皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
「なにか面白い小説が読みたいけど、どうやって選べばいいかわからない…」と感じたことはありませんか?書店にはたくさんの本が並んでいて、どれを手に取ればいいか迷ってしまいますよね。そんなあなたに、心満たされる一冊と出会うための小説の選び方をご紹介します。
まず、自分がどんな物語を読みたいか、ジャンルから選ぶのがおすすめです。恋愛小説でときめきたい、ミステリーでハラハラしたい、ファンタジーの世界に浸りたいなど、その時の気分に合わせてジャンルを絞ると、読みたい本が見つかりやすくなります。ほかにも、心温まる人間ドラマや、歴史の渦に巻き込まれるような時代小説、思わずクスッと笑えるコメディなど、小説には様々なジャンルがあります。
また、好きな作家で選ぶのも素敵な方法です。一度読んで面白いと感じた作家の別の作品を読んでみると、新たな発見があるかもしれません。さらに、本屋大賞や直木賞といった文学賞の受賞作は、多くの人に評価された面白い作品が多いので、選ぶ際の参考になります。映画化やドラマ化された原作小説から入るのも、物語の世界に入り込みやすくておすすめです。ぜひ、これらの選び方を参考にして、あなただけのお気に入りの一冊を見つけてみてください。
ここからは、小説好きの女性たちにおすすめしたい、今話題の作品から長く愛される名作までを網羅したランキングTOP40をご紹介します。
感動の物語、胸がときめく恋愛小説、先の読めないミステリー、そして勇気をもらえるお仕事小説まで、様々なジャンルの作品がランクインしました。あなたの「読みたい!」がきっと見つかるはず。ぜひ、次の一冊を選ぶ参考にしてみてくださいね。
2023年の本屋大賞を受賞した『汝、星のごとく』は、瀬戸内の島で出会った高校生の男女の、15年間にわたる愛の物語です。主人公の青海櫂(あおみかい)と井上暁海(いのうえあきみ)は、それぞれ複雑な家庭環境を抱えながらも、互いに惹かれ合い、支え合って生きていきます。
しかし、彼らの前には様々な困難が待ち受けており、物語はすれ違いや別れを繰り返しながら進んでいきます。本作は、ままならない人生の中で、誰かを愛すること、そして自分の足で立つことの意味を問いかける、感動的な一冊です。その美しい文章と、心に深く響くストーリーが多くの読者の心を掴みました。
櫂と暁海の、あまりにも切なくて美しい関係に涙が止まらなかった…。読み終わった後、タイトルの意味を考えてまた泣けるんだよ。
2021年の本屋大賞に輝いた『52ヘルツのクジラたち』は、自分の声を誰にも届けられず、孤独を抱えて生きてきた人々を描いた物語です。主人公の貴瑚(きこ)は、ある事情から東京を離れ、大分の海辺の町へと移り住みます。そこで彼女は、母親から虐待を受けている、声を発することのできない少年と出会います。
タイトルの「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラには聞こえない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのこと。貴瑚と少年は、まるでそのクジラのように、誰にも届かない声を抱えながらも、互いの存在に救いを見出していきます。魂の繋がりを描いた、感動と希望の物語です。
孤独を抱える人たちの魂の叫びが聞こえてくるようだった。わたしも誰かの声にならない声に耳を傾けたいな。
2018年の本屋大賞を受賞し、アニメ映画化もされた『かがみの孤城』は、学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生たちの物語です。主人公のこころは、ある日突然、自室の鏡が光り出し、吸い込まれるようにして鏡の中の世界へと入っていきます。そこには、オオカミの仮面をつけた謎の少女「オオカミさま」と、こころと同じように現実世界で悩みを抱える6人の中学生たちがいました。
鏡の中に現れた城で、彼らは願いを叶えるという「鍵」を探すことになります。共に時間を過ごす中で、彼らは少しずつ心を通わせ、それぞれの痛みを乗り越え、成長していきます。ファンタジーの世界を舞台に、思春期の少年少女の心の機微を繊細に描いた、感動の傑作です。
ミステリー要素もあって一気に読んじゃった!ラストの伏線回収が鮮やかで、読み終わった後に絶対もう一回読みたくなるよ。
2019年の本屋大賞を受賞し、映画化もされた『そして、バトンは渡された』は、血の繋がらない親たちの間をリレーされながら育った少女、優子の物語です。これまでに苗字が4回も変わった優子ですが、どの親にも愛情をたっぷり注がれ、天真爛漫な女性に成長します。
物語は、優子の視点と、彼女の義理の父親である森宮さんの視点が交互に描かれながら進んでいきます。一見複雑な家庭環境でありながら、そこには常に温かい愛がありました。血の繋がりを超えた家族の形を描き、読後に温かい気持ちと幸福感に包まれる、感動の物語です。
こんな家族の形もあるんだなって、心が温かくなったよ。優子の周りの大人たちがみんな素敵なんだよね。
2022年の本屋大賞を受賞した『同志少女よ、敵を撃て』は、第二次世界大戦中の独ソ戦を舞台に、女性狙撃兵として生きる少女の姿を描いた物語です。ドイツ軍の襲撃によって故郷と家族を失った少女セラフィマは、ソ連の女性狙撃小隊に入隊し、復讐のために銃を取ることを決意します。
過酷な訓練と凄惨な戦場を生き抜く中で、彼女は仲間との絆を深め、一流の狙撃兵へと成長していきます。戦争の非情さと、その中で生きる人々の人間性を力強く描き出した本作は、新人作家のデビュー作ながら多くの読者に衝撃と感動を与えました。
戦争の描写が本当にリアルで、胸が苦しくなった…。でも、セラフィマの生き様から目が離せなかったよ。
シリーズ累計発行部数が3300万部を突破し、アニメ化もされた大人気シリーズ『薬屋のひとりごと』。物語の舞台は、中世の東洋を思わせる架空の国の後宮です。薬師の少女・猫猫(マオマオ)は、人さらいにあって後宮で下女として働くことになりますが、薬と毒に関する豊富な知識を活かして、次々と起こる難事件を解決していきます。
好奇心旺盛で毒見役としても活躍する猫猫と、彼女の能力に目をつけ、何かとちょっかいを出す美形の宦官・壬氏(ジンシ)とのコミカルなやり取りも本作の魅力の一つです。ミステリー要素と、少しずつ進展する二人の関係から目が離せない、中華風ファンタジーです。
猫猫が本当に魅力的!薬の知識で事件を解決していくのが爽快なんだよね。壬氏さまとの関係も気になる!
シリーズ累計発行部数が1000万部を突破し、アニメ化、実写映画化もされた『わたしの幸せな結婚』。異能の家系に生まれながらも、その能力を受け継がなかった斎森美世(さいもりみよ)は、家族から虐げられて育ちます。彼女は、冷酷無慈悲と噂される軍人・久堂清霞(くどうきよか)のもとへ嫁ぐことを命じられます。
しかし、実際に会った清霞は噂とは違う優しい人物で、美世は初めて人の温かさに触れます。孤独だった二人が少しずつ心を通わせていく姿を描いた、和風シンデレラストーリーです。明治・大正期を思わせるレトロな世界観と、異能者が登場するファンタジー要素が融合した、切なくも美しい恋愛物語が多くの女性の心を掴んでいます。
虐げられてきた美世が、清霞と出会って幸せになっていく過程が本当に応援したくなる!まさに王道のシンデレラストーリーだね。
史上初めて直木賞と本屋大賞をダブル受賞した『蜜蜂と遠雷』は、国際ピアノコンクールを舞台に、若きピアニストたちの才能と葛藤、そして成長を描いた物語です。かつて天才少女と呼ばれた栄伝亜夜、妻子を持つサラリーマンでありながらコンクールに挑戦する高島明石、名門ジュリアード音楽院に在籍するマサル・カルロス・レヴィ・アナトール、そして謎に包まれた少年・風間塵。個性豊かな4人のピアニストを中心に、物語は進んでいきます。
本作の最大の魅力は、文字で音楽を表現するその圧倒的な筆力です。まるで実際にピアノの演奏を聴いているかのような臨場感あふれる描写に、誰もが引き込まれるでしょう。音楽の素晴らしさと、才能を巡る人間ドラマが融合した、感動の青春群像劇です。
文字を読んでるだけなのに、本当にピアノの音が聞こえてくるみたいだった!音楽の力ってすごいなって改めて感じたよ。
2020年の本屋大賞を受賞し、映画化もされた『流浪の月』は、世間が作り上げた「普通」という枠組みからはみ出してしまった二人の、切ない愛の物語です。10歳の時に公園で出会った少女・更紗(さらさ)と、19歳の大学生・文(ふみ)。更紗は文の部屋で2ヶ月を過ごしますが、文は誘拐犯として逮捕されてしまいます。
15年後、偶然再会した二人は、世間から「被害女児」と「誘拐犯」というレッテルを貼られながらも、互いの孤独を埋め合うように寄り添っていきます。恋愛でも友情でもない、二人にしか分からない特別な絆を描き、「普通とは何か」を読者に強く問いかける作品です。
二人の関係性を、周りが勝手に決めつけていくのがすごく苦しかったな。でも、それでもお互いを必要とする姿に心を打たれたよ。
第155回芥川賞を受賞した『コンビニ人間』は、現代社会の「普通」とは何かを問いかける、衝撃的な作品です。主人公の古倉恵子は、36歳未婚、大学卒業後も就職せず、コンビニで18年間アルバイトを続けています。彼女は、マニュアル通りに動くことで、初めて世界の「正常な部品」になれたと感じていました。
しかし、婚活目的でコンビニに入ってきた男性・白羽が、彼女の均一な毎日に波紋を広げます。「普通」の家族や恋愛を求める周囲からの圧力に、恵子はどう向き合っていくのか。現代社会に潜む生きづらさを、独特の世界観で描き出した、村田沙耶香の代表作です。
「普通」ってなんだろうって、すごく考えさせられた一冊。恵子の生き方が、ある意味とてもピュアに感じたな。
『本日は、お日柄もよく』は、言葉の持つ力をテーマにした、心温まるお仕事小説です。主人公の二ノ宮こと葉は、OLとして働く中で、幼なじみの結婚式で聞いた伝説のスピーチライターの祝辞に心を動かされ、その場で弟子入りを志願します。
スピーチライターという仕事を通して、人の心を動かす言葉の紡ぎ方を学んでいくこと葉。彼女の成長とともに、結婚式のスピーチや選挙演説など、様々な場面で言葉が奇跡を起こす瞬間が描かれます。読後は前向きな気持ちになれ、何か新しいことに挑戦したくなるような、勇気をもらえる一冊です。
言葉の力ってすごい!って感動したよ。これを読むと、自分の使う言葉も大切にしたくなるんだ。
2012年の本屋大賞を受賞し、映画化やアニメ化もされた『舟を編む』は、一つの辞書を作り上げるために情熱を注ぐ人々を描いた物語です。出版社の営業部でうまく自分を表現できない馬締光也(まじめみつや)は、その真面目さと粘り強さを買われ、辞書編集部に引き抜かれます。彼は、個性豊かな編集部の仲間たちと共に、新しい辞書「大渡海」の編纂に没頭していきます。
一つの言葉の意味を巡って議論を重ね、膨大な時間と労力をかけて辞書を作り上げていく過程が、丁寧に描かれています。言葉への愛と、何かを成し遂げようとする人々のひたむきな姿に、胸が熱くなるお仕事小説です。
辞書を作るってこんなに大変なんだ!って驚いたよ。でも、一つのことに打ち込む人たちの姿はすごくかっこいいな。
2005年の本屋大賞を受賞した『夜のピクニック』は、高校生活の特別な一日を瑞々しく描き出した青春小説の金字塔です。物語の舞台は、全校生徒が夜を徹して80kmを歩く「歩行祭」という伝統行事。高校3年生の甲田貴子は、この最後の歩行祭で、ある一つの賭けをしていました。
それは、異母兄妹でありながら、誰にもその関係を言えずにいる西脇融に話しかけること。夜の闇の中を歩きながら、生徒たちは友人関係や将来のこと、そして家族への想いを語り合います。思春期特有の揺れ動く心情を繊細に描き出した、ノスタルジックで美しい物語です。
ただ夜道を歩くだけなのに、なんでこんなにキラキラしてるんだろう。自分の高校時代を思い出して、ちょっと切なくなっちゃった。
2020年の本屋大賞で2位に選ばれた『ライオンのおやつ』は、人生の最後の日々を温かく描いた、感動の物語です。余命を宣告された33歳の主人公・海野雫(うみのしずく)は、瀬戸内海に浮かぶレモン島にあるホスピス「ライオンの家」で残りの日々を過ごすことを決めます。
そこでは、入居者が人生の最後に食べたいおやつをリクエストできる「おやつの時間」がありました。雫は、他の入居者たちとの交流を通して、自らの人生と向き合い、穏やかな時間を取り戻していきます。生と死という重いテーマを扱いながらも、物語全体が優しさに包まれており、読後は温かい涙が流れる一冊です。
もし人生最後のおやつを選べるなら、わたしは何をリクエストするかな…。生きていることの尊さを改めて感じたよ。
第168回直木賞を受賞した『しろがねの葉』は、戦国時代の石見銀山を舞台に、過酷な運命を生き抜いた女性の物語です。主人公のウメは、天才的な銀掘り師である喜兵衛に嫁ぎ、銀山の世界へと足を踏み入れます。そこは、命の危険と隣り合わせの厳しい世界でした。
ウメは、喜兵衛から銀を見極める「才」を見出され、やがて自身も銀山の未来を担う存在となっていきます。史実を基に、これまであまり語られてこなかった銀山の女性たちの生き様を、圧倒的な熱量と美しい文章で描き出した歴史小説です。困難な時代を生きる人々の力強さに、心を揺さぶられます。
ウメの生きる力がすごくて、圧倒されちゃった。歴史の裏には、こんな風に生きた女性たちがいたんだね。
「このミステリーがすごい!」2020年版国内編で第1位に輝いた『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、全てのミステリーファンを驚かせた傑作です。死者の言葉を伝えることができる霊媒師の城塚翡翠(じょうづかひすい)と、論理的な推理を得意とする推理作家の香月史郎(こうげつしろう)。二人は心霊と論理という正反対のアプローチで、次々と難事件に挑んでいきます。
しかし、物語の終盤、読者はこれまでの常識を覆す驚愕の真実に直面します。巧みに張り巡らされた伏線と、鮮やかなトリックが融合した本作は、ミステリーの新たな可能性を切り開きました。「すべてが、伏線。」というキャッチコピーの通り、最後まで読むと必ず最初から読み返したくなる、衝撃の一冊です。
最後のどんでん返しには本当にびっくりした!完全に騙されたけど、その感覚がたまらなく面白いんだよね。
第19回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、ドラマ化もされた『元彼の遺言状』は、型破りな女性弁護士が活躍するリーガルミステリーです。主人公の剣持麗子(けんもちれいこ)は、お金に貪欲で、そのためならどんな手段も厭わない敏腕弁護士。ある日、彼女のもとに元彼が亡くなったという知らせが届きます。
その元彼が残した遺言状には、「僕を殺した犯人に、全財産を譲る」という奇妙な内容が記されていました。麗子は、依頼人と共謀して財産を狙うため、犯人探しに乗り出します。コミカルなキャラクターと、二転三転するストーリー展開が魅力の、痛快なミステリー作品です。
麗子さんのキャラクターが強烈で面白い!お金のためなら何でもするっていうのが、逆に清々しいんだよね。
第157回直木賞を受賞し、映画化もされた『月の満ち欠け』は、輪廻転生をテーマに、数十年にわたる壮大な愛を描いた物語です。物語は、現代に生きる小山内堅(おさないつよし)のもとに、彼の亡き娘と同じ「瑠璃」という名前を持つ、見知らぬ少女が現れるところから始まります。彼女は、自分がかつて小山内の娘だったと語り、過去の出来事を話し始めます。
時代も場所も異なる複数のエピソードが、やがて一つの大きな愛の物語として繋がっていく構成は見事です。「もう一度、あなたに会いたい」という強い想いが、月のように満ちては欠け、姿を変えながらも、愛する人のもとへと還っていく。その奇跡のような物語に、心を揺さぶられます。
生まれ変わってもう一度会いたい、なんてロマンチックなんだろう。切ないけど、すごく美しい愛の物語だったよ。
第74回読売文学賞を受賞した『黄色い家』は、1990年代の東京を舞台に、社会の片隅で生きる少女たちの過酷な青春を描いた物語です。主人公の伊藤花は、家を出て一人で暮らす中で、黄美子(きみこ)と出会い、彼女が暮らす「黄色い家」で共同生活を始めます。やがて、そこには同じような境遇の少女たちが集まり、疑似家族のような共同体が生まれます。
しかし、お金に困った彼女たちは、やがて犯罪に手を染めていくことになります。少女たちの切実な願いと、社会の不条理さを鮮烈に描き出した本作は、読者に強烈な印象を残します。生きることの痛みと希望を問いかける、川上未映子の力作です。
読んでいて胸が締め付けられるような場面も多かったな。でも、どんな状況でも生き抜こうとする彼女たちの強さに惹きつけられたよ。
『夜が明ける』は、現代社会の歪みの中で、もがきながら生きる若者たちの姿を描いた、西加奈子の長編小説です。高校で出会った「アキ」と「俺」。アキは、その圧倒的な才能とカリスマ性で、常に「俺」の心を掴んで離しませんでした。しかし、ある出来事をきっかけに、二人の人生は大きく変わってしまいます。
物語は、15歳から33歳までの二人の軌跡を追いながら、現代社会が抱える貧困や格差、若者の孤独といった問題を浮き彫りにしていきます。それでも、絶望の先にある希望の光を描こうとする作者の強い意志が感じられる作品です。読後、タイトルの意味を深く考えさせられるでしょう。
すごく苦しい物語だったけど、それでも最後に希望が見えた気がした。アキと「俺」の関係性が、切なくて忘れられないよ。
全世界で1500万部を超えるベストセラーとなり、映画化もされた『ザリガニの鳴くところ』。物語の舞台は、1950年代から60年代にかけてのアメリカ、ノースカロライナ州の湿地帯。そこでたった一人で生きる少女カイアの成長と、湿地で発見された男性の殺人事件の謎が、二つの時間軸で描かれていきます。
家族に見捨てられ、自然だけを信じて生きてきたカイア。彼女の孤独な人生と、事件の真相が交錯する時、読者は驚きの結末を迎えます。美しい自然描写と、切ない人間ドラマ、そして一級のミステリーが融合した、感動的な物語です。
カイアの生きる強さと、湿地の美しい描写に引き込まれたよ。ミステリーとしてもすごく面白くて、最後までドキドキした!
30年以上にわたって愛され続ける、壮大な異世界ファンタジーの金字塔『十二国記』シリーズ。物語は、ごく普通の女子高生だった中嶋陽子が、ある日突然、異世界へと召喚されるところから始まります。そこは、12の国が存在し、王と神獣である麒麟が国を治める不思議な世界でした。
裏切りや困難に直面しながらも、陽子が景王国の王として成長していく姿を描いた「月の影 影の海」をはじめ、シリーズを通して様々な国の王や民の物語が描かれます。古代中国をモチーフにした緻密な世界観と、困難に立ち向かい、自らの運命を切り開いていく登場人物たちの姿が、多くの読者の心を掴んで離しません。
どの国の物語も本当に面白い!キャラクターたちがみんな魅力的で、悩みながらも成長していく姿に応援したくなるんだ。
『守り人』シリーズでも知られる上橋菜穂子が描く、もう一つの壮大なファンタジー大作『獣の奏者』。物語の主人公は、獣と心を通わせる特別な才能を持つ少女エリン。彼女は、戦闘用の獣である「闘蛇」を育てる村で、獣ノ医術師である母と共に暮らしていました。しかし、ある事件をきっかけに母を失い、過酷な運命に翻弄されていきます。
やがてエリンは、決して人に馴れないとされる最強の獣「王獣」と出会い、その運命が大きく動き出します。少女の成長物語であると同時に、人間と獣、そして国家間の対立といった深いテーマを描いた、読み応えのある作品です。NHKでアニメ化もされ、幅広い世代から支持されています。
エリンが困難に立ち向かいながら、自分の力で道を切り開いていく姿に勇気をもらえるよ。王獣リランとの絆が本当に美しいんだ。
1988年に発表され、社会現象にもなったよしもとばななのデビュー作『キッチン』。唯一の肉親であった祖母を亡くし、天涯孤独になった主人公の桜井みかげ。悲しみに暮れる彼女を救ったのは、祖母の行きつけの花屋の青年・雄一と、その母親(実は父親)であるえり子さんでした。
彼らとの奇妙な共同生活を通して、みかげは少しずつ心の安らぎを取り戻していきます。物語の重要なモチーフとして登場するのが「台所」。みかげにとって、台所は生きる希望と再生の象徴として描かれています。喪失と再生、そして血の繋がりを超えた家族の形を、透明感あふれる文体で描き出した、今なお色褪せない名作です。
悲しい出来事から始まるけど、読んだ後はすごく温かい気持ちになるんだ。こんな不思議な家族の形も素敵だなって思ったよ。
第132回直木賞を受賞した『対岸の彼女』は、対照的な二人の女性の人生と友情を描いた物語です。35歳の専業主婦・小夜子は、娘を公園デビューさせる中で、ベンチャー企業の女性社長・葵と出会います。葵に誘われ、彼女の会社で働くことになった小夜子は、新しい世界に戸惑いながらも、次第に自分らしさを見つけていきます。
物語は、現代を生きる小夜子のパートと、葵が過ごした高校時代のパートが交互に描かれ、やがて二人の人生が交錯していきます。女性が人生で直面する結婚、出産、仕事といった様々な選択と、その中で揺れ動く心情をリアルに描き出し、多くの女性から共感を得ました。
女性なら誰でも共感できる部分があるんじゃないかな。小夜子と葵、二人の生き方を通して自分の人生を考えさせられたよ。
ドラマ化もされた人気シリーズ『これは経費で落ちません!』は、経理部を舞台にしたお仕事小説です。主人公は、石鹸メーカーの経理部で働く森若沙名子(もりわかさなこ)。彼女は「何事にもイーブンであること」をモットーに、日々持ち込まれる領収書や請求書を淡々と処理していきます。
しかし、その書類の裏には、様々な社員たちの思惑や、社内の小さな謎が隠されていました。森若さんは、経理部の人間ならではの視点で、それらの謎を解き明かしていきます。経理という一見地味な仕事の面白さと、個性豊かな同僚たちとの人間模様がコミカルに描かれた、働く女性におすすめの一冊です。
経理の仕事ってこんなに面白いんだ!って発見があったよ。森若さんの冷静なツッコミがクセになるんだよね。
1994年の刊行以来、世代を超えて読み継がれるロングセラー『西の魔女が死んだ』。中学に進んでまもなく、学校へ行けなくなってしまった少女まいは、季節が初夏へと移り変わるひと月あまりを、田舎で暮らすおばあちゃんのもとで過ごします。イギリス人の祖母は、まいに「魔女の手ほどき」を授けてくれます。
それは、早寝早起きや食事、掃除といった規則正しい生活を送ること、そして何よりも「自分で決める」ということでした。おばあちゃんの家での穏やかな日々を通して、まいは生きる力を取り戻していきます。自然の描写が美しく、読後は心が洗われるような、優しさに満ちた物語です。
おばあちゃんの言葉が、一つひとつ心に沁みるんだ。悩んだ時に読み返すと、いつも大切なことを思い出させてくれるよ。
ドラマ化もされた『つばき文具店』は、古都・鎌倉を舞台に、手紙の代筆を請け負う女性の物語です。主人公の雨宮鳩子は、亡くなった祖母の跡を継ぎ、手紙の代筆を専門とする「代書屋」を営むことになります。彼女のもとには、絶縁した両親への手紙や、借金の断りの手紙、天国への手紙など、様々な依頼が舞い込みます。
鳩子は、依頼人の心に寄り添い、その人に合った筆跡や便箋、筆記用具を選び、心を込めて手紙を綴っていきます。手紙を通して人と人とが繋がっていく様子が温かく描かれており、読後は誰かに手紙を書きたくなるような、優しい気持ちになれる一冊です。
一通の手紙に、こんなにもたくさんの想いが込められているんだね。鎌倉の美しい風景も目に浮かぶようで、素敵な物語だったな。
2023年の本格ミステリ大賞を受賞した『方舟』は、読者に究極の選択を迫るクローズドサークルミステリーです。大学のサークルの仲間たちは、山奥の地下建築を訪れますが、地震によって閉じ込められてしまいます。やがて水が満ち始め、脱出のタイムリミットが迫る中、仲間の一人が殺害されているのが発見されます。
犯人を見つけなければ、全員が死んでしまう。しかし、犯人を見つけるということは、誰か一人を犠牲にして自分たちが助かることを意味します。極限状態に置かれた人々の心理と、二転三転する犯人探しの末に待ち受ける衝撃の結末に、誰もが息をのむでしょう。
本作における極限状況下での論理展開は、人間の倫理観そのものを問い直す。その結末がもたらす知的興奮と絶望は、読者の心に深く刻印されるだろう。
直木賞作家・山本文緒が描く、現代を生きる女性たちのための応援歌のような短編集『絶対泣かない』。本作には、仕事や恋愛、人間関係に悩みながらも、歯を食いしばって前を向こうとする女性たちの物語が6編収録されています。たとえ理不尽な目に遭っても、心の中で悪態をつきながら、彼女たちは決して涙を見せません。
その姿は、読者に「わかる、わかる」という共感と、明日を生きるための小さな勇気を与えてくれます。何かに行き詰まった時や、心が少し疲れてしまった時に読むと、そっと背中を押してくれるような、お守りのような一冊です。
どの話の主人公にも共感しちゃった。みんな頑張ってるんだなって思うと、わたしももう少し頑張ってみようかなって思えるんだ。
映画化もされた『阪急電車』は、片道わずか15分のローカル線を舞台にした、心温まる群像劇です。物語の登場人物は、婚約者を後輩に奪われたOL、恋人のDVに悩む女子大生、見栄っ張りな主婦グループ、そして田舎の大学生カップルなど、電車に乗り合わせたごく普通の人々。彼らの人生が、電車内で偶然交錯し、ほんの少しだけ影響を与え合います。
一つ一つの物語は短く、それぞれが独立していながらも、ゆるやかに繋がっています。読後は、隣に座った人の人生にも、きっと素敵な物語があるのかもしれないと、優しい気持ちになれる一冊です。有川浩の描く、温かい奇跡に満ちた物語です。
電車の中で起こる小さな奇跡が、すごく素敵なんだよね。読み終わった後、なんだか人に優しくしたくなるよ。
1999年に刊行され、大ベストセラーとなった『冷静と情熱のあいだ』は、二人の作家が同じ物語を男性視点と女性視点で描くという、画期的な試みで話題となった恋愛小説です。物語の主人公は、イタリアのフィレンツェで絵画の修復士として暮らす阿形順正(あがたじゅんせい)と、ミラノのジュエリーショップで働くあおい。かつて恋人同士だった二人は、ある約束を胸に秘め、それぞれの人生を歩んでいます。
辻仁成が順正の視点を描いた『Blu』と、江國香織があおいの視点を描いた『Rosso』。どちらから読んでも楽しめますが、両方を読むことで、男女の恋愛観の違いや、すれ違う想いがより深く理解できます。二人の視点から描かれる、切ない愛の物語です。
同じ出来事でも、男の人と女の人ではこんなに見え方が違うんだ!って驚いたな。両方読むと物語の深みが全然違うよ。
2004年の本屋大賞を受賞し、映画化もされた『博士の愛した数式』は、数学の美しさと、人と人との温かい繋がりを描いた物語です。主人公は、家政婦として働く「私」。彼女が派遣されたのは、交通事故の後遺症で記憶が80分しか持たない、元大学教授の数学者「博士」の家でした。
博士は、愛する数学を通して、「私」とその息子「ルート」に、世界の素晴らしさを教えてくれます。たとえ記憶が失われても、心に刻まれた愛情は消えない。数字が織りなす奇跡のような交流を描いた、静かで美しい物語です。読後は、世界が少し違って見えるかもしれません。
数学は苦手だけど、博士の話はすごく面白かった!記憶がなくなっても、心が繋がっている三人の関係に涙が出たよ。
2009年の本屋大賞を受賞し、映画化もされ社会現象を巻き起こした『告白』は、「イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー)」の女王・湊かなえのデビュー作です。物語は、中学校の女性教師・森口悠子の終業式での告白から始まります。「私の娘は、このクラスの生徒に殺されました」。彼女の静かな復讐劇の幕が上がります。
事件に関わった人物たちが、それぞれの視点から真相を語っていく構成で、物語が進むにつれて人間の恐ろしい悪意が浮き彫りになっていきます。衝撃的な展開と、後味の悪い結末は、読者に強烈な印象を残します。一度読み始めたら、最後までページをめくる手が止まらなくなるでしょう。
本作における登場人物の独白形式は、人間の内面に潜む悪意を効果的に抽出している。その冷徹な筆致からは、作者の人間観察に対する並々ならぬ覚悟を感じざるを得ない。
衝撃的なタイトルからは想像もつかない、切なくも美しい青春小説『君の膵臓をたべたい』。高校生の「僕」は、病院で偶然、クラスメイトの山内桜良が膵臓の病で余命いくばくもないことを知ってしまいます。彼女の秘密を共有したことで、正反対の性格の二人は、残された時間を共に過ごすようになります。
「君の膵臓をたべたい」という言葉に込められた、本当の意味。そして、物語の最後に明かされる、予想を裏切る結末に、多くの読者が涙しました。生きること、そして誰かと心を通わせることの大切さを教えてくれる、感動の物語です。アニメ化、実写映画化もされ、大ヒットを記録しました。
タイトルにびっくりするけど、本当に感動的な話だった…。読み終わった後、一日一日を大切に生きようって思ったよ。
2024年の本屋大賞を受賞した、今最も注目されている青春小説『成瀬は天下を取りにいく』。物語の主人公は、滋賀県大津市に住む中学生・成瀬あかり。「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。閉店が決まった地元のデパートに毎日通い、テレビ中継に映り込むことを宣言した彼女は、その日から我が道を突き進み始めます。
M-1グランプリへの挑戦や、坊主頭での卒業式など、成瀬の奇想天外な行動に、周囲は巻き込まれながらも、彼女の魅力に惹きつけられていきます。読めば必ず成瀬を応援したくなる、痛快で爽やかな物語です。閉塞感のある日常に、風穴を開けてくれるような一冊です。
成瀬が最高すぎる!こんな友達がいたら、毎日が絶対に楽しいだろうな。わたしも成瀬みたいに、やりたいことを全力でやってみたくなったよ!
第164回芥川賞を受賞した『推し、燃ゆ』は、「推し」がいる全ての人に読んでほしい、現代的なテーマを描いた作品です。主人公のあかりは、アイドルグループのメンバーである「推し」を、解釈し、応援することに自分の人生の全てを捧げていました。しかし、ある日、その推しがファンを殴って炎上してしまいます。
推しが自分の手の届かない場所へ行ってしまった時、あかりの日常は少しずつ崩壊していきます。推し活にのめり込む少女の心理を、痛々しいほどリアルに描き出し、多くの共感を呼びました。好きという感情の光と影を、鋭い感性で切り取った、現代の必読書です。
推しがいる人なら、あかりの気持ちが痛いほどわかるんじゃないかな。好きって気持ちだけじゃどうにもならないことが、すごくリアルだった。
世界中で愛され、映画も大ヒットしたファンタジー小説の金字塔『ハリー・ポッター』シリーズの第1作目。幼い頃に両親を亡くし、意地悪な叔父一家のもとで孤独な日々を送っていた少年ハリー・ポッター。11歳の誕生日、彼のもとにホグワーツ魔法魔術学校からの入学許可証が届き、自分が魔法使いであることを知ります。
ホグワーツに入学したハリーは、親友となるロンやハーマイオニーと出会い、魔法使いとして成長していきます。そして、両親の死の真相と、自らの過酷な運命に立ち向かっていくことになります。緻密に作り込まれた魔法の世界と、魅力的なキャラクターたちが織りなす冒険物語は、世代を超えて人々を魅了し続けています。
ここからあの壮大な物語が始まるんだよね!何度読んでも、ホグワーツからの手紙が届くシーンはワクワクしちゃう!
『はてしない物語』でも知られるドイツの作家ミヒャエル・エンデが贈る、時間の大切さを教えてくれる不朽の名作『モモ』。町の円形劇場跡に住み着いた、不思議な少女モモ。彼女には、人々の話にじっくりと耳を傾けるという特別な才能がありました。しかし、ある日、町に「時間どろぼう」の灰色の男たちが現れ、人々から時間を奪っていきます。
モモは、奪われた時間を取り戻すため、カメのカシオペイアと共に、時間の国へと冒険に出ます。効率や生産性ばかりが重視される現代社会への警鐘とも読めるこの物語は、刊行から50年以上経った今も、多くの人々に愛され続けています。本当に豊かな人生とは何かを、改めて考えさせてくれる一冊です。
時間ってなんだろうって、深く考えさせられたな。忙しい毎日の中で、忘れてしまいがちな大切なことを思い出させてくれるよ。
2001年に刊行され、映画化、ドラマ化もされて社会現象を巻き起こした「セカチュー」こと『世界の中心で、愛をさけぶ』。物語は、主人公の松本朔太郎が、亡くなった婚約者の遺灰を故郷のオーストラリアで撒くために、空港にいる場面から始まります。彼女の死を通して、彼は高校時代に白血病で亡くなった恋人・廣瀬亜紀との思い出を回想していきます。
ウォークマンで交換日記をする二人の甘酸っぱい日常と、病によって引き裂かれる運命。透明感のある文章で描かれる、純粋で切ない愛の物語は、多くの人々の涙を誘いました。恋愛小説のブームを巻き起こした、平成を代表する一冊です。
これぞ純愛って感じの物語だよね。悲しいけど、二人の思い出がすごく綺麗で、涙なしには読めなかったよ。
ここまで、女性におすすめの小説ランキングTOP40をご紹介してきましたが、気になる作品は見つかりましたか?
今回ご紹介した小説は、私たちの心を揺さぶり、時に勇気づけ、そして新しい世界を見せてくれるものばかりです。日々の忙しさの中で、ふと立ち止まって物語の世界に浸る時間は、きっとあなたの心を豊かにしてくれるはずです。
ぜひこのランキングを参考に、あなただけのお気に入りの一冊を見つけて、素敵な読書の時間をお過ごしください。