【2025年最新】80代におすすめの小説ランキングTOP20

80代の心に響く小説の選び方とおすすめランキング

豊かな人生経験を重ねてこられた80代の皆さまにとって、読書は日々の暮らしに彩りを与えてくれる、かけがえのない時間です。心に響く一冊と出会うためには、いくつかのポイントがあります。

まず大切なのは、無理なく読み進められること。文字の大きさや、分かりやすい文章で書かれているかは重要な要素です。また、ご自身の経験と重なるような時代設定や、共感できるテーマの物語は、より深く心に残るでしょう。

人生の機微や家族の温かさ、そして老いを前向きに捉えるような作品は、明日への活力を与えてくれます。この後のランキングでは、そんな80代の皆さまの心に寄り添う、珠玉の小説をご紹介します。

80代におすすめの小説ランキングTOP20

それでは、『小説ヨミタイ』編集部が厳選した、80代の皆さまにおすすめしたい小説ランキングの発表です。

心温まる感動的な物語から、思わずクスッと笑ってしまうユーモア溢れる作品、そして人生の深みを感じさせてくれる一冊まで、様々なジャンルの名作が揃いました。あなたにとって、忘れられない一冊が見つかることを願っています。

1位『西の魔女が死んだ』梨木香歩

中学校に通えなくなった少女まいが、イギリス人のおばあちゃんの家でひと夏を過ごす物語です。「西の魔女」と呼ばれる祖母との生活の中で、まいは自然と共に生きる知恵や、何事も自分で決めることの大切さを学んでいきます。

世代を超えて多くの読者に愛され続けるロングセラー作品で、美しい自然描写と共に描かれる普遍的なテーマが、読む人の心を優しく解きほぐしてくれます。心が少し疲れてしまった時に、特におすすめしたい一冊です。

2位『老後の資金がありません』垣谷美雨

節約を重ねて老後資金を貯めてきた主婦・後藤篤子に、娘の派手な結婚や舅の葬儀、夫婦そろっての失業など、お金の苦労が次々と襲いかかります。誰もが直面しうる「老後資金」という切実な問題を、ユーモアたっぷりに描いた作品です。

困難な状況にもめげず、明るく前向きに立ち向かう主人公の姿に、笑いと元気をもらえること間違いありません。映画化もされたベストセラー小説です。

3位『あん』ドリアン助川

どら焼き屋「どら春」を舞台に、雇われ店長の千太郎と、働くことを懇願する老女・徳江の心温まる交流を描いた物語です。徳江の作る絶品の「あん」によって店は繁盛しますが、彼女がかつてハンセン病を患っていたという噂が広まってしまいます。

社会の偏見という重いテーマを扱いながらも、生きることの尊さや人との繋がりの温かさを教えてくれる感動作。河瀨直美監督によって映画化され、国内外で高い評価を受けました。

4位『おもかげ』浅田次郎

エリート会社員として定年まで勤め上げた竹脇正一は、送別会の帰りに地下鉄で倒れ、意識を失ってしまいます。病院のベッドで昏睡状態にある彼の魂は、忘れていた過去の記憶を呼び覚ましながら、様々な人々の「おもかげ」と出会う不思議な体験をします。

孤独だった幼少期や、若くして亡くした息子との思い出など、切ない記憶の旅路が描かれます。親子の愛とは何か、幸せとは何かを深く問いかける、涙なくしては読めない感動の物語です。

5位『にぎやかな落日』朝倉かすみ

北海道の小さな町を舞台に、老いも若きも様々な人々が織りなす日常を温かな筆致で描いた連作短編集です。何気ない毎日の中に潜む、人生の愛おしさや切なさが丁寧にすくい取られています。

登場人物たちの会話や心の機微が巧みに表現されており、読んでいるうちにまるでその町の一員になったかのような気持ちにさせてくれます。読後は心がじんわりと温かくなる、優しい一冊です。

6位『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』佐藤愛子

ベストセラー『九十歳。何がめでたい』の続編となるエッセイ集です。98歳を迎えた佐藤愛子さんが、日常生活で巻き起こる様々な出来事に対して、愛子節を炸裂させます。

「別に老人が前向きに生きなければならないってことはないんじゃないの？」といった言葉には、思わず頷いてしまう方も多いのではないでしょうか。年を重ねることを笑い飛ばす痛快な筆致に、元気と勇気をもらえる一冊です。

7位『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子

74歳の桃子さんが、夫に先立たれた後の孤独な日々を、故郷の言葉と共に賑やかに生きる姿を描いた物語です。心の声が賑やかな方言で語られる独特の文体が魅力で、老いを孤独ではなく、自由で豊かな時間として捉え直しています。

63歳で文藝賞を史上最年長で受賞し、その後芥川賞も受賞した著者渾身のデビュー作。新しい「老い」の形を描いた感動作として、多くの共感を呼びました。

8位『博士の愛した数式』小川洋子

交通事故の後遺症で記憶が80分しか持たない元数学者の「博士」と、彼の世話をする家政婦、そしてその息子の3人の交流を描いた物語です。博士は言葉の代わりに、美しい数式で愛情を表現します。

数字が紡ぐ、あまりにも切なく温かい関係性に、胸が締め付けられると同時に心が洗われるような感動を覚えるでしょう。数学が苦手な方でも楽しめる、静かで美しい奇跡の物語です。第1回本屋大賞受賞作。

9位『すぐ死ぬんだから』内館牧子

78歳の忍ハナは、「人は中身よりまず外見」をモットーに、おしゃれや自分磨きを楽しむ毎日を送っています。「終活」よりも「今」を輝かせることに全力な主人公の生き様が痛快な物語です。

しかし、長年連れ添った夫が倒れたことをきっかけに、ハナは思いもよらない夫の裏の顔を知ることになります。人生100年時代を生きるシニア世代に、喝采と共感を呼んだベストセラー小説です。

10位『ツバキ文具店』小川糸

鎌倉を舞台に、手紙の代書を請け負う「ツバキ文具店」の11代目店主・鳩子の物語。様々な依頼人からの手紙の代筆を通して、人々の心に触れ、成長していく姿が描かれます。

美しい季節の移ろいや、美味しそうな食べ物の描写も魅力の一つ。手紙というアナログなコミュニケーションの温かさを再発見させてくれる、優しさに満ちた作品です。読後には、誰かに手紙を書きたくなるかもしれません。

11位『三千円の使いかた』原田ひ香

世代も価値観も異なる三世代の女性たちが、お金とどう向き合い、人生を切り開いていくかを描いた物語です。就職、結婚、出産、老後といったライフイベントにまつわるリアルなお金の悩みが、テンポ良く描かれています。

節約や貯蓄、投資といったテーマを扱いながらも、単なる節約術の紹介に留まらず、「何のために貯めるのか」という人生の目的を問いかけます。自分の人生やお金の使い方を見つめ直すきっかけになる一冊です。

12位『椿山課長の七日間』浅田次郎

過労で突然死してしまった百貨店の課長・椿山和昭。彼は、現世への強い未練から、初七日が終わるまでの七日間だけ、絶世の美女の姿で現世に戻ることを許されます。

しかし、戻ってきた世界で彼が目の当たりにしたのは、生前は知ることのなかった家族の秘密や深い愛情でした。笑いと涙の中に、家族の絆や人生の尊さを描いた浅田次郎ならではの人情ファンタジーです。

13位『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』森下典子

著者である森下典子さんが、約25年間にわたって茶道教室に通い続けた日々を綴ったエッセイです。茶道を通して、季節の移ろいを感じ、日々の暮らしの中に幸せを見出すことの素晴らしさを教えてくれます。

「すぐにわかる」ことではなく、時間をかけてじっくりと物事を味わうことの大切さが、静かで美しい文章で描かれています。忙しい日常から少し離れて、心を落ち着けたい時にぴったりの一冊です。

14位『食堂のおばちゃん』山口恵以子

東京の下町にある「はじめ食堂」を舞台に、おばちゃんこと一膳飯屋の女将・聖子が、美味しい料理と温かい人情で、店に集う人々の悩みや問題を解決していく物語です。

聖子の作る昔ながらの家庭料理の数々は、読んでいるだけでお腹が空いてくるほど魅力的。人情味あふれるストーリーと美味しそうな料理の描写が人気のシリーズ作品で、心がほっこりと温まること間違いなしです。

15位『終わった人』内館牧子

大手銀行の出世コースから外れ、子会社で定年を迎えた田代壮介。定年後の「何者でもない自分」に戸惑いながらも、新たな生きがいを求めて奮闘する姿をリアルに描いています。

「定年」という多くの人が経験する人生の転機をテーマに、老いらくの恋や再就職の難しさなど、シニア世代が直面する現実をユーモアとペーソスを交えて描き出し、大きな話題となりました。映画化もされた人気小説です。

16位『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ

血の繋がらない親の間をリレーされ、4回も苗字が変わった高校生の優子。しかし、彼女は全く不幸ではなく、行く先々の親たちからたくさんの愛情を受けて育ちました。

複雑な家庭環境を、悲壮感なく明るく描いているのが本作の魅力です。物語の終盤で明かされる驚きの「秘密」と、そこに込められた温かい愛情に、涙が止まらなくなるでしょう。2019年の本屋大賞受賞作です。

17位『佐賀のがばいばあちゃん』島田洋七

漫才師の島田洋七さんが、自身の少年時代を綴った自伝的小説です。戦後の広島から佐賀の祖母の家に預けられた昭広少年が、明るくたくましい「がばい（すごい）ばあちゃん」と過ごした8年間を描いています。

「うちは貧乏じゃない。由緒正しい貧乏暮らしだ」など、どんな困難も笑い飛ばすばあちゃんの言葉の数々は、読む人に生きる力と笑顔を与えてくれます。映画やドラマにもなり、一大ブームを巻き起こしました。

18位『三匹のおっさん』有川浩

かつての悪ガキ3人組、キヨ・シゲ・ノリが還暦を迎え、ご近所の平和を守るために私設自警団「三匹のおっさん」を結成して大活躍する物語です。剣道の達人、柔道の猛者、そして頭脳派の3人が、詐欺や痴漢、動物虐待といった身近な悪を懲らしめます。

おっさんたちの痛快な活躍ぶりに、思わず胸がすくような爽快感を味わえます。笑いあり、涙あり、そして少しの恋模様もあり、エンターテインメント性抜群の人気シリーズです。

19位『百年の孤独』ガブリエル・ガルシア＝マルケス

南米コロンビアの架空の村マコンドを舞台に、創設者一族であるブエンディア家の百年にわたる栄枯盛衰を描いた、壮大な物語です。現実と幻想が入り混じる「マジックリアリズム」という手法で書かれ、世界中の読者を魅了しました。

個性豊かな登場人物たちが織りなす、愛と憎しみ、生と死の物語は、まさに圧巻の一言。少し難解に感じるかもしれませんが、時間をかけてじっくりと向き合えば、他に類を見ない深い読書体験が待っています。

20位『舟を編む』三浦しをん

出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書『大渡海』の完成を目指す編集者たちの情熱を描いた物語です。主人公の馬締光也（まじめ みつや）をはじめとする個性的な面々が、十数年という長い歳月をかけて辞書作りに奮闘します。

一つのことを成し遂げることの尊さや、言葉の持つ魅力と奥深さを教えてくれる作品です。2012年の本屋大賞を受賞し、映画やアニメにもなりました。読後は、普段何気なく使っている言葉が少し違って見えるかもしれません。

80代の人生を彩る、素敵な一冊との出会いを

80代の皆さまにおすすめの小説を20冊ご紹介しましたが、いかがでしたか。物語の世界は、私たちに新しい感動や発見、そして明日への活力を与えてくれます。

豊かな人生経験を重ねてこられた今だからこそ、心に深く響く物語がきっとあるはずです。今回ご紹介した作品をきっかけに、ぜひ書店や図書館へ足を運び、あなただけの特別な一冊を見つけてみてください。

素敵な一冊との出会いが、あなたの毎日をさらに豊かに彩ってくれることを心から願っています。