【2025年最新】新庄耕のおすすめ人気小説ランキングTOP8

新庄耕のおすすめ小説を読む前に｜作家の経歴と作品の魅力に迫る

現代社会の暗部をえぐり出し、次々と話題作を発表する作家、新庄耕（しんじょう こう）。その作品世界に飛び込む前に、まずは彼の経歴と、多くの読者を惹きつけてやまない魅力の源泉に迫ります。

新庄耕は1983年、京都府京都市の生まれです。 慶應義塾大学を卒業後、株式会社リクルートに入社しますが、わずか1年で退職。 その後はベンチャービジネスや肉体労働など、多彩な職を経験するという異色の経歴を持っています。 そして2012年、不動産業界の過酷な実態を描いた『狭小邸宅』で第36回すばる文学賞を受賞し、鮮烈なデビューを飾りました。

新庄作品の最大の魅力は、徹底した取材に裏打ちされた圧倒的なリアリティにあります。 ブラック企業、マルチ商法、地面師による巨額詐欺事件など、現代社会が抱える歪みや人間の欲望をテーマに、まるでドキュメンタリーのような緻密さで物語を紡ぎ出します。 登場人物が極限まで追い詰められていくスリリングな展開は、読者に息つく暇も与えません。 純文学の枠に収まらないエンターテインメント性も兼ね備えており、多くの読者から熱い支持を得ています。

【2025年最新】新庄耕のおすすめ人気小説ランキングTOP8

デビュー作から最新作まで、数々の衝撃作を世に送り出してきた新庄耕。どの作品から読めばいいか迷ってしまう方も多いでしょう。

そこで今回は、『小説ヨミタイ』編集部が、新庄耕のおすすめ人気小説をランキング形式でご紹介します。社会の裏側を覗き見るスリルと、人間の本質に迫る重厚な物語をぜひ体感してください。

1位『地面師たち』

堂々のランキング1位に輝いたのは、新庄耕の名を世に知らしめた代表作『地面師たち』です。実際に起きた「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルにしており、その圧倒的なリアリティで読者を震撼させました。 2024年にはNetflixでドラマ化され、国内のみならず世界的にも大きな話題を呼んだ一作です。

物語は、過去の事件で家族を失った主人公・辻本拓海が、伝説的な大物地面師・ハリソン山中と出会うところから始まります。 拓海は山中率いるプロの詐欺師集団に加わり、市場価格100億円ともいわれる都心の一等地を狙った、前代未聞の不動産詐欺計画に身を投じていきます。 巧妙に張り巡らされた罠、二転三転するスリリングな展開、そして人間の欲望が渦巻く世界の描写は圧巻の一言です。

本作は第23回大藪春彦賞の候補にもなりました。 また、続編『地面師たち ファイナル・ベッツ』や前日譚『地面師たち アノニマス』も刊行されており、シリーズで楽しむことでより深く物語の世界に浸ることができます。

2位『狭小邸宅』

ランキング2位は、新庄耕の原点ともいえるデビュー作『狭小邸宅』です。 本作で第36回すばる文学賞を受賞し、作家としてのキャリアをスタートさせました。 不動産業界の経験がない新庄耕が、友人への取材をもとに書き上げたというから驚きです。

物語の舞台は、挨拶代わりの暴力や苛烈なパワハラが横行するブラックな不動産会社。 主人公の若手営業マン・松尾は、厳しいノルマに追われ、心身ともに極限まで追い詰められていきます。 読んでいるこちらの胃まで痛くなるような、生々しい描写の数々は圧巻です。 社会の理不尽さや、働くことの意味を問いかける、強烈な読書体験が待っています。

純文学の枠を超えたエンターテインメント性も高く評価されており、新庄作品の入門編としてもおすすめの一冊です。

3位『ニューカルマ』

3位にランクインしたのは、ネットワークビジネス、いわゆるマルチ商法の世界を克明に描いた『ニューカルマ』です。 デビュー作『狭小邸宅』で不動産業界の闇を暴いた新庄耕が、次に切り込んだのがこのテーマでした。

会社のリストラをきっかけに将来への不安を抱えた主人公は、救いを求めるようにネットワークビジネスの世界へと足を踏み入れます。 巧みな勧誘、高揚感に満ちたセミナー、そして仲間との強い絆。ビジネスにのめり込み、成功と転落を経験する中で、主人公の価値観は大きく揺らいでいきます。 人間の弱さや欲望が巧みに描かれており、そのリアルな心理描写には思わず引き込まれてしまうでしょう。

「働くとは何か」「信じるとは何か」といった普遍的なテーマを問いかける、社会派エンターテインメントの傑作です。

4位『地面師たち ファイナル・ベッツ』

4位は、大ヒット作の待望の続編『地面師たち ファイナル・ベッツ』です。 前作の衝撃的な結末から2年後、物語は海外へと舞台を移します。 海外へ逃亡したカリスマ地面師・ハリソン山中が、次なるターゲットとして狙いを定めたのは、北海道のIR誘致に絡む200億円規模の巨大な利権でした。

シンガポールのカジノで出会った元Jリーガーを新たな仲間に引き入れ、再び壮大な詐欺計画を始動させるハリソン。 一方、警視庁の若き女性刑事は、執念深く彼の行方を追います。 日本とシンガポールを股にかけた、よりスケールアップしたクライムサスペンスが繰り広げられます。前作のファンはもちろん、本作からでも楽しめること間違いなしの一冊です。

発売後すぐに重版がかかるなど、その注目度の高さがうかがえます。

5位『カトク 過重労働撲滅特別対策班』

5位は、現代社会の大きな問題である「過重労働」に焦点を当てた社会派小説『カトク 過重労働撲滅特別対策班』です。 「カトク」とは、悪質なブラック企業を取り締まるために厚生労働省内に設置された実在の専門チームのことで、本作はこの組織を舞台にしています。

主人公は、カトクで最も若い労働基準監督官・城木忠司。 彼は、違法な長時間労働やパワハラが横行する企業に立ち向かい、働く人々を救うために日々奮闘します。 ただ悪を断罪するだけでなく、なぜ過重労働が生まれてしまうのか、その構造的な問題にまで踏み込んでいるのが本作の大きな魅力です。

連作短編集の形式で読みやすく、さまざまな業界のリアルな労働問題が描かれています。 「働く」ということについて、改めて深く考えさせられる一冊です。

6位『地面師たち アノニマス』

6位には、『地面師たち』シリーズからスピンオフ作品『地面師たち アノニマス』がランクイン。本作は、あの強烈なキャラクターたちがいかにして地面師になったのか、その前日譚を描く短編集です。 ドラマの大ヒットを受け、ファンからの熱い要望に応える形で刊行されました。

薄給に喘ぐ司法書士の後藤、容姿コンプレックスを抱える麗子など、詐欺師集団のメンバーそれぞれが抱える過去や、犯罪に手を染めるに至った経緯が明らかにされます。 また、彼らを追う刑事や騙される側の人間にもスポットが当てられており、物語の世界をより多角的に楽しむことができます。

『地面師たち』を読んだ（あるいは観た）後で本作に触れると、各キャラクターへの理解が深まり、本編の物語がさらに味わい深くなることでしょう。 巻末に収録された、ドラマで後藤役を演じたピエール瀧さんとの対談も必見です。

7位『夏が破れる』

7位は、沖縄の離島を舞台にしたサスペンス・スリラー『夏が破れる』です。当初は爽やかな青春小説になる予定だったそうですが、新庄耕ならではのダークな世界観が色濃く反映された作品となりました。

いじめで不登校になった中学生の進は、親の勧めで夏休みを沖縄の離島にある施設で過ごすことになります。 しかし、美しい自然とは裏腹に、そこは「修練」という名の過酷なプログラムが課される恐ろしい場所でした。 夜な夜な響く謎の悲鳴、次々と起こる不審な出来事。進は狂気に満ちた大人たちから逃れるため、命がけの脱出を試みます。

息詰まるような緊張感と、人間の心の闇に迫る描写が秀逸な一作。社会問題にも鋭く切り込んでおり、読後に深い余韻を残します。

8位『サーラレーオ』

8位は、タイと日本を股にかけた悪漢小説（ピカレスク・ロマン）『サーラレーオ』です。 タイトルはタイ語で「最低最悪の奴」を意味し、その名の通り、救いようのない主人公が転落していく様を描いた衝撃作です。

金も度胸もないダメ男の主人公・カセは、ひょんなことから大麻の栽培に手を染めます。 しかし、殺人事件に関わったことでタイへの逃亡を余儀なくされ、熱気と欲望が渦巻くバンコクの街で、さらなる悪の道へと堕ちていきます。 一切の同情を許さない主人公のクズっぷりと、息もつかせぬ怒涛の展開から目が離せません。

猥雑でエネルギッシュな東南アジアの空気感も見事に表現されており、新庄耕の新たな一面が垣間見える一冊です。

新庄耕の人気小説ランキングを参考に、お気に入りの一冊を見つけよう

今、最も注目すべき作家の一人、新庄耕のおすすめ人気小説ランキングTOP8をご紹介しました。

社会の裏側や人間の欲望をえぐるクライムサスペンスから、働く意味を問う社会派小説まで、その作風は多岐にわたります。どの作品にも共通するのは、徹底した取材に基づくリアリティと、読者を引き込んで離さない物語の力です。

このランキングを参考に、あなたが心惹かれる一冊をぜひ手に取ってみてください。きっと、新庄耕が描く世界の虜になるはずです。