。

15位『佐渡の三人』

15位は、ロードムービーのような魅力を持つ『佐渡の三人』です。物語は、作家である「私」と、ひきこもりの弟、そして父という家族3人が、親戚の納骨のために佐渡島を旅する様子を描きます。

旅の道中で交わされる会話や、ふとした出来事を通して、3人の関係性が少しずつ変化していく様が巧みに描かれています。美しい佐渡の風景描写も、物語に豊かな彩りを添えています。読み終わる頃には、まるで自分も一緒に旅をしたかのような、爽やかで少し切ない余韻に浸ることができるでしょう。

16位『エロマンガ島の三人 長嶋有異色作品集』

ランキングの最後を飾るのは、その名の通り、長嶋有さんの異色な作品を集めた短編集『エロマンガ島の三人』です。

この作品集には、普段の作風とは一味違った実験的な作品が収録されています。長嶋さんの持つ豊かな想像力と、ジャンルにとらわれない作家としての一面を垣間見ることができます。いつもの長嶋作品が好きな方はもちろん、新しい刺激を求めている読者にもおすすめの一冊です。

長嶋有の小説を読んでみよう

ここまで、長嶋有さんのおすすめ小説をランキング形式でご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。気になる作品は見つかりましたか？

長嶋さんの小説は、私たちのありふれた日常に、新しい光を当ててくれます。何気ない風景や会話が、こんなにも面白く、愛おしいものだったのかと気づかせてくれるはずです。小説をあまり読み慣れていない方でも、その読みやすい文章と共感しやすいテーマですぐに夢中になれるでしょう。

まずは、芥川賞受賞作の『猛スピードで母は』や、映画化もされた『ジャージの二人』あたりから手に取ってみるのがおすすめです。 このランキングを参考に、ぜひあなたにとっての特別な一冊を見つけてみてください。