皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
仕事や学校、人間関係などで毎日を忙しく過ごしていると、ふと心が疲れてしまう瞬間がありませんか。 そんなとき、優しい物語の世界に浸って、疲れた心をそっと癒してあげる時間も大切です。
ほっこりする小説は、登場人物たちの温かい交流や、何気ない日常の中にある小さな幸せを描いた作品が多く、読んでいるうちに自然と笑顔になったり、時には感動の涙を流したりして、心を穏やかにしてくれます。 読み終えた後には、まるで自分の心まで温かくなったような、優しい気持ちに包まれるはずです。
この記事では、そんな疲れた心に寄り添ってくれる、おすすめの「ほっこり小説」をランキング形式でご紹介します。あなたにとってのお気に入りの一冊を見つけて、心温まる読書の時間をお過ごしください。
ここからは、読書好きが選んだ「ほっこりする小説」をランキング形式で30作品ご紹介します。
映画化された話題作から、多くの人に愛され続ける名作、そして知る人ぞ知る隠れた傑作まで、さまざまなジャンルの心温まる物語を集めました。きっとあなたの心に響く、特別な一冊が見つかるはずです。
忙しい日常を忘れさせてくれるような、優しい物語の世界へご案内します。
ミステリーの巨匠・東野圭吾が贈る、心温まるファンタジー小説『ナミヤ雑貨店の奇蹟』。 全世界での累計発行部数は1300万部を突破したベストセラーで、「東野圭吾史上、最も泣ける感動作」とも評されています。
物語は、悪事を働いた3人組の若者が、かつて悩み相談で知られた廃屋「ナミヤ雑貨店」に逃げ込むところから始まります。 すると、閉まっているはずのシャッターの郵便受けから、30年以上も前の世界から届いた悩み相談の手紙が投函されます。 戸惑いながらも、彼らは雑貨店の店主に代わって返事を書くことに。
過去と現在をつなぐ不思議な手紙のやりとりを通じて、相談者たちの運命、そして若者たち自身の未来が少しずつ変わっていきます。 張り巡らされた伏線が奇跡のように繋がり合うストーリー展開は見事で、読み終えた後には温かい感動と希望が心に残るでしょう。 本作は第7回中央公論文芸賞を受賞したほか、映画版も高い評価を得ています。
過去と現在が手紙で繋がるなんて、ロマンチックだよね。バラバラだった物語が最後に一つになる瞬間は、鳥肌ものだよ!
2019年の本屋大賞を受賞し、累計発行部数110万部を突破した感動作『そして、バトンは渡された』。 永野芽郁、田中圭、石原さとみといった豪華キャストで実写映画化もされ、大きな話題を呼びました。
主人公の優子は、これまでに4回も苗字が変わっています。 血の繋がらない親たちの間をリレーされ、複雑な家庭環境で育ちましたが、どの親からもたくさんの愛情を注がれてきました。 物語は、料理上手な義父・森宮さんと暮らす現在の優子と、自由奔放な魔性の女・梨花と暮らした過去の日々が交錯しながら進んでいきます。
血の繋がりとは何か、本当の家族とは何かを問いかける、新しい形の家族の物語です。物語の終盤、まったく別々に見えたエピソードが一つに繋がり、タイトルの意味が明らかになったとき、温かい涙が止まらなくなるでしょう。
血の繋がりがなくても、こんなに深い愛情で繋がれるなんて素敵だよね。わたしもこんな家族が欲しいなあって思っちゃった。
『図書館戦争』シリーズなどで知られる人気作家・有川浩が描く、心温まるベストセラー小説です。 物語の舞台は、兵庫県を走る片道わずか15分のローカル線「阪急今津線」。 この短い路線に乗り合わせた人々の人生が、ほんの少しだけ交差することで生まれる小さな奇跡の物語です。
婚約者を後輩に奪われたOL、DV彼氏との関係に悩む女子大生、上品な老婦人と孫娘など、さまざまな乗客たちが登場します。 一見、無関係に見える彼らの物語が、電車が駅を進むごとにつながっていき、思いがけない感動を生み出します。
宝塚駅から西宮北口駅までの「往路」と、折り返しの「復路」で構成されており、登場人物たちのその後が描かれるユニークな形式も魅力の一つです。 中谷美紀や戸田恵梨香など豪華キャストで『阪急電車 片道15分の奇跡』として映画化もされ、多くの人々に愛されています。
電車で乗り合わせただけの人と、人生が交差するなんて素敵だよね。日常にある小さな奇跡に、心が温かくなるんだ。
『お探し物は図書室まで』などで知られる人気作家・青山美智子さんのデビュー作にして、第1回宮崎本大賞を受賞した心温まる連作短編集です。 物語は、川沿いの桜並木のそばに佇む「マーブル・カフェ」から始まります。
本作は、一杯のココアをきっかけに、東京とシドニーを舞台にした12の物語が繋がっていく構成になっています。 カフェの店員、キャリアウーマン、幼稚園の先生、そしてシドニーで夢を追う男性など、さまざまな登場人物たちの何気ない日常が描かれます。
一見バラバラに見える彼らの行動が、実は見えない糸で繋がっており、リレーのようにバトンが渡されていくことで、最後には大きな奇跡を生み出します。 「人は知らないうちに、誰かの背中を押している」という温かいメッセージに、読み終わった後、きっと優しい気持ちになれるはずです。
一杯のココアから始まる奇跡の連鎖、素敵だよね。自分も知らないうちに誰かの役に立っているかもしれないって思わせてくれるんだ。
2017年本屋大賞で4位に輝き、NHKでドラマ化もされた小川糸のベストセラー小説です。 物語の舞台は、古都・鎌倉に佇む小さな「ツバキ文具店」。 主人公の鳩子は、亡き祖母からこの店を受け継ぎ、店主として働くかたわら、手紙の代筆を請け負う「代書屋」を営んでいます。
彼女のもとには、友人への絶縁状、借金を断る手紙、亡くなった人からの手紙など、ひと筋縄ではいかない依頼が舞い込みます。 鳩子は依頼人の心に深く寄り添い、便箋や筆記具、インクの色、そして切手の一枚一枚に至るまでこだわり抜いて、世界でたった一通の手紙を創り上げていきます。
美しい鎌倉の四季の描写とともに、万年筆やガラスペン、様々な色のインクなど、魅力的な文房具がたくさん登場するのも本作の魅力です。 デジタルが主流の今だからこそ、一文字ずつ心を込めて綴られる手紙の温かさが心に沁みる物語。読み終わった後、きっと誰かに手紙を書きたくなるはずです。
一文字一文字に心を込める代書屋さんの仕事って素敵だよね。わたしも大切な人には、手書きの手紙を送りたくなっちゃった。
2021年本屋大賞で第2位に輝き、アメリカの『TIME』誌が選ぶ「2023年の必読書100冊」にも選出された話題作です。 舞台は、町のコミュニティハウスの一角にある小さな図書室。ここには、ちょっと変わった司書さんがいます。
仕事や将来、家庭のことで悩みを抱える5人の人々が、ふとこの図書室を訪れます。 彼らの相談に乗るのは、不愛想なのに聞き上手な司書の小町さん。彼女は、相談者が思いもよらないような本を一冊選び出し、手作りの「本の付録」と一緒に手渡します。
「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」という問いかけから始まるこの物語は、渡された本をきっかけに、登場人物たちが自分自身の本当に探していたものに気づき、新たな一歩を踏み出していく姿を描きます。 読み終わった後、心がふっと軽くなり、明日への活力が湧いてくるような、優しい応援歌のような一冊です。
わたしもこんな司書さんに本を選んでもらいたいな!自分じゃ選ばないような本が、人生を変えるきっかけになるかもしれないよね。
2012年の本屋大賞を受賞し、映画、アニメ、テレビドラマ化もされた三浦しをんの代表作です。 映画版は日本アカデミー賞で最優秀作品賞を含む6冠に輝くなど、社会現象を巻き起こしました。
物語の舞台は、出版社の辞書編集部。 主人公は、営業部では「変人」として持て余されていたものの、言葉に対する類まれなセンスを見出され、辞書編集部に引き抜かれた馬締光也(まじめ みつや)です。 彼が仲間たちと共に、新しい辞書『大渡海』を完成させるまでの十数年にもわたる長い道のりを描いています。
「辞書は、言葉の海を渡るための舟。編集者は、その舟を編む仕事」。 この美しい一文に象徴されるように、一つのことに情熱を注ぐ人々のひたむきな姿と、言葉の奥深さが胸を打つ物語です。 普段何気なく使っている言葉や辞書が、どれほど多くの人々の時間と情熱によって作られているのかを知り、感動を覚えるでしょう。
一つの辞書を作るのに、こんなに長い時間と情熱が注がれているなんて知らなかったよ。何かに一生懸命になるって、すごくかっこいいね!
2020年の本屋大賞で第2位に輝き、多くの読者の涙を誘った感動の物語です。 NHKでドラマ化もされ、大きな反響を呼びました。
主人公は、33歳の若さで余命を宣告された女性・雫。 彼女は人生の最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内海に浮かぶ美しい島にあるホスピス「ライオンの家」を選びます。
このホスピスには、毎週日曜日に、入居者がリクエストした「思い出のおやつ」が振る舞われる「おやつの時間」という特別な習慣がありました。 雫は、他の入居者たちの思い出が詰まったおやつを通して、それぞれの人生に触れ、自らの人生とも静かに向き合っていきます。 「人生の最後に、あなたが食べたいおやつは何ですか?」という問いかけが、深く胸に響きます。 死という重いテーマを扱いながらも、読後には温かい光が心に灯るような、今を生きることの愛おしさを教えてくれる一冊です。
人生の最後に食べたいおやつ、わたしも考えちゃったな。悲しいだけじゃなくて、すごく温かい気持ちになれる物語だよ。
1994年の刊行以来、世代を超えて読み継がれる梨木香歩のデビュー作にして不朽の名作です。 日本児童文学者協会新人賞など数々の賞を受賞しました。
物語の主人公は、中学校に入学してまもなく、学校へ行けなくなってしまった少女まい。 まいは、しばらくの間、人里離れた森で暮らす英国人の祖母のもとで過ごすことになります。 祖母は自らを「西の魔女」と呼び、まいは「魔女修行」を始めることに。
その修行とは、特別な魔法を使うことではありません。 早寝早起き、食事や掃除、ジャム作りといった規則正しい生活を通して、「何でも自分で決める力」、つまり「意志の力」を養うことでした。 大自然の中での穏やかな暮らしと、祖母の温かい言葉は、まいが自分自身を取り戻し、再び歩き出すための力を与えてくれます。 生きることの素晴らしさや困難に、そっと寄り添ってくれるような優しい物語です。
おばあちゃんの言葉が、一つひとつ心に沁みるんだ。自分らしく生きるためのヒントがたくさん詰まっている気がするよ。
女優の吉永小百合が初めて企画から携わり、『ふしぎな岬の物語』として映画化されたことでも知られる感動作です。 映画はモントリオール世界映画祭で審査員特別賞グランプリを受賞するなど、国内外で高い評価を受けました。
物語の舞台は、海を見渡す岬の先端にひっそりと佇む「虹の岬の喫茶店」。 店主の悦子さんは、訪れる客一人ひとりの心に寄り添い、その人にぴったりの音楽を選んでくれる、不思議な魅力を持った女性です。
妻を亡くしたばかりの男性と幼い娘、就職に悩む大学生、そして借金苦から盗みに入った男……。 様々な事情を抱え、心に傷を負った人々がこの喫茶店に引き寄せられるように集まってきます。 悦子さんが淹れる美味しいコーヒーと、心に染みる音楽が、彼らの凍てついた心をゆっくりと溶かしていく様子が温かく描かれています。 疲れた心に優しく寄り添ってくれる、癒やしと希望の物語です。
こんな素敵な喫茶店があったら、毎日通っちゃうな。美味しいコーヒーと音楽で、どんな悩みも吹き飛んでしまいそうだよね。
人気脚本家ユニット・木皿泉の小説デビュー作にして、2014年の本屋大賞で第2位に輝いた名作です。 NHKでテレビドラマ化もされ、その温かい世界観が多くの視聴者の心を掴みました。
主人公のテツコは、7年前に夫の一樹を25歳の若さで亡くしました。 彼女はその後も家を出ることなく、義父である連太郎(ギフ)と二人で暮らし続けています。 物語は、そんな少し変わった二人の暮らしを中心に、テツコの新しい恋人や、亡き夫の幼馴染など、周りの人々との何気ない日常を描いていきます。
大きな事件が起こるわけではありません。 しかし、登場人物たちが交わすユーモラスで、時に核心をつく会話を通して、大切な人を失った悲しみがゆっくりと癒されていく過程が丁寧に描かれています。 「悲しいのに、幸せな気持ちにもなれる」というキャッチコピーの通り、読後には心がじんわりと温かくなるような、不思議な魅力に満ちた一冊です。
残された人たちの日常が、すごく優しく描かれているんだ。悲しいだけじゃなくて、クスッと笑えちゃう場面もあって、それがまた泣けるんだよね。
2018年に史上最高の得票数で本屋大賞を受賞し、累計発行部数は200万部を突破。 劇場アニメも大ヒットを記録した、辻村深月の代表作です。
主人公は、いじめが原因で学校に行けなくなってしまった中学生の「こころ」。 ある日、自室の鏡が突然光り出し、吸い込まれるように中へ入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城が広がっていました。 城の中には、こころと同じように学校に居場所のない6人の中学生が集められています。
そこで「オオカミさま」と名乗る謎の少女から告げられたのは、「この城に隠された“願いの鍵”を一番に見つけた者が、どんな願いでも一つだけ叶えられる」というルールでした。 7人は戸惑いながらも、少しずつ心を通わせ、鍵を探し始めます。 ファンタジーの世界を舞台にしながらも、少年少女のリアルな心の痛みや成長が繊細に描かれており、物語に隠された謎が明らかになるラストには、驚きと感動が待っています。
ファンタジーかと思いきや、描かれている悩みはすごくリアルなんだ。7人が少しずつ仲間になっていく姿に、胸が熱くなったよ!
記念すべき第1回本屋大賞を受賞し、映画化もされた不朽の名作です。 世代や国を超えて多くの人々に愛され続ける、静かで美しい物語がここにあります。
主人公は、家政婦として働く「私」。 新しい派遣先は、交通事故の後遺症で記憶が80分しか持たない、元天才数学者の「博士」の家でした。 博士が愛するのは、ただひたすらに数字の世界。 新しい家政婦である私のことも、80分経てば忘れてしまいます。
そんな博士の世界に、私の10歳の息子が加わったことで、変化が訪れます。 博士は息子の頭が√(ルート)記号のように平らなことから、彼を「ルート」と名付け、愛情を注ぎます。 友愛数、完全数、そして博士がこよなく愛した「オイラーの等式」。 美しい数式を通して、3人の間には温かく、そして切ない絆が生まれていきます。 数学が苦手な人でも、その詩的な世界の虜になること間違いなしの一冊です。
数字がこんなにも温かくて、愛おしいものだなんて知らなかったよ。80分しか記憶がもたなくても、心で繋がれるんだね。
『木曜日にはココアを』に続く、人気作家・青山美智子の2作目にして、第13回天竜文学賞を受賞した心温まる連作短編集です。
物語の舞台は、とある神社。 ここには、悩みを抱えた人の前にだけ現れるという、お尻に星のマークがついた不思議な猫「ミクジ」がいます。 失恋、親子関係、将来の夢など、さまざまな壁にぶつかった7人の登場人物たちがこの神社を訪れると、ミクジは彼らのために、タラヨウの樹からたった一言だけが書かれた葉っぱを落としてくれます。
「ニシムキ」「チケット」「タネマキ」——。 猫がくれる不思議な「お告げ」は、直接的な答えではありません。 しかし、その言葉をヒントに登場人物たちが自ら考え、行動することで、止まっていた時間が少しずつ動き出します。 7つの物語はそれぞれ独立しながらも、ゆるやかに繋がり、読後には優しい感動と前向きな気持ちを届けてくれる一冊です。
猫がくれるお告げなんて、ワクワクしちゃうよね!答えそのものじゃなくて、ヒントをくれるっていうのがミソなんだ。
『虹の岬の喫茶店』などで知られる人気作家・森沢明夫が描く、笑って泣ける人情小説です。 2022年には実写映画化もされ、話題となりました。
物語の中心人物は、身長2メートルを超えるマッチョなオカマの「ゴンママ」。 昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間たちが集うスナックを営んでいます。 彼の店には、仕事や人間関係に悩む人々が夜な夜な訪れます。
ゴンママは、そんな彼らの悩みに合わせて特別なカクテルを作り、心にそっと寄り添う珠玉の言葉を贈ります。 彼のパワフルな優しさに触れ、誰もが前を向く元気をもらっていくのです。 しかし、いつも明るく人々を励ますゴンママ自身も、ふと孤独や不安に襲われることがあります。 そんな時、彼を救ってくれたのは、かつて自分が誰かに贈った言葉でした。 個性豊かな登場人物たちが織りなす、温かい絆の物語です。
ゴンママ、最高にクールだよね!こんな人がいるスナックがあったら、悩みなんて全部吹き飛んじゃいそう。わたしも特製カクテル、飲んでみたいな!
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこが出演した映画が大きな人気を博し、多くの人々の心に「北欧」への憧れを植え付けた不朽の名作です。 映画の原作となった、群ようこの同名小説をご紹介します。
物語の舞台は、フィンランドの首都ヘルシンキ。 日本人女性のサチエは、街の一角に小さな日本食レストラン「かもめ食堂」をオープンします。 看板メニューは、心を込めて握ったおにぎり。 しかし、最初は物珍しさから遠巻きに眺められるばかりで、お客さんは一向にやってきません。
そんな食堂に、日本かぶれの青年や、訳ありの日本人女性たちが集い始め、サチエの穏やかな日常は少しずつ変化していきます。 大きな事件は起こりませんが、美味しい料理と、多くを語らないけれど温かい人々の交流を通して、食堂が地元の人々に愛される場所になっていく様子が、ゆったりとした時間の中で描かれます。 読んでいるだけで、美味しいコーヒーとシナモンロールの香りがしてくるような、心安らぐ一冊です。
おにぎりやシナモンロール、全部美味しそうなんだよね。フィンランドのゆったりした空気感が伝わってきて、読んでいるだけで旅行気分が味わえるよ。
『楽園のカンヴァス』などで知られる原田マハが描く、読むと元気が出るお仕事小説です。 WOWOWでドラマ化もされ、累計発行部数は75万部を突破するなど、多くの読者に支持されています。
主人公は、ごく普通のOL二ノ宮こと葉。 彼女は、想いを寄せていた幼なじみの結婚式に、複雑な気持ちで出席していました。 しかし、そこで伝説のスピーチライター・久遠久美が披露した祝辞に心を揺さぶられ、涙するほど感動します。
「言葉」が持つ力にすっかり魅了されたこと葉は、会社を辞めて久美に弟子入りすることを決意。 結婚式のスピーチから、政権交代をかけた選挙演説まで、様々な「言葉」の現場で奮闘しながら、スピーチライターとして、そして一人の女性として成長していきます。 落ち込んだ気持ちを吹き飛ばし、明日への一歩を踏み出す勇気をくれる一冊です。
たった数分のスピーチで、人の心を動かすなんてすごいよね!言葉の持つパワーを改めて感じさせられる、アツい物語だよ!
直木賞作家・重松清が描く、不朽の親子愛の物語。 これまでに2度テレビドラマ化され、2022年には阿部寛・北村匠海のW主演で映画化もされるなど、時代を超えて多くの人々の心を打ち続けています。
物語の舞台は、昭和30年代の瀬戸内海に面した小さな町。 運送会社で働くヤスは、愛する妻・美佐子との間に待望の息子アキラが生まれ、幸せの絶頂にいました。 しかし、その幸せは突然の悲劇によって奪われます。 美佐子が不慮の事故で亡くなり、ヤスは男手ひとつでアキラを育てることを決意します。
学もなく、不器用で、すぐに手が出る破天荒なヤスですが、息子への愛情は誰よりも深く、まっすぐ。 町の人々の温かい人情に見守られながら、ヤスは悩み、ぶつかり、それでも必死にアキラを育てていきます。 「とんびが鷹を生んだ」と町中の人が言うほど立派に育っていく息子と、それを見守る父親の数十年にわたる絆を描いた、涙なしでは読めない感動作です。
不器用だけど、まっすぐな愛情に涙が止まらなかったよ。お父さんの大きな愛と、周りの人たちの優しさに包まれたくなる物語なんだ。