【2025年最新】戦国時代小説のおすすめランキングTOP40

英雄たちの生き様に心震える！戦国時代小説おすすめランキング

日本の歴史のなかでも、特にドラマチックで多くの英雄が生まれた戦国時代。この激動の時代を舞台にした小説は、武将たちの熱い生き様や、権力をめぐる策略、そして胸を打つ人間ドラマが詰まっており、多くの読者を魅了し続けています。

歴史の事実に触れながら、まるでその時代に生きているかのような臨場感を味わえるのが、戦国時代小説の大きな魅力です。この記事では、初心者から熱心な歴史小説ファンまで、誰もが楽しめるおすすめの戦国時代小説をランキング形式でご紹介します。ぜひ、あなたのお気に入りの一冊を見つける参考にしてください。

戦国時代小説のおすすめランキングTOP40

ここからは、いよいよ戦国時代小説のおすすめランキングを発表します。誰もが知る有名な武将が主人公の作品から、これまであまり光が当てられてこなかった人物を描いたもの、さらには手に汗握る合戦ものや、意外な切り口のミステリー作品まで、多彩なラインナップでお届けします。

司馬遼太郎や池波正太郎といった巨匠の名作はもちろん、今をときめく人気作家の話題作もランクイン。それぞれの作品が持つ独自の魅力を、あらすじやポイントと共にご紹介していきますので、あなたの心に響く物語がきっと見つかるはずです。

1位『国盗り物語』司馬遼太郎

堂々の1位は、歴史小説の大家・司馬遼太郎が描く『国盗り物語』です。この作品は、一介の油売りから美濃国の主へと成り上がった斎藤道三と、その娘婿である織田信長の二人を主人公に据えた壮大な物語です。

前半は「美濃の蝮」と恐れられた道三が、知略と非情な手段で国を盗るまでのピカレスクロマン、後半は「うつけ者」と呼ばれた信長が、道三の夢を引き継ぎ天下統一へと突き進む姿が描かれます。司馬遼太郎ならではの「司馬史観」と呼ばれる独自の歴史解釈と、躍動感あふれる筆致で、戦国時代のエネルギーに満ちたドラマを存分に味わえる傑作です。

2位『関ヶ原』司馬遼太郎

続いて2位も司馬遼太郎作品、『関ヶ原』がランクイン。豊臣秀吉の死後、天下分け目の決戦に至るまでの過程を、石田三成と徳川家康という二人の武将を軸に描いた不朽の名作です。

豊臣家への義を貫こうとする三成と、着々と天下獲りの謀略を進める家康。対照的な二人の生き様や、彼らを取り巻く武将たちの思惑が複雑に絡み合い、関ヶ原の戦いへと収束していく様は圧巻の一言。登場人物の心情がリアルに描かれており、歴史の大きな渦に飲み込まれていくような感覚で一気に読み進めてしまうでしょう。

3位『真田太平記』池波正太郎

3位は、池波正太郎の代表作の一つ『真田太平記』です。戦国時代を生き抜いた真田一族の興亡を、父・昌幸、長男・信之、次男・幸村（信繁）の三代にわたって丹念に描いた大河小説です。

武田家に仕えていた時代から始まり、知略を尽くして乱世を渡り歩く父・昌幸、そして関ヶ原の戦いで敵味方に分かれることになった信之と幸村の兄弟の葛藤など、真田家の絆と生き様が鮮やかに描かれています。戦のシーンだけでなく、忍者たちの活躍も物語に深みを与えており、エンターテインメント性も抜群の作品です。

4位『のぼうの城』和田竜

4位は、映画化もされ大きな話題を呼んだ和田竜の『のぼうの城』。豊臣秀吉の関東平定における忍城（おしじょう）の戦いを舞台に、圧倒的な兵力差にありながら、誰もが予想しなかった方法で敵を翻弄した城代・成田長親の姿を描きます。

「のぼう様（でくのぼうの意）」と呼ばれ、領民から慕われる不思議な魅力を持つ長親が、石田三成率いる二万の軍勢を相手に、いかにして城を守り抜いたのか。奇想天外な作戦とユーモアあふれる筆致で、痛快な歴史エンターテインメントが楽しめます。

5位『黒牢城』米澤穂信

5位には、本格ミステリーと歴史小説の融合で高い評価を得た米澤穂信の『黒牢城』がランクインしました。本能寺の変の四年前、織田信長に反旗を翻し有岡城に籠城した荒木村重が主人公です。

籠城中の城内で次々と発生する難事件。村重は、味方の動揺を鎮めるため、土牢に幽閉していた織田方の軍師・黒田官兵衛に知恵を借り、謎を解き明かそうとします。閉ざされた城という極限状況で繰り広げられる、息詰まる心理戦と鮮やかな推理が魅力。直木賞受賞も納得の傑作です。

6位『村上海賊の娘』和田竜

6位は、2014年の本屋大賞に輝いた和田竜の『村上海賊の娘』です。物語の舞台は、織田信長と大坂本願寺が激しく争っていた時代。「海賊王」と呼ばれた村上武吉の娘・景（きょう）を主人公に、第一次木津川合戦の史実を基にした壮大な海の戦いを描きます。

男勝りで「悍婦（かんぷ）」と噂される景が、一族の存亡をかけて信長の鉄甲船団に立ち向かう姿は、まさに圧巻。瀬戸内海を舞台にした迫力ある合戦シーンと、個性豊かな登場人物たちが織りなす人間ドラマが魅力の一大エンターテインメント巨編です。

7位『塞王の楯』今村翔吾

7位は、直木賞受賞作である今村翔吾の『塞王の楯』。戦国時代、あらゆる攻撃を防ぐ「最強の楯」を作る石垣職人集団と、どんな城でも打ち破る「最強の矛」を誇る鉄砲職人集団の対決を描いた物語です。

大津城を舞台に繰り広げられる、職人たちの誇りと意地をかけた壮絶な攻防戦。戦国時代を「技術者の戦い」という斬新な視点で切り取っており、これまでとは一味違った歴史小説の面白さを教えてくれます。手に汗握る展開と、胸を熱くする職人魂に心を揺さぶられること間違いなしです。

8位『利休にたずねよ』山本兼一

8位は、茶人・千利休の美学と生涯に迫った山本兼一の『利休にたずねよ』。直木賞を受賞したこの作品は、豊臣秀吉に切腹を命じられた利休が、死を目前にして自らの人生を振り返る形で物語が進行します。

なぜ利休は天下人である秀吉に逆らってまで、自らの「美」を貫き通したのか。若き日の恋、茶の湯との出会い、そして信長や秀吉との交流を通して、謎に満ちた利休の実像と、その美意識の根源が鮮やかに描き出されます。茶の湯の奥深い世界と、利休の壮絶な生き様に引き込まれる一冊です。

9位『風林火山』井上靖

9位には、文豪・井上靖による不朽の名作『風林火山』がランクイン。武田信玄に仕えた伝説の軍師・山本勘助の生涯を描いた歴史小説です。

片目が不自由で足が悪いというハンデを背負いながらも、その類まれな知略で信玄に重用され、信濃統一の立役者となっていく勘助。物語は、勘助が秘かに想いを寄せる諏訪の由布姫への忠誠と、川中島の戦いに至るまでの彼の活躍を軸に展開します。戦国の世に己の信念を貫き通した男の生き様が、重厚な筆致で描かれています。

10位『徳川家康』山岡荘八

10位は、まさに国民的歴史小説ともいえる山岡荘八の『徳川家康』です。全26巻にも及ぶこの長編大作は、徳川家康の誕生からその死まで、70年以上にわたる生涯を描ききっています。

幼少期の人質時代から、信長、秀吉との関係、そして関ヶ原の戦いを経て天下泰平の世を築き上げるまで。数々の苦難を乗り越え、泰平の世を目指した家康の苦悩や努力が丹念に描かれています。小説としてだけでなく、リーダーシップや組織論を学べるビジネス書としても評価の高い、まさに金字塔と言える作品です。

11位『信長の原理』垣根涼介

11位は、垣根涼介が織田信長の革新性に迫った『信長の原理』。従来の信長像とは一線を画し、彼を冷徹なリアリストとして描いた意欲作です。

この作品では、信長がなぜ「楽市楽座」や「兵農分離」といった画期的な政策を打ち出し、天下統一を目前にできたのか、その思考の原理を経済的な視点から鋭く分析しています。血の通った人間ドラマよりも、信長の合理主義的な側面に焦点を当てており、歴史のifを考えさせられる知的な刺激に満ちた一冊です。

12位『じんかん』今村翔吾

12位は、第11回山田風太郎賞を受賞した今村翔吾の『じんかん』。戦国時代の梟雄として名高い松永久秀を主人公に、その知られざる実像を描いた歴史大作です。

主君殺しや東大寺大仏殿の焼き討ちなど、数々の悪行で知られる久秀。しかし、この物語では彼を単なる悪人としてではなく、壮大な夢を抱いた革命家として捉え直しています。なぜ彼は悪名高い武将となったのか、その生涯に隠された真実とは。常識を覆す新たな松永久秀像に、魂を揺さぶられる作品です。

13位『光秀の定理』垣根涼介

13位は、垣根涼介が明智光秀の謎に挑んだ『光秀の定理』。本能寺の変という日本史最大のミステリーを、独自の視点で解き明かしていく歴史小説です。

なぜ光秀は主君・織田信長を討ったのか。この作品では、光秀の心理を深く掘り下げ、彼が謀反に至るまでの葛藤や動機に迫ります。革命家としての信長と、旧来の価値観との間で揺れ動く光秀の姿が描かれており、彼の人間的な魅力に光を当てています。歴史の謎解きを楽しみたい方におすすめの一冊です。

14位『夏草の賦』司馬遼太郎

14位は、司馬遼太郎が描く戦国時代の女性の物語『夏草の賦』。土佐の戦国大名・長宗我部元親の生涯を、その妻・菜々の視点から描いた作品です。

「土佐の出来人」と称され、四国統一を成し遂げた英雄・元親。その栄光と苦悩の生涯を、最も近くで見守り続けた妻の目を通して、生き生きと描き出しています。戦乱の世を気丈に生きる女性の強さと、夫婦の深い絆が胸を打つ、司馬作品の中でも特に情感あふれる一冊です。

15位『天地人』火坂雅志

15位は、大河ドラマ化もされた火坂雅志の『天地人』。上杉景勝に仕え、「義」と「愛」の精神を貫いた武将・直江兼続の生涯を描いた物語です。

主君・景勝との深い絆、豊臣秀吉や徳川家康といった天下人たちとの渡り合い、そして妻・お船との愛情。知勇兼備の名将として知られる兼続の人間的な魅力が、生き生きと描かれています。己の信じる「義」のために生き抜いた兼続の姿は、現代を生きる私たちの心にも強く響くものがあるでしょう。

16位『播磨灘物語』司馬遼太郎

16位には、司馬遼太郎が豊臣秀吉の軍師・黒田官兵衛（如水）を描いた『播磨灘物語』がランクイン。信長、秀吉、家康が天下を争う時代を、類まれな知略で駆け抜けた天才軍師の実像に迫ります。

播磨の小大名の家老の子として生まれた官兵衛が、いかにして秀吉の天下取りに貢献し、また彼から恐れられるほどの存在になったのか。その卓越した先見性と戦略、そしてキリシタンとしての信仰に生きた彼の内面が、巧みに描かれています。戦国時代の「頭脳戦」の面白さを存分に味わえる作品です。

17位『影武者徳川家康』隆慶一郎

17位は、大胆な設定で読者を驚かせた隆慶一郎の『影武者徳川家康』。「関ヶ原の戦いの直前、徳川家康は暗殺されており、その後の家康は影武者だった」という奇想天外な仮説のもとに物語が展開します。

家康の影武者となった男・世良田二郎三郎が、いかにして天下を統一し、徳川幕府を築き上げたのか。史実の裏に隠されたかもしれないもう一つの歴史を、圧倒的な迫力と筆力で描ききっています。歴史の常識を覆すエンターテインメント大作です。

18位『涅槃』垣根涼介

18位は、戦国時代の宗教と権力の関係に切り込んだ垣根涼介の『涅槃』。織田信長を最も苦しめた敵の一つ、石山本願寺を率いた僧・顕如（けんにょ）を主人公にした物語です。

信長の苛烈な攻撃に対し、十年もの間抵抗を続けた本願寺。その強大な力の源泉は何だったのか。信仰の力で武装した一向宗門徒を率い、信長と対峙した顕如の苦悩と戦いを描きます。宗教という視点から戦国時代を捉え直した、骨太な歴史小説です。

19位『火天の城』山本兼一

19位は、織田信長の夢であった安土城の築城に挑んだ宮大工の物語、山本兼一の『火天の城』。歴史の表舞台に立つ武将ではなく、城を造る職人たちにスポットを当てた作品です。

信長から「誰も見たことのない城を造れ」という前代未聞の命令を受けた、熱田の宮大工・岡部又右衛門。彼は仲間たちと共に、技術の粋を集めて巨大な天主の建設に挑みます。ものづくりに懸ける男たちの情熱とプライドが胸を打つ、感動的な物語です。

20位『天地雷動』朝井まかて

20位は、朝井まかてが武田勝頼の最後の戦いを描いた『天地雷動』。武田信玄の死後、偉大な父の跡を継いだ勝頼が、織田・徳川連合軍に立ち向かう姿を描きます。

長篠の戦いで大敗し、滅亡へと向かう武田家。その中で、最後まで武田軍の当主として戦い抜いた勝頼の苦悩と覚悟が、熱い筆致で描かれています。敗者の視点から描かれることで、歴史の非情さと、それでも懸命に生きた人々のドラマが際立つ感動作です。

21位『覇王の番人』真保裕一

21位は、真保裕一が描くスリリングな歴史サスペンス『覇王の番人』。本能寺の変で織田信長を討った明智光秀が、実は生き延びていたという大胆な設定で物語が始まります。

信長の死の真相を追い求める忍びと、歴史の裏で暗躍する者たちの攻防が、スピーディーな展開で描かれます。史実とフィクションが巧みに織り交ぜられ、読者をぐいぐいと引き込んでいきます。エンターテインメント性の高い、一級の時代小説です。

22位『治部の礎』吉川永青

22位は、石田三成の知られざる前半生に光を当てた吉川永青の『治部の礎』。関ヶ原の戦いで敗将として描かれることの多い三成ですが、この作品では彼が豊臣秀吉に見出され、有能な官僚として成長していく姿を描きます。

「治部少輔（じぶのしょう）」の官位を持つ三成が、いかにして豊臣政権の礎を築いていったのか。彼の純粋な忠義心と、卓越した実務能力が丁寧に描かれており、これまでの三成のイメージを覆すかもしれません。歴史の敗者に新たな光を当てた意欲作です。

23位『信長嫌い』帚木蓬生

23位は、精神科医でもある作家・帚木蓬生が、織田信長の家臣たちの心理に迫った『信長嫌い』。本能寺の変を、信長に仕えた四人の家臣（明智光秀、羽柴秀吉、丹羽長秀、柴田勝家）の視点から多角的に描いた作品です。

なぜ彼らは信長に従い、そして裏切ったのか。それぞれの人物の立場から信長という人物を捉えることで、その複雑な人間像と、本能寺の変に至るまでの家臣団の内部崩壊の過程が浮き彫りになります。人間心理の深淵を覗くような、読み応えのある一冊です。

24位『主君 : 井伊の赤鬼・直政伝』高殿円

24位は、徳川四天王の一人であり、「井伊の赤鬼」と恐れられた井伊直政の生涯を描いた高殿円の『主君』。徳川家康への絶対的な忠誠心と、その激しい気性で知られる直政の、知られざる苦悩と葛藤に焦点を当てた物語です。

なぜ彼は、そこまでして家康に尽くしたのか。幼少期の過酷な経験から、家康のもとで頭角を現していくまでの彼の成長と、その裏にあった孤独が描かれます。猛将としてだけでなく、一人の人間としての直政の魅力に触れることができる作品です。

25位『北天に楽土あり 最上義光伝』天野純希

25位は、東北の雄・最上義光（もがみよしあき）の生涯を描いた天野純希の『北天に楽土あり』。中央の信長や秀吉、家康といった武将たちとは一線を画し、北の地で自らの理想郷を築こうとした義光の戦いの物語です。

「羽州の狐」と称されるほどの智謀の持ち主でありながら、家族への深い愛情を持つ人物として描かれる義光。伊達政宗との激しい争いや、関ヶ原の戦いにおける彼の決断など、東北の戦国史の面白さを存分に味わえます。これまであまり知られていなかった武将の魅力に光を当てた一冊です。

26位『戦国幻想曲』池波正太郎

26位は、池波正太郎が描く一人の武将の夢と挫折の物語『戦国幻想曲』。父の「天下に聞こえた大名に仕えよ」という遺言を胸に、槍一つで乱世を渡り歩いた渡辺勘兵衛の生涯を描きます。

「槍の勘兵衛」としてその名を馳せながらも、様々な主君のもとを渡り歩き、変転の人生を送った勘兵衛。彼の目を通して、戦国という時代の厳しさと、その中で生きる武士の生き様がリアルに描かれています。派手な合戦だけでなく、一人の人間の生き方をじっくりと味わいたい方におすすめです。

27位『梟の城』司馬遼太郎

27位は、司馬遼太郎が戦国時代の忍者を主人公に描いた『梟の城』。豊臣秀吉の暗殺を依頼された伊賀忍者・葛籠重蔵（つづらじゅうぞう）の活躍と葛藤を描いた、エンターテインメント性あふれる作品です。

忍びとしての宿命と、人間としての感情の間で揺れ動く重蔵。彼を待ち受ける過酷な運命とは。忍者の特殊な技や裏社会での生き様が魅力的に描かれており、読者を物語の世界に引き込みます。直木賞を受賞した、司馬遼太郎の初期の傑作です。

28位『信長の棺』加藤廣

28位は、本能寺の変の最大の謎「信長の遺体はどこへ消えたのか？」に迫る歴史ミステリー、加藤廣の『信長の棺』。主人公は、信長の伝記『信長公記』の作者として知られる太田牛一です。

信長の家臣であった牛一が、その死の真相と消えた遺体の行方を追う中で、歴史の裏に隠された驚くべき事実にたどり着きます。史実を丹念に追いながら、大胆な仮説を織り交ぜて展開するストーリーは、知的好奇心を大いに刺激してくれます。

29位『下天は夢か』津本陽

29位は、織田信長の生涯を壮大なスケールで描いた津本陽の『下天は夢か』。「うつけ者」と呼ばれた少年時代から、桶狭間の戦いを経て天下布武へと突き進み、本能寺でその生涯を終えるまで。信長の一生を余すところなく描ききった大作です。

この作品の魅力は、なんといってもそのリアリティあふれる合戦描写。まるで戦場にいるかのような臨場感で、信長が戦い抜いた数々の戦を追体験できます。人間・織田信長の魅力を、その誕生から死までじっくりと味わい尽くしたい方におすすめの一冊です。

30位『八本目の槍』今村翔吾

30位は、今村翔吾が描く、賤ヶ岳の七本槍に隠された「八本目の槍」の物語『八本目の槍』。豊臣秀吉のもとで活躍した猛将たちの中に、もう一人、知られざる武人がいたとしたら。そんな歴史のifを描いた作品です。

賤ヶ岳の戦いで武功を挙げながらも、歴史の影に消えた男の生き様を通して、戦国時代の武士の誇りと友情が熱く描かれます。史実の隙間を埋めるような巧みなストーリーテリングで、読者を一気に物語の世界へと引き込みます。歴史好きならずとも楽しめる、感動のエンターテインメント小説です。

31位『戦国武将伝』今村翔吾

31位は、人気作家・今村翔吾による短編集『戦国武将伝』。織田信長や武田信玄といった有名な武将から、これまであまり小説で描かれることのなかったマイナーな武将まで、様々な人物にスポットを当てた作品集です。

一話完結の短編なので、戦国時代小説の入門編としても最適。それぞれの武将が抱えた葛藤や、人間味あふれるエピソードが凝縮されており、サクッと読めて満足度の高い一冊です。この本をきっかけに、あなたの「推し武将」が見つかるかもしれません。

32位『首』北野武

32位は、映画監督としても知られる北野武が、独自の世界観で本能寺の変を描いた『首』。織田信長、羽柴秀吉、明智光秀、徳川家康といったお馴染みの武将たちが、北野武ならではの解釈で、欲望むき出しの生々しい人間として描かれます。

従来の歴史小説のイメージを覆すような、バイオレンスとブラックユーモアに満ちた作風が特徴。誰が敵で誰が味方かわからない、裏切りと策略が渦巻く展開から目が離せません。新しい刺激を求める歴史小説ファンに読んでほしい一冊です。

33位『新史太閤記』吉川英治

33位は、『宮本武蔵』などで知られる国民的作家・吉川英治が描いた豊臣秀吉の物語『新史太閤記』。百姓の子として生まれながら、天下人にまで上り詰めた秀吉の出世物語を、生き生きとした筆致で描きます。

数々の逆境を知恵と行動力で乗り越えていく秀吉の姿は、読んでいて元気をもらえます。特に、人の心を掴むのが抜群にうまかった「人たらし」としての秀吉の魅力が存分に描かれており、彼がいかにして多くの人々を惹きつけたのかがよく分かります。戦国一のサクセスストーリーを楽しめる名作です。

34位『老侍』吉川永青

34位は、戦国時代の「老い」と「誇り」をテーマにした吉川永青の『老侍』。かつては名を馳せたものの、今では落ちぶれてしまった老侍が、最後の戦いに挑む姿を描いた物語です。

時代の変化に取り残されながらも、武士としての誇りを失わずに生きる主人公の姿が、切なくも感動的に描かれています。若い武将たちの活躍が中心になりがちな戦国小説の中で、老いた侍の生き様に焦点を当てた異色の作品。人生の黄昏時を迎えた男の最後の輝きが胸を打ちます。

35位『戦国鬼譚 惨』伊東潤

35位は、戦国時代の残酷で悲惨な側面を容赦なく描いた伊東潤の短編集『戦国鬼譚 惨』。華やかな英雄譚の裏に隠された、名もなき人々の苦しみや、戦の非情さをテーマにした物語が収められています。

美しい物語だけが戦国時代ではない、という厳しい現実を突きつけられる作品集です。目を背けたくなるような描写もありますが、それゆえに平和の尊さを強く感じさせられます。歴史の光と影、その両面を知りたい読者におすすめの一冊です。

36位『信長死すべし』山本兼一

36位は、『利休にたずねよ』の山本兼一が、本能寺の変を新たな視点から描いた『信長死すべし』。この作品では、明智光秀の謀反の背後に、朝廷、すなわち天皇の存在があったのではないかという大胆な仮説を提示します。

天下統一を目前にし、傲慢になっていく信長と、それを危惧する帝。そして両者の間で苦悩する光秀。それぞれの心理描写が巧みで、なぜ信長は討たれなければならなかったのか、その真相に迫っていきます。歴史の裏側を読み解くような面白さがある作品です。

37位『尻啖え孫市』司馬遼太郎

37位は、司馬遼太郎が描く異色のヒーロー像『尻啖え孫市』。戦国時代、鉄砲を武器に独立を保った傭兵集団・雑賀（さいか）衆を率いた雑賀孫市を主人公にした物語です。

権力に屈することを嫌い、自由奔放に生きた孫市の豪快なキャラクターが魅力的。織田信長を相手に一歩も引かないその活躍ぶりは、読んでいて痛快です。組織に属さず、自らの腕一本で乱世を生き抜いた男の生き様が、鮮やかに描かれています。

38位『おんな城主 直虎』森下佳子

38位は、大河ドラマの脚本家・森下佳子による小説『おんな城主 直虎』。戦国時代に男の名で家督を継ぎ、遠江（とおとうみ）井伊谷（いいのや）の領主となった女性・井伊直虎の波乱の生涯を描きます。

次々と襲いかかる困難を知恵と勇気で乗り越え、領地と民を守り抜いた直虎。彼女の奮闘する姿は、多くの読者に感動と勇気を与えてくれるでしょう。女性が活躍することが難しかった時代に、自らの運命を切り開いていった一人の女性の力強い物語です。

39位『もろびとの空 三木城合戦記』天野純希

39位は、羽柴秀吉による過酷な兵糧攻め「三木の干し殺し」を、城に立てこもった別所家の視点から描いた天野純希の『もろびとの空』。絶望的な状況の中で、人々がいかにして生き、戦ったのかを描いた物語です。

飢えと絶望が支配する籠城戦のリアルな描写は、読む者の胸に迫ります。極限状態に置かれた人間の強さ、弱さ、そして絆が描かれており、深く考えさせられる作品です。歴史の悲劇の中に、人間の尊厳を見出す感動作です。

40位『最後の一色』和田竜

ランキングの最後を飾るのは、『のぼうの城』の和田竜が描く、もう一つの籠城戦の物語『最後の一色』。豊臣秀吉の四国平定を背景に、小さな城を守る武将たちの誇りをかけた戦いを描きます。

圧倒的な兵力差を前に、降伏か、それとも徹底抗戦か。城主たちの間で意見が割れる中、一人の老武将が下した決断とは。滅びゆく者の美学と、武士の意地が胸を熱くする物語です。和田竜ならではの、ユーモアとペーソスあふれる筆致も健在。読後、温かい感動に包まれる一冊です。

お気に入りの一冊は？ランキングを参考に戦国時代小説を読み始めよう

ここまで、おすすめの戦国時代小説をランキング形式で40作品ご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。英雄たちの壮大な物語から、歴史の裏側で生きた人々のドラマ、手に汗握るミステリーまで、多種多様な作品がありました。

もしどの作品から読めばいいか迷ったら、好きな武将や興味のある合戦をテーマにした作品から選んでみるのがおすすめです。また、司馬遼太郎や池波正太郎といった大家の作品は、歴史小説の面白さを知る上で間違いのない選択肢と言えるでしょう。このランキングが、あなたと素敵な一冊との出会いのきっかけになれば幸いです。