【2025年最新】探偵小説のおすすめランキングTOP40

あなたを夢中にさせる一冊は？最高の探偵小説と出会うための選び方

探偵小説とは、殺人や誘拐といった難事件の謎を、鮮やかな推理で解き明かしていくジャンルです。読者も探偵と一緒に推理できるのが最大の魅力で、巧みに張り巡らされた伏線が回収される瞬間や、予想を裏切る「どんでん返し」が待ち受ける作品は特に人気を集めています。

探偵小説には様々なサブジャンルがあるため、自分に合った作品を見つけることが大切です。例えば、謎解きに重点を置いた「本格ミステリー」、外界と遮断された空間で事件が起こる「クローズドサークル」、後味の悪さが癖になる「イヤミス」など、多種多様なスタイルが存在します。ほかにも、警察官が主人公の「警察小説」や、高校生たちの日常と謎解きを描く「青春ミステリー」など、作風は多岐にわたります。どのジャンルに惹かれるか、自分の好みに合わせて選んでみましょう。

探偵小説おすすめランキングTOP40

ここからは、数ある探偵小説の中から特におすすめの作品をランキング形式でご紹介します。不朽の名作から話題の新作まで、あなたを夢中にさせる一冊がきっと見つかるはずです。

それぞれの作品のあらすじや魅力も解説しているので、ぜひお気に入りの一冊を探す参考にしてください。

1位『シャーロック・ホームズの冒険』アーサー・コナン・ドイル

『シャーロック・ホームズの冒険』は、世界で最も有名な探偵シャーロック・ホームズの活躍を描いた、アーサー・コナン・ドイルによる短編集です。探偵小説の歴史において外すことのできない、まさに金字塔と言える作品です。

卓越した観察眼と推理力を持つホームズが、相棒のワトソンと共にロンドンの街で起こる様々な難事件に挑みます。魅力的なキャラクター、緻密なプロット、そして鮮やかな謎解きは、今なお世界中の読者を魅了し続けています。

2位『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー

「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーの代表作であり、全世界で1億部以上を売り上げた不朽の名作です。孤島に集められた10人の男女が、童謡の歌詞になぞらえて一人ずつ殺されていくという、典型的なクローズド・サークル作品です。

外部との連絡手段を絶たれた極限状況で、登場人物たちは疑心暗鬼に陥っていきます。犯人は誰なのか、そして次はいったい誰が殺されるのか。ページをめくる手が止まらなくなる、サスペンスに満ちた一冊です。

3位『十角館の殺人』綾辻行人

1987年に刊行され、日本のミステリー界に「新本格」という新たな潮流を生み出した記念碑的作品です。角島という孤島に建つ十角形の奇妙な館を訪れた大学のミステリ研究会メンバーが、一人、また一人と殺されていきます。

物語の終盤で明かされる、ある一行の衝撃はあまりにも有名です。読者の先入観を巧みに利用した叙述トリックの傑作として、多くのミステリーファンに語り継がれています。初心者にもおすすめの一冊です。

4位『姑獲鳥の夏』京極夏彦

古本屋を営む京極堂こと中禅寺秋彦が、憑き物落としとして怪事件を解決する「百鬼夜行シリーズ」の第一作です。本作は、妊娠20ヶ月を過ぎても出産しない女性の謎と、その夫が失踪した事件の真相に迫ります。

妖怪や伝承に関する膨大な知識と、論理的な推理が融合した独特の世界観が魅力です。ミステリーでありながら、どこか妖しい雰囲気が漂う作風は、多くの読者を惹きつけてやみません。

5位『犬神家の一族』横溝正史

日本を代表する名探偵・金田一耕助が活躍するシリーズの中でも、特に有名な作品の一つです。信州の財閥・犬神家の当主が残した不可解な遺言状をきっかけに、一族の間で次々と凄惨な連続殺人事件が発生します。

おどろおどろしい雰囲気、複雑な人間関係、そして奇抜なトリックが絡み合い、読者を物語の世界に引き込みます。何度も映像化されているため、名前を知っている人も多いのではないでしょうか。日本の本格ミステリーを語る上で欠かせない傑作です。

6位『容疑者Xの献身』東野圭吾

天才物理学者・湯川学が事件の謎を解き明かす「ガリレオシリーズ」の3作目にして、シリーズ初の長編小説です。本作は第134回直木賞を受賞するなど、非常に高い評価を得ています。

物語は、天才数学者である石神が、隣人である花岡靖子とその娘が犯してしまった殺人を隠蔽するために、完璧な論理で捜査を撹乱するところから始まります。湯川と石神、二人の天才による壮絶な頭脳戦が繰り広げられます。

7位『屍人荘の殺人』今村昌弘

ミステリーランキングで史上初の4冠を達成した、現代ミステリーを代表する一作です。山奥のペンション「紫湛荘」を舞台に、前代未聞の状況下で起こる連続殺人事件を描いています。

本作の最大の特徴は、本格ミステリーに特殊な設定を大胆に融合させた点です。クローズド・サークルという古典的な状況に、斬新な要素を加えることで、全く新しい読書体験を生み出しました。

8位『Xの悲劇』エラリー・クイーン

「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーと並び称される巨匠、エラリー・クイーンの初期の傑作です。満員の市街電車内で起きた殺人事件の謎に、引退した老優ドルリー・レーンが挑みます。

論理的な推理を積み重ねて犯人を追い詰めていく、本格ミステリーの王道ともいえる作品です。読者への挑戦状が挿入されており、フェアな謎解きを楽しむことができます。

9位『占星術殺人事件』島田荘司

40年以上前に発生した未解決事件「占星術殺人事件」の謎に、名探偵・御手洗潔が挑む作品です。この事件は、一人の画家が遺した手記通りに、彼の6人の娘たちがバラバラ死体で発見されたという奇怪なものでした。

島田荘司のデビュー作であり、その壮大なトリックは国内外のミステリー作家に大きな影響を与えました。特に、密室トリックの常識を覆す大胆な発想は必見です。

10位『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼

「このミステリーがすごい！」で第1位に輝くなど、国内のミステリーランキングを総なめにした話題作です。死者の言葉を伝えることができる霊媒師・城塚翡翠が、推理作家の香月史郎と共に難事件に挑みます。

すべての伏線が回収されるラストは、まさに圧巻の一言。ミステリーとしてのロジックと、霊媒というオカルト要素が完璧に融合しており、読者は必ずや衝撃を受けることでしょう。

11位『オリエント急行の殺人』アガサ・クリスティー

アガサ・クリスティーが生んだ名探偵エルキュール・ポアロが活躍する、世界的に有名なミステリー小説です。大雪で立ち往生した豪華列車「オリエント急行」の車内で起こった殺人事件の謎に、ポアロが挑みます。

容疑者は、国籍も身分も様々な乗客全員。ポアロが最後に導き出す驚愕の真相は、ミステリー史上最も有名かつ大胆なものとして知られています。何度映像化されても色褪せない、不朽の名作です。

12位『すべてがFになる』森博嗣

孤島のハイテク研究所で、天才プログラマ・真賀田四季が密室状況で殺害される事件を描いた作品です。N大学工学部助教授の犀川創平と、学生の西之園萌絵がこの謎に挑みます。

理系ミステリーの金字塔として知られ、コンピュータや科学に関する専門的な知識が物語に深みを与えています。ロジカルな謎解きと、個性的なキャラクターたちの哲学的な会話が魅力的な一冊です。

13位『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午

「どんでん返しの帝王」の異名を持つ歌野晶午による、ミステリー史に残る傑作です。本作は、一見すると悪徳商法に立ち向かう主人公の物語と、彼が夢中になる女性との恋愛模様が描かれます。

しかし、物語の最後に待ち受ける衝撃の結末は、読者の想像を遥かに超えるものです。叙述トリックを用いた作品の中でも特に評価が高く、「必ず二度読みたくなる」と言われています。

14位『D坂の殺人事件』江戸川乱歩

日本の探偵小説の父、江戸川乱歩が生み出した名探偵・明智小五郎のデビュー作です。D坂の古本屋で起きた殺人事件を、素人探偵の「私」と、友人の明智小五郎が推理していきます。

大正時代の退廃的で妖しい雰囲気が漂う中で、論理的な謎解きが展開されます。日本の探偵小説の原点ともいえる作品であり、明智小五郎という不世出の探偵が誕生した記念碑的な一冊です。

15位『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ

現代本格ミステリーの旗手、アンソニー・ホロヴィッツによる傑作です。物語は、あるミステリー小説「カササギ殺人事件」の原稿を読む編集者の視点で進みますが、結末部分が欠けていることに気づきます。さらに、その小説の作者が謎の死を遂げたことを知り、編集者自身が探偵役となって真相を探り始めます。

作中作の謎と、現実世界の謎が巧みにリンクする二重構造になっており、読者は全く新しい形のミステリーを体験することができます。「このミステリーがすごい！ 2019年版」の海外編で1位を獲得しました。

16位『46番目の密室』有栖川有栖

臨床犯罪学者・火村英生と、その相棒であるミステリ作家・有栖川有栖が活躍する「作家アリスシリーズ」の第一作です。密室殺人をテーマにしたクリスマスパーティーの最中、本当に密室殺人が起きてしまいます。

エラリー・クイーンを敬愛する作者らしく、ロジカルな推理と読者への挑戦状が盛り込まれた、本格ミステリーの魅力が詰まった一冊です。火村とアリスの軽妙なやりとりも、シリーズの人気の理由の一つです。

17位『モルグ街の殺人』エドガー・アラン・ポー

1841年に発表された、世界初のミステリー小説（探偵小説）といわれる記念碑的な作品です。パリで起きた母娘の惨殺事件の謎に、天才的な分析力を持つC・オーギュスト・デュパンが挑みます。

警察が解明できなかった密室殺人の真相を、デュパンが安楽椅子に座ったまま推理だけで解き明かす「安楽椅子探偵」の原型もこの作品で生まれました。全てのミステリーはここから始まったと言っても過言ではない、歴史的な一冊です。

18位『探偵ガリレオ』東野圭吾

天才物理学者・湯川学、通称「ガリレオ先生」が、科学の知識を駆使して超常現象のような難事件を解決していく、人気シリーズの第1作です。「突然燃え上がった若者の頭」や「幽体離脱した少年」など、常識では説明のつかない事件の数々を、湯川が鮮やかに解き明かします。

短編集なので読みやすく、ミステリー初心者にもおすすめです。論理的思考と科学的アプローチで謎を解く湯川のキャラクターは非常に魅力的で、ドラマや映画化もされた大ヒットシリーズの原点です。

19位『本陣殺人事件』横溝正史

名探偵・金田一耕助が初登場する記念すべき作品であり、第1回探偵作家クラブ賞（現在の日本推理作家協会賞）を受賞した、横溝正史の代表作の一つです。旧家の婚礼の夜、密室状態の離れで新郎新婦が惨殺される事件を描いています。

雪に残された足跡がない完全な密室状況と、現場に残された琴の音の謎。日本の風土や因習を背景にした、おどろおどろしい雰囲気が特徴的な本格ミステリーです。

20位『ハサミ男』殊能将之

美しい黒髪の女子高生ばかりを狙う連続殺人鬼「ハサミ男」。彼が次のターゲットを決めた矢先、その少女が別の何者かに、自分と全く同じ手口で殺されてしまいます。プライドを傷つけられたハサミ男は、自ら犯人捜しに乗り出すという異色のミステリーです。

殺人鬼の視点で物語が進むという斬新な設定と、巧みな叙述トリックが高く評価されています。読者は殺人鬼の思考を追いながら、事件の真相に迫っていくことになります。

21位『アクロイド殺し』アガサ・クリスティー

名探偵ポアロシリーズの中でも、ミステリー史に燦然と輝く問題作として知られています。田舎町で起きた富豪殺害事件の謎に、引退生活を送っていたポアロが挑みます。

本作がミステリー史上の問題作とされる理由は、そのあまりにも大胆なトリックと犯人の正体にあります。発表当時はフェアかアンフェアかで大きな論争を巻き起こしましたが、今では歴史的傑作として高く評価されています。

22位『氷菓』米澤穂信

何事にも積極的に関わらないことを信条とする高校生・折木奉太郎が、姉の命令で古典部に入部し、仲間たちと共に日常に潜む謎を解き明かしていく「古典部シリーズ」の第1作です。アニメ化もされ、若い世代を中心に絶大な人気を誇ります。

殺人事件のような大きな事件は起きませんが、学校生活の中にある些細な謎を、奉太郎が鮮やかに解き明かしていきます。「日常の謎」というジャンルを代表する作品であり、ミステリー初心者にもおすすめです。

23位『ストーンサークルの殺人』M・W・クレイヴン

イギリスの湖水地方を舞台に、元陸軍の刑事ワシントン・ポーと、天才的な分析能力を持つが社会性に乏しいティリー・ブラッドショーのコンビが活躍するシリーズの第1作です。ストーンサークルで発見された焼死体の謎に、二人が挑みます。

猟奇的な事件と、科学的な捜査、そして魅力的なキャラクターたちの掛け合いが融合した、現代英国ミステリーの傑作です。テンポの良い展開で、一気に読み進めてしまうことでしょう。

24位『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉

国立市の令嬢刑事・宝生麗子と、彼女に仕える毒舌執事・影山が事件の謎を解き明かす、ユーモアミステリーの傑作です。麗子がディナーの席で事件の概要を話すと、影山が完璧な推理を披露してくれます。

「お嬢様の目は節穴でございますか？」といった影山の辛辣なセリフと、コミカルなキャラクターたちのやり取りが魅力です。本格的な謎解きとユーモアが絶妙に融合しており、ミステリー初心者でも気軽に楽しめます。

25位『自由研究には向かない殺人』ホリー・ジャクソン

高校生のピップが、自由研究のテーマとして5年前に自分の町で起きた少女失踪事件を調査し始める、という設定のミステリーです。警察は恋人による殺害と結論付けていましたが、ピップは調査を進めるうちに、その結論に疑問を抱き始めます。

インタビュー記録やSNSの投稿など、現代的な要素を盛り込みながら事件の真相に迫っていく構成が特徴です。スリリングな展開と、主人公のひたむきな姿に引き込まれる、新感覚のYA（ヤングアダルト）ミステリーです。

26位『硝子の塔の殺人』知念実希人

雪深い森にそびえ立つガラス張りの塔「硝子の塔」を舞台にした、クローズド・サークルミステリーです。大富豪のパーティーに招かれた名探偵と医師の主人公が、次々と起こる連続殺人事件の謎に挑みます。

ミステリー作家である作者の、ミステリーへの愛が詰まった作品であり、作中には多くの有名ミステリー作品への言及が登場します。王道の展開ながらも、最後に待ち受ける驚愕の真相は必見です。

27位『Yの悲劇』エラリー・クイーン

『Xの悲劇』に続く、ドルリー・レーンシリーズの第2作です。奇人ばかりが集まるヨーク家で起きた毒殺事件の謎に、名探偵ドルリー・レーンが挑みます。本作は、世界三大悲劇の一つに数えられることもあります。

複雑な人間関係と、心理的な駆け引きが巧みに描かれており、読者を物語の世界に深く引き込みます。論理的な謎解きだけでなく、人間の業を描いた重厚な物語としても楽しめます。

28位『方舟』夕木春央

大学のサークル仲間たちが、山奥の地下建築を訪れたところ、地震によって閉じ込められてしまうという、クローズド・サークルミステリーです。さらに、仲間の一人が殺害され、脱出するためには誰か一人を犠牲にしなければならないという極限状況に追い込まれます。

タイムリミットが迫る中での犯人捜しと、生き残りをかけた心理戦がスリリングに描かれます。衝撃的な結末は、読者に強烈な印象を残すことでしょう。

29位『怪人二十面相』江戸川乱歩

変装の達人で神出鬼没の大泥棒「怪人二十面相」と、名探偵・明智小五郎、そしてその助手である小林少年率いる少年探偵団の対決を描いた、冒険活劇の傑作です。日本の少年向け探偵小説の草分け的存在として、長く愛され続けています。

次々と大胆な手口で美術品を盗み出す二十面相と、それを追いかける明智探偵たちの知恵比べは、痛快でワクワクさせられます。子どもから大人まで楽しめる、エンターテインメント性豊かな作品です。

30位『六人の嘘つきな大学生』浅倉秋成

急成長中のIT企業の最終選考に残った6人の大学生たちが、内定をかけてグループディスカッションに挑む、という設定のミステリーです。しかし、企業から与えられた課題は「一ヶ月で最高のチームを作り上げること」でした。そして最終選考当日、彼らはある告発文によって窮地に立たされます。

就職活動という身近なテーマを舞台に、人間の心理を巧みに描いた作品です。二転三転する展開と、最後に明かされる真相に、多くの読者が驚かされることでしょう。

31位『木曜殺人クラブ』リチャード・オスマン

イギリスの高級老人ホームを舞台に、4人の元気な老人たちが未解決の殺人事件の謎に挑む、ユーモアあふれるミステリーです。元スパイや元精神科医など、個性豊かなメンバーたちが、それぞれの知識と経験を活かして捜査を進めます。

高齢者ならではの視点や、チャーミングなキャラクターたちのやり取りが魅力的な作品です。ほのぼのとした雰囲気の中に、本格的な謎解きが盛り込まれており、新しいタイプの探偵小説として世界的なベストセラーとなりました。

32位『三毛猫ホームズの推理』赤川次郎

高所恐怖症で女性恐怖症、おまけに血を見るのが苦手というダメ刑事・片山義太郎と、天才的な推理力を持つ三毛猫・ホームズのコンビが難事件を解決していく、大人気シリーズの第1作です。

ユーモラスな設定と、軽快なストーリー展開で、ミステリー初心者でも非常に読みやすい作品です。人間と猫の名コンビが織りなす、心温まるユーモアミステリーの金字塔と言えるでしょう。

33位『火車』宮部みゆき

休職中の刑事・本間俊介が、遠縁の青年から失踪した婚約者の行方を捜してほしいと依頼されるところから物語は始まります。彼女の過去を追ううちに、本間はカード破産や多重債務といった、現代社会の闇に直面することになります。

本作は、犯人捜しやトリックの解明といった従来のミステリーとは異なり、事件の背景にある社会問題に焦点を当てた「社会派ミステリー」の傑作です。人間の弱さや社会の矛盾を鋭く描き出した、読み応えのある一冊です。

34位『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎

大学入学のために仙台に引っ越してきた椎名は、隣人の河崎と名乗る男から、本屋を襲撃して広辞苑を盗む計画に誘われます。奇妙な計画に巻き込まれる中で、椎名は過去に起きたある事件の真相に近づいていきます。

伊坂幸太郎らしい軽快な会話劇と、巧みに張り巡らされた伏線が魅力の作品です。物語の終盤で明かされるタイトルの意味と、切ない真実に胸を打たれます。

35位『獄門島』横溝正史

瀬戸内海の孤島「獄門島」を舞台に、名探偵・金田一耕助が連続見立て殺人事件の謎に挑む、横溝正史の最高傑作との呼び声も高い作品です。復員した金田一が、戦友の死を知らせるために訪れた島で、恐ろしい事件に巻き込まれます。

俳句になぞらえて次々と殺されていく三姉妹。閉鎖的な島の因習と、複雑な人間関係が絡み合う中で、金田一の推理が冴えわたります。おどろおどろしい雰囲気と、論理的な謎解きが見事に融合した一冊です。

36位『爆弾』呉勝浩

取調室にいる冴えない男が「十時に爆弾が爆発する」と予言し、その言葉通りに秋葉原のビルが爆発するところから物語は始まります。男はさらに爆破を予告し、警視庁の刑事・類家は、男との知能戦を繰り広げることになります。

物語のほとんどが取調室での会話で進行するという、緊迫感あふれる作品です。「このミステリーがすごい！ 2023年版」で国内篇1位を獲得するなど、非常に高い評価を得ています。

37位『准教授・高槻彰良の推察』澤村御影

嘘を見抜く力を持つ大学生・深町尚哉が、怪異を収集している民俗学の准教授・高槻彰良の助手になり、様々な怪事件の謎を解き明かしていく物語です。ドラマ化もされた人気シリーズです。

怪談や都市伝説といったオカルト的な現象を、民俗学の知識で論理的に解説していくのが特徴です。ミステリーでありながら、どこか心温まるストーリーは、幅広い層の読者に支持されています。

38位『地雷グリコ』青崎有吾

高校生探偵・裏染天馬が活躍するシリーズの最新作で、第24回本格ミステリ大賞を受賞した作品です。本作は、日常の何気ないゲームや勝負に、殺人のロジックを応用するというユニークな設定の5編が収録されています。

「地雷グリコ」や「だるまさんがころんだ」といった誰もが知る遊びが、緻密な論理戦へと昇華されています。本格ミステリーの新たな可能性を感じさせる、野心的な一冊です。

39位『名探偵のままでいて』小西マサテル

第21回『このミステリーがすごい！』大賞で大賞を受賞した話題作です。主人公は、かつて名探偵として名を馳せたものの、今では認知症を患い、孫の楓と暮らすおじいちゃん。しかし、楓が持ち込む日常の謎に対して、おじいちゃんはかつての輝きを取り戻し、見事な推理を披露します。

日常の謎を解き明かす安楽椅子探偵の要素と、認知症という切実なテーマを組み合わせた、心温まるミステリーです。ミステリーファンだけでなく、家族の物語を読みたい人にもおすすめです。

40位『厳冬之棺』孫沁文

中国ミステリー界の新星・孫沁文による、特殊設定ミステリーの傑作です。吹雪の山荘に閉じ込められた7人の推理作家たちが、死者が残した原稿を手がかりに、犯人当てゲームを始めます。しかし、それは現実の殺人事件へと発展していきます。

「死者が書いた小説」という奇抜な設定と、二転三転するプロットが魅力です。本格ミステリーのルールに則りながらも、読者の予想を裏切る展開が待ち受けています。

ランキングの中からお気に入りの探偵を見つけ、おすすめ小説を読み尽くそう

探偵小説のおすすめランキングTOP40をご紹介しましたが、気になる作品は見つかりましたか？

探偵小説の魅力は、なんといっても個性豊かな探偵たちです。論理的な推理で犯人を追い詰める名探偵、人間味あふれる刑事、あるいは少し変わった能力を持つ探偵まで、様々なキャラクターが事件に挑んでいます。ぜひ、このランキングの中からあなたのお気に入りの探偵を見つけて、シリーズ作品を読み進めてみてください。きっと、奥深い探偵小説の世界に夢中になるはずです。