【2025年最新】春の小説おすすめランキングTOP40

春の訪れとともに読みたい小説ランキング！新しい季節にぴったりの一冊を

暖かい日差しが心地よく、新しい生命が芽吹く春。出会いや別れ、そして新しい挑戦が始まるこの季節は、なんだか新しい物語を読みたくなりませんか？

この記事では、そんな春の気分にぴったりの小説をランキング形式でご紹介します。切ない恋愛小説から、背中を押してくれる青春物語、あっと驚くミステリーまで、あなたの心を豊かにする一冊がきっと見つかるはずです。

春におすすめの小説ランキングTOP40

ここからは、小説専門メディア『小説ヨミタイ』が厳選した「春におすすめの小説ランキングTOP40」を発表します！

心温まる物語から、新たな一歩を踏み出す勇気をくれる作品、桜の季節に浸りたいミステリーまで、多彩なラインナップでお届けします。ぜひ、あなただけのお気に入りの一冊を見つけてみてくださいね。

1位『蜜蜂と遠雷』恩田陸

堂々の1位は、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』です。国際ピアノコンクールを舞台に、それぞれ異なる背景を持つ4人の若きピアニストたちが、葛藤し、成長していく姿を描いた物語です。

この作品の魅力は、なんといっても音楽が文章から聴こえてくるかのような巧みな描写です。才能というものの残酷さと美しさ、そして人が何かに打ち込むことの尊さが胸を打ちます。第156回直木賞と第14回本屋大賞を史上初めてダブル受賞したことでも大きな話題となりました。

2位『君の膵臓をたべたい』住野よる

衝撃的なタイトルが印象的な住野よるさんのデビュー作『君の膵臓をたべたい』。高校生の「僕」が、クラスメイトである山内桜良が膵臓の病で余命わずかであることを偶然知ってしまうところから物語は始まります。

正反対の性格の二人が、残された時間を通して少しずつ心を通わせていく姿は、切なくも温かい感動を呼びます。桜が美しい季節のシーンも多く描かれており、春という季節の儚さと物語が見事にリンクしています。タイトルの本当の意味を知ったとき、涙なしには読めないでしょう。

3位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

2024年の本屋大賞を受賞した、今最も勢いのある一冊が宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』です。 滋賀県大津市を舞台に、我が道を突き進む主人公・成瀬あかりのユニークな挑戦を描いた連作短編集です。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」という宣言から始まる物語は、常識にとらわれない成瀬の行動力にぐいぐい引き込まれます。読めば不思議と元気が出て、新しい一歩を踏み出したくなる、春にぴったりの爽快な青春小説です。

4位『四月になれば彼女は』川村元気

恋愛小説の名手、川村元気さんによる『四月になれば彼女は』は、婚約者との結婚を控えた精神科医の主人公・藤代のもとに、かつての恋人から手紙が届くところから始まります。時を同じくして、婚約者は謎の失踪を遂げてしまいます。

失われた恋、そして現在の愛の行方を探す旅を通して、愛とは何か、情熱を失わずに生きていくことの難しさを問いかけます。「四月」というタイトルが示すように、始まりの季節に愛の在り方を見つめ直す、少しビターで大人な恋愛小説です。

5位『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦

京都を舞台に、不思議で奇妙な一夜を描いた森見登美彦さんの代表作『夜は短し歩けよ乙女』。 主人公の「先輩」が、想いを寄せる「黒髪の乙女」の気を引くために、奇妙な出来事が次々と起こる夜の街を追いかけます。

独特の文体とユーモラスな展開が魅力で、奇想天外な物語の世界にどっぷりと浸ることができます。 春の宵に、少し変わった恋愛小説を読んでみたいという方におすすめの一冊です。

6位『植物図鑑』有川浩

『図書館戦争』シリーズでも知られる有川浩さんの恋愛小説『植物図鑑』。 主人公のOL・さやかが、ある夜、マンションの前で行き倒れていた青年・樹を拾うところから物語は始まります。 樹は料理上手で植物に詳しく、二人は「狩り」と称して野草を採りに行き、美味しい料理を囲む日々を送ります。

道端の草花の名前を知ることで、いつもの景色が輝き出すように、二人の関係もゆっくりと育まれていきます。 心温まるストーリーと美味しそうな野草料理の描写に、お腹も心も満たされる一冊です。

7位『さくら』西加奈子

西加奈子さんの『さくら』は、ある家族の栄光と転落、そして再生を描いた物語です。主人公の薫は、美形の兄、破天荒な姉、そして愛犬の「サクラ」とともに幸せな日々を送っていましたが、兄の事故をきっかけに家族の歯車が狂い始めます。

タイトルの「さくら」は、ただ美しいだけでなく、散り際の儚さや、それでも毎年花を咲かせる生命力を象徴しているかのようです。辛い出来事を乗り越え、再び前を向こうとする家族の姿に、春の訪れのような希望の光を感じる作品です。

8位『春、戻る』瀬尾まいこ

『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの『春、戻る』。主人公は、ある事情から「レンタルお母さん」として、様々な家庭に派遣される女性です。彼女が訪れる家庭は、それぞれに問題を抱えています。

血のつながりはないけれど、確かな愛情で心を通わせていく姿は、「家族とは何か」を優しく問いかけます。春という再生の季節に、心がじんわりと温かくなるような物語を読みたい方におすすめです。

9位『何者』朝井リョウ

平成生まれとして初の直木賞受賞作となった朝井リョウさんの『何者』。就職活動を通して集まった5人の大学生が、SNSなどを通じて互いの内面を探り合いながら、「自分は何者なのか」を模索していく物語です。

新しい生活が始まる春は、自分自身のこれからについて考える機会も多い季節。登場人物たちの焦りや葛藤に、共感したり、胸が痛くなったりするかもしれません。現代の若者のリアルな心理を鋭く描いた作品です。

10位『ナミヤ雑貨店の奇蹟』東野圭吾

ミステリーの巨匠・東野圭吾さんが描く、心温まるファンタジー小説『ナミヤ雑貨店の奇蹟』。悪事を働いた3人の若者が逃げ込んだ古い雑貨店は、かつて店主が悩み相談の手紙に返事を書いていた、時空を超えて手紙が届く不思議な場所でした。

過去から届く悩み相談の手紙に、戸惑いながらも返事を書くうちに、彼らの心にも変化が訪れます。バラバラだった物語が最後に一つにつながる構成は圧巻。春の夜長に、感動的な物語に浸りたい方へおすすめです。

11位『旅屋おかえり』原田マハ

アート小説の名手としても知られる原田マハさんの『旅屋おかえり』は、「旅の代行業」を営む女性・おかえりが主人公の物語。依頼人の代わりに日本各地を旅し、その土地の風景や人々との出会いをレポートします。

おかえりの旅を通して描かれる日本の美しい風景や、人々の温かい心の交流に、読んでいるこちらも旅に出たような気分になります。春の旅立ちの季節に、心をリフレッシュさせてくれる一冊です。

12位『サクラ咲く』辻村深月

『かがみの孤城』で本屋大賞を受賞した辻村深月さんの『サクラ咲く』は、気弱な中学1年生の塚原マチが主人公の青春小説です。 マチは学校の図書室で見つけた「サクラチル」と書かれた紙をきっかけに、顔の見えない相手との不思議な文通を始めます。

この交流を通して、マチが少しずつ自分を変え、成長していく姿が瑞々しく描かれています。桜が咲き誇るように、少女の可能性が花開く瞬間が感動的。新しい環境に飛び込む春に、勇気を与えてくれる物語です。

13位『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信

〈小市民〉シリーズの第一弾である米澤穂信さんの『春期限定いちごタルト事件』は、高校生の小鳩くんと小佐内さんが、互いに「小市民」として平穏な日々を送ることを目指す日常の謎を描いたミステリーです。

しかし、彼らの周りではなぜか次々と小さな事件が起こります。春らしい爽やかな雰囲気の中で、高校生の日常に潜む謎を軽快なテンポで解き明かしていくのが魅力。春の午後に、紅茶といちごタルトをお供に読みたくなる一冊です。

14位『重力ピエロ』伊坂幸太郎

伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』は、仙台市で発生する連続放火事件の謎を、泉水と春の兄弟が追うミステリーです。 弟の春は、母親がレイプされて生まれた子という重い過去を背負っています。

物語は、家族の絆や過去の闇といったシリアスなテーマを扱いながらも、伊坂作品らしい軽快な会話劇と伏線回収が見事です。 「春が二階から落ちてきた」という有名な一文から始まるこの物語は、春という季節の明るさだけではない、その裏側にある切なさや痛みを考えさせられます。

15位『天使の卵』村山由佳

村山由佳さんの『天使の卵』は、美大を目指す歩太と、精神科医の父の患者である夏姫、そして歩太の恋人である春妃の三人の関係を描いた恋愛小説です。繊細で傷つきやすい若者たちの、痛みを伴う恋模様が描かれます。

春という季節が持つ、出会いのときめきと、別れの予感が入り混じったような空気感が、物語全体を包んでいます。切ない恋愛小説に浸りたい、という気分の時にぴったりの一冊です。

16位『きのうの春で、君を待つ』八目迷

八目迷さんの『きのうの春で、君を待つ』は、タイムリープを題材にしたSF青春小説です。主人公の高校生・湊は、事故で亡くなった幼なじみの澪を救うため、何度も過去に戻り奮闘します。

春を舞台に繰り広げられる、切ない恋と友情の物語は、読者の心を強く揺さぶります。果たして湊は、澪を救い、望む未来を手に入れることができるのか。甘酸っぱくもほろ苦い、春に読みたい青春物語です。

17位『季節風 春』重松清

家族小説の名手、重松清さんによる短編集『季節風 春』。春をテーマに、出会いや別れ、新たな始まりを描いた物語が収録されています。小学生から大人まで、様々な世代の主人公たちが織りなす人間ドラマが胸を打ちます。

どの物語にも、人生のほろ苦さと、それでも前を向くための小さな希望が描かれています。新しい生活に少し不安を感じている人に、そっと寄り添ってくれるような優しい一冊です。

18位『春のオルガン』湯本香樹実

湯本香樹実さんの『春のオルガン』は、ある海辺の町を舞台に、オルガン職人の青年と、彼を取り巻く人々との交流を描いた物語です。静かで美しい文章で綴られる、穏やかな日常の風景が心に沁みます。

物語全体を流れる優しく、どこか懐かしい雰囲気は、春の柔らかな日差しによく似合います。大きな事件は起こりませんが、人との繋がりの大切さや、日々の暮らしの中にある小さな幸せに気づかせてくれる作品です。

19位『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午

「何でもやってやろう屋」を自称する主人公が、ある女性からの依頼をきっかけに、様々な事件に巻き込まれていくミステリー小説です。タイトルからは切ない恋愛小説を想像させますが、その予想は裏切られます。

物語の随所に張り巡らされた伏線が、ラストで一気に回収される鮮やかなどんでん返しは圧巻の一言。葉桜の季節、つまり春の終わりに読むのにふさわしい、少しビターで衝撃的な一冊です。

20位『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成

就職活動を舞台にした浅倉秋成さんのミステリー小説『六人の嘘つきな大学生』。最終選考に残った6人の学生が、グループディスカッションに挑む中で、互いの裏の顔が暴かれていきます。

密室劇のような緊張感と、二転三転する展開から目が離せません。誰が嘘をついているのか、その目的は何なのか。春から社会人になる人、就職活動を控えている人には、特に刺さる内容かもしれません。

21位『春を背負って』笹本稜平

笹本稜平さんの『春を背負って』は、北アルプスの山小屋を舞台にした物語です。主人公の長嶺亨は、父の死をきっかけに都会での生活を捨て、山小屋を継ぐことを決意します。

厳しい自然の中で、山で生きる人々の営みや、家族の絆が力強く描かれています。春の雪解けとともに、新たな人生を歩み始める主人公の姿は、読者に前へ進む勇気を与えてくれます。

22位『阪急電車』有川浩

有川浩さんの『阪急電車』は、兵庫県を走る阪急今津線を舞台にした連作短編集です。片道わずか15分のローカル線で、偶然乗り合わせた人々の人生が、少しずつ交差していきます。

婚約者を後輩に奪われたOL、DV彼氏に悩む女子大生など、様々な乗客たちの物語が、温かい視点で描かれています。春の電車に揺られながら、新しい出会いに期待したくなるような、心温まる一冊です。

23位『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光

杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語』は、その特殊な仕掛けで話題となったミステリー小説です。亡くなった父の遺稿を追うミステリ作家の主人公が、物語の謎を解き明かしていきます。

この小説の本当の魅力は、本という「物体」でしか体験できない驚きにあります。内容はネタバレ厳禁ですが、読了後には必ずもう一度最初から読み返したくなるはず。春の読書に、新しい体験を求める方におすすめです。

24位『ふたつのしるし』宮下奈都

『羊と鋼の森』で本屋大賞を受賞した宮下奈都さんの『ふたつのしるし』。才能あふれる先輩・千帆と、彼女に憧れる後輩・ハル。二人の女性の十数年にわたる関係性を、繊細な筆致で描いた物語です。

憧れ、嫉妬、友情、そして愛情。複雑に絡み合う二人の感情が、静かで美しい文章で丁寧に綴られています。春の穏やかな空気の中で、じっくりと人間ドラマを味わいたい方にぴったりの作品です。

25位『三月は深き紅の淵を』恩田陸

恩田陸さんによる『三月は深き紅の淵を』は、ある一冊の謎に満ちた本をめぐる物語です。四人の語り手が、それぞれの視点から「三月は深き紅の淵を」という本について語ることで、物語の全体像が少しずつ見えてきます。

誰が本当のことを言っているのか、そもそもその本は存在するのか。虚実が入り混じる迷宮のような物語に、読者は翻弄されます。春の夜に、不思議な読書体験をしたい方におすすめのミステリーです。

26位『風に桜の舞うみちで』竹内真

竹内真さんの『風に桜の舞うみちで』は、桜並木が美しい町を舞台にした、心温まる連作短編集です。桜の木の下で交差する、様々な人々の人生が優しく描かれています。

出会いと別れ、そして再生の物語は、桜というモチーフと見事に重なり合い、読者の心に深く響きます。春の訪れとともに、心がほっこりと温かくなるような物語を読みたい方にぴったりの一冊です。

27位『津軽百年食堂』森沢明夫

森沢明夫さんの『津軽百年食堂』は、青森県弘前市に実在する食堂をモデルにした物語です。東京で夢破れた主人公が、故郷に戻り、四代続く食堂の跡を継ぐかどうかで葛藤します。

津軽の美しい自然や、地元の人々の温かさ、そして歴史ある「津軽そば」の魅力がたっぷりと描かれています。春の訪れが遅い北国を舞台に、家族の絆と故郷の味を再発見する物語は、心にじんわりと沁み渡ります。

28位『花桃実桃』中島京子

直木賞作家・中島京子さんによる『花桃実桃』は、ある家族の三世代にわたる物語を、庭に咲く花々の描写とともに描いた作品です。昭和から平成へと移り変わる時代の中で、家族が経験する様々な出来事が綴られます。

植物の成長と家族の歴史が重なり合う、穏やかで美しい物語です。春の庭で、花の香りに包まれながら読みたくなるような、優しい時間が流れる一冊です。

29位『春や春』森谷明子

森谷明子さんの『春や春』は、俳句を題材にしたミステリー小説です。国語教師の主人公が、俳句に込められた謎を解き明かしていく「秋葉図書館」シリーズの一作です。

春の季語がちりばめられた俳句の奥深さと、日常に潜むミステリーが絶妙に融合しています。この作品を読めば、春の景色を見る目が少し変わるかもしれません。知的な謎解きを楽しみたい方におすすめです。

30位『強運の持ち主』瀬尾まいこ

瀬尾まいこさんの『強運の持ち主』は、占い師の母親を持つ女子高生・結が主人公の物語です。母親の占いに振り回されながらも、自分の力で未来を切り開こうとする結の姿を、ユーモアたっぷりに描いています。

明るく前向きなストーリーは、読者に元気と笑いを届けてくれます。新しい生活が始まり、少し先の未来が気になる春に、背中をぽんと押してくれるような一冊です。

31位『最後の医者は桜を見上げて君を想う』二宮敦人

二宮敦人さんの『最後の医者は桜を見上げて君を想う』は、死を宣告された患者たちと向き合う二人の医師の物語です。「死」という重いテーマを扱いながらも、生きることの尊さや希望を描いています。

タイトルの通り、物語の重要なシーンで桜が登場し、儚くも美しい生命の象徴として描かれています。春という季節に、命の在り方について深く考えさせられる、感動的な医療小説です。

32位『三体』劉慈欣

アジア圏の作品として初めてヒューゴー賞を受賞した、中国の作家・劉慈欣によるSF超大作『三体』。巨大な異星文明「三体世界」の脅威に、人類がどう立ち向かうかを描いた壮大な物語です。

緻密な科学的描写と、予測不可能なストーリー展開は、世界中の読者を魅了しました。新しい世界、新しい物語に触れたいという知的好奇心が旺盛な方に、春の挑戦としておすすめしたい一冊です。

33位『夏への扉』ロバート・A・ハインライン

SF小説の古典的名作として名高い、ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』。 天才発明家の主人公が、恋人と親友に裏切られ、冷凍睡眠で未来へ送られてしまうところから物語は始まります。

タイトルは、主人公の愛猫が、冬になると家中のドアを開けさせ「夏へ通じる扉」を探すという愛らしいエピソードに由来します。 どんな逆境でも希望を失わない主人公の姿は、春の訪れを待つ気持ちと重なります。時代を超えて愛される、爽やかな読後感のSF小説です。

34位『ハリー・ポッターと賢者の石』J.K.ローリング

言わずと知れた、世界的な大ヒットファンタジー『ハリー・ポッター』シリーズの第一作。 孤独な少年ハリーが、自分が魔法使いであることを知り、ホグワーツ魔法魔術学校に入学するところから壮大な物語が始まります。

新しい学校、新しい友達、そして未知の世界への冒険。 春からの新生活に胸を躍らせる気持ちと、ハリーのわくわく感がぴったりと重なります。 これから始まる長い物語への期待感に満ちたこの作品は、何か新しいことを始めるのに最適な季節である春に読むのにふさわしい一冊です。

35位『少女は卒業しない』朝井リョウ

直木賞作家・朝井リョウさんの『少女は卒業しない』は、校舎の取り壊しを控えた高校の、最後の卒業式までの2日間を描いた連作短編集です。 7人の少女たちの視点から、それぞれが抱える恋や友情、未来への不安が繊細に描かれます。

卒業という大きな節目を前にした、少女たちの揺れ動く心がリアルに伝わってきます。春は出会いの季節であると同時に、別れの季節でもあります。甘酸っぱくも切ない青春の記憶が蘇る一冊です。

36位『春にして君を離れ』アガサ・クリスティー

「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーが、別名義で発表した異色の心理小説です。主人公の女性が、旅先の砂漠で足止めをくらい、自身の完璧だと思っていた結婚生活や家族関係を振り返るうちに、その欺瞞に気づいていく物語です。

春という希望に満ちたタイトルとは裏腹に、人間のエゴや自己欺瞞を鋭くえぐり出す内容は、読後に重たい余韻を残します。春の陽気の中で、少し背筋が凍るような読書体験はいかがでしょうか。

37位『Presents』角田光代

直木賞作家・角田光代さんによる、贈り物をテーマにした短編集です。誕生日やクリスマスなど、様々なシチュエーションで交わされるプレゼントに込められた、人々の想いを描いています。

物を通して見えてくる、人間関係の喜びや切なさが、角田さんらしいリアルな筆致で綴られます。春は、卒業や入学、就職など、贈り物をする機会が多い季節。プレゼントにどんな想いを込めようか、考えさせてくれる一冊です。

38位『水車小屋のネネ』津村記久子

芥川賞作家・津村記久子さんの『水車小屋のネネ』は、18歳と8歳の姉妹が、様々な人々と出会いながら共に成長していく40年間の物語です。働くこと、生きることの意味を、温かい視点で描いています。

困難な状況でも、たくましく前向きに生きていく主人公たちの姿に、勇気づけられます。春からの新しい生活に、希望と力強いエールを送ってくれるような作品です。

39位『コンクールシェフ！』五十嵐貴久

五十嵐貴久さんの『コンクールシェフ！』は、フランス料理のコンクールを舞台にした、熱いお仕事小説です。若き天才シェフと、彼を支える人々が、困難を乗り越えながら頂点を目指す姿が描かれます。

料理の緻密な描写や、コンクールの臨場感あふれる展開に、手に汗握ること間違いなし。新しい目標に向かって努力する春に、情熱とエネルギーを与えてくれる一冊です。

40位『花の下にて春死なむ』北森鴻

北森鴻さんの『花の下にて春死なむ』は、骨董品にまつわる謎を解き明かす「蓮城寺榊」シリーズの一作です。タイトルの通り、春や桜にまつわるエピソードが収録されており、美しい日本の季節感が味わえます。

骨董品の背景にある歴史や人間ドラマと、ミステリーとしての謎解きが巧みに絡み合います。桜の花の下で、少し雅なミステリーの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

ランキングの中からお気に入りの一冊を見つけて、春の読書を楽しもう

ここまで、春におすすめの小説を40冊、ランキング形式でご紹介してきました。気になる作品は見つかりましたか？

新しい季節の始まりは、新しい物語との出会いにぴったりのタイミングです。ぜひこのランキングを参考に、あなただけの一冊を選んでみてください。心地よい春の光の中で、素敵な読書の時間をお過ごしくださいね。