皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
サイコパス小説とは、共感能力の欠如や冷酷さといったサイコパスの特徴を持つ人物が登場する物語です。常人には到底理解できない思考回路や行動原理で、時に猟奇的な事件を引き起こす登場人物たち。その姿は不気味で恐ろしい一方、なぜか読者を引きつけてやまない不思議な魅力も秘めています。
物語を通して、人間の内面に潜む闇や狂気を垣間見る。そんな非日常的なスリルと恐怖を味わえるのが、サイコパス小説の醍醐味と言えるでしょう。この記事では、あなたを狂気の世界へと誘う、選りすぐりのサイコパス小説をランキング形式でご紹介します。
ここからは、編集部が厳選したサイコパス小説のおすすめランキングを発表します。国内外の有名な作品から、映像化された話題作まで幅広くランクインしました。
サスペンス、スリラー、心理ホラーなど、さまざまなジャンルの作品が揃っています。きっとあなたの心に深く突き刺さる、お気に入りの一冊が見つかるはずです。ページをめくる手が止まらなくなる、狂気に満ちた物語の世界をどうぞお楽しみください。
中学校教師の森口悠子が、自分の娘を殺害した教え子たちに復讐を誓う物語です。物語は、事件に関わった人物たちの独白形式で進んでいきます。それぞれの視点から語られる「告白」によって、事件の驚くべき真相が少しずつ明らかになっていく構成は見事というほかありません。
登場人物たちの内に秘められた悪意や身勝手な論理が、読者の心を激しく揺さぶります。「イヤミスの女王」の異名を持つ湊かなえさんの代表作であり、衝撃的な展開と後味の悪さから、多くの読者に強烈な印象を残しました。2010年には松たか子さん主演で映画化もされ、大きな話題を呼びました。
各登場人物の主観のみで構成される物語は、客観的事実の不在を浮き彫りにする。それ故に、読者は誰の視点にも感情移入できず、ただただ人間の悪意を突きつけられることになるのだ。
サイコ・スリラーの金字塔として名高い不朽の名作です。FBIの訓練生クラリス・スターリングが、連続殺人事件の犯人を追うため、収監されている天才的な精神科医でありながら凶悪な殺人鬼のハンニバル・レクター博士に助言を求める、というストーリーです。
物語の最大の魅力は、クラリスとレクター博士が織りなす、息をのむような心理戦にあります。レクター博士は、類まれな知性とカリスマ性を持ち合わせたサイコパスとして、非常に魅力的に描かれています。彼の不気味な存在感が、作品全体に言いようのない緊張感と恐怖を与えています。アンソニー・ホプキンス主演で映画化され、アカデミー賞主要5部門を受賞したことでも有名です。
本作におけるレクター博士の描写は、サイコパスという存在をエンターテイメントの域にまで昇華させた。恐怖と魅力を兼ね備えたキャラクター造形の秀逸さは、後世の作品に多大な影響を与えたと言えるだろう。
生命保険会社の社員である若槻が、顧客の家で恐ろしい出来事に巻き込まれていくホラー小説です。ある日、顧客の家に呼び出された若槻は、そこで子どもの首吊り死体の第一発見者となってしまいます。当初は自殺かと思われましたが、彼は顧客夫婦の不審な態度から、保険金殺人を疑い始めます。
この作品の恐怖は、人間の底知れぬ悪意と欲望にあります。平凡な日常が、サイコパスの存在によっていかにたやすく崩壊していくか。その過程がリアルに描かれており、読者はまるで自分の身に起こっているかのような恐怖を感じるでしょう。第4回日本ホラー小説大賞を受賞した、ジャパニーズホラーの傑作です。
日常に潜む狂気を描かせたら、貴志祐介氏の右に出る者はいない。本作で描かれる恐怖は、超常現象ではなく、あくまで人間心理の延長線上にあるものだ。だからこそ、より現実的な恐怖として読者に迫ってくる。
生徒から絶大な人気を誇る高校教師、蓮実聖司。しかし、その完璧な仮面の裏には、生まれながらにして共感性を持たない、冷酷なサイコパスとしての本性が隠されていました。彼は自らの目的のためなら、ためらうことなく他人を殺害する異常な人物だったのです。
物語は、蓮実が学校内の問題を解決するため、そして自らの秘密を守るために、次々と殺人を犯していく様子を描きます。彼の視点で語られるため、読者はサイコパスの思考を追体験するような感覚に陥ります。常人には理解しがたい彼の行動原理と、周到な計画に戦慄すること間違いなしです。2012年に伊藤英明さん主演で映画化もされました。
主人公である蓮実聖司のサイコパスとしての造形は、非常に緻密かつ独創的だ。彼の行動原理は一見理解不能だが、物語を読み進めるうちに、その内なる論理性に気づかされるだろう。これは、人間の合理性が孕む狂気を描いた作品と言える。
猟奇的な連続殺人事件を、犯人である男の視点から描いた問題作です。物語は、永遠の愛を求めるがゆえに残酷な殺人を繰り返す男の、異常な心理と行動を克明に綴っていきます。そのおぞましい内容から、読後は気分が悪くなる人もいると言われるほど、強烈なインパクトを持つ作品です。
この小説の真価は、巧みに張り巡らされた伏線と、ラストで明かされる衝撃のどんでん返しにあります。すべてが明らかになったとき、読者は物語を最初から読み返したくなる衝動に駆られるでしょう。叙述トリックを用いたミステリーとしても非常に評価が高く、多くの読者を唸らせた伝説的な一冊です。
本作は、読者の先入観を利用した叙述トリックの傑作として知られている。犯人の異常な心理描写に気を取られていると、作者の仕掛けた巧妙な罠に気づくことはできない。この構造こそが、本作を単なる猟奇小説以上のものにしているのだ。
美しい黒髪の女子高生ばかりを狙う連続殺人鬼、通称「ハサミ男」。彼は次のターゲットを決めて犯行に及ぼうとしますが、なんとそのターゲットが自分以外の誰かに殺されてしまいます。プライドを傷つけられたハサミ男は、自分を出し抜いた模倣犯の正体を突き止めるため、独自の調査を開始します。
殺人鬼が探偵役となって事件の謎を追うという、非常にユニークな設定が魅力のミステリー小説です。サイコパスである主人公の独特な視点から事件を追うことで、物語は予測不能な展開を見せます。巧妙なプロットと伏線、そして読者の予想を裏切る結末は、ミステリーファンならずとも楽しめること間違いなしです。
わたし、こういう設定大好き!犯人が探偵役になるなんて、面白くないわけがないよね。最後のどんでん返しには、思わず「やられた!」って声が出ちゃったよ。
東京発盛岡行きの東北新幹線「はやて」を舞台に、乗り合わせた殺し屋たちが壮絶なバトルを繰り広げるエンターテインメント小説です。個性豊かすぎる殺し屋たちが、それぞれの目的のために互いを出し抜こうとします。その中には、一見するとただの悪ガキにしか見えない、恐るべき中学生サイコパス「王子」も含まれています。
王子は、その悪魔的な頭脳とカリスマ性で、他の登場人物たちを巧みに操り、窮地に陥れます。彼の存在が、物語に一層のスリルと緊張感を与えています。伊坂幸太郎さんらしい軽快な会話劇と、伏線が次々と回収されていく爽快なストーリー展開が魅力の一冊です。2022年にはブラッド・ピット主演でハリウッド映画化もされました。
殺し屋がいっぱい出てくるのに、全然暗くならないのが伊坂作品のすごいところ!特に王子くんのキャラクターは最高だね。こんな中学生がいたら絶対に関わりたくないけど!
純粋な愛を求めるがゆえに、常軌を逸した行動を繰り返す女性「リカ」の恐怖を描いたサイコホラー小説です。出会い系サイトで知り合った男性に異常な執着を見せ、ストーカーと化していくリカ。彼女の行動は徐々にエスカレートし、やがて周囲の人々を巻き込んだ恐ろしい事件へと発展していきます。
リカの狂気的な愛情表現と、目的のためなら手段を選ばない冷酷さが、読者に強烈な恐怖を与えます。じわじわと日常が侵食されていくような、まとわりつくような恐怖を味わいたい方におすすめです。何度もドラマ化・映画化されている人気シリーズの第一作目です。
本作の恐怖は、リカというキャラクターの「純粋さ」に起因する。彼女の行動原理は一貫して「愛」であり、そこに一切の悪意は存在しない。この純粋さこそが、常人には理解しがたい狂気を生み出しているのだ。
新宿の風俗ガイドをしているケンジが、フランクと名乗る奇妙なアメリカ人観光客を案内することから物語は始まります。当初は気味の悪い客だと感じながらも、高額な報酬に惹かれてガイドを続けるケンジ。しかし、フランクと行動を共にするうち、彼の異常な言動や、世間を騒がせている猟奇殺人事件との関連を疑い始めます。
物語の舞台となる新宿歌舞伎町の猥雑な雰囲気と、正体不明のフランクが放つ不気味な存在感が、作品全体に独特の緊張感をもたらしています。人間の心の奥底に潜む暴力性や虚無感が、村上龍さんらしいシャープな文体で描かれています。日常と狂気が紙一重であることを感じさせる、衝撃的な一冊です。
本作で描かれる暴力の描写は、極めて即物的かつ無機質だ。それは、現代社会に蔓延する根源的な虚無感の表象と言えるだろう。フランクという存在は、我々の日常がいかに脆い基盤の上に成り立っているかを突きつけてくる。
生まれつき感情を持たず、驚異的な知能と身体能力を持つ男、鈴木一郎。彼は「脳男」と呼ばれ、悪人を罰するためだけに殺人を繰り返す、謎に包まれた存在です。物語は、連続爆弾魔の共犯として逮捕された彼を、精神科医の鷲谷真梨子が鑑定するところから始まります。
感情がないゆえに、痛みや恐怖を感じず、ただひたすらに「正義」を執行していく脳男。彼の存在は、法や倫理といった人間の作ったルールそのものを問い直します。アクションシーンの迫力と、脳男という特異なキャラクター設定が魅力のエンターテインメント小説です。第46回江戸川乱歩賞を受賞し、生田斗真さん主演で映画化もされました。
感情がないって、一体どんな感じなんだろう?脳男の行動は理解できないけど、彼の持つ一種の純粋さには、なぜか惹かれるものがあるんだよね。
ある日、実家の押し入れで「ユリゴコロ」と題された一冊のノートを見つけた亮介。そこには、人を殺めることを心の拠り所として生きてきた、美紗子と名乗る女性の半生が綴られていました。亮介は、この手記の恐ろしい内容に衝撃を受けながらも、その謎に満ちた物語に引き込まれていきます。
殺人者の視点から描かれる、悲しくも美しい愛の物語です。人を殺すことでしか生きる実感を得られなかった女性が、やがて愛を知り、苦悩する姿が描かれます。サイコパスの持つ心の闇と、その中に芽生える人間的な感情の葛藤が、読者の胸を打ちます。第14回大藪春彦賞を受賞し、2017年には吉高由里子さん主演で映画化されました。
切ない…。人を殺さないと生きられないなんて、あまりにも悲しすぎるよ。でも、最後に見つけた愛が、彼女にとっての救いだったと信じたいな。
アステカ神話の神々を現代に蘇らせ、臓器売買ビジネスを支配しようと暗躍する麻薬カルテルの元殺し屋と、天涯孤独の少年の運命が交錯するクライムノベルです。圧倒的な暴力と、古代文明の神話が融合した、壮大なスケールの物語が展開されます。
この作品に登場する人物たちは、誰もが常軌を逸した思考と行動原理で動いています。特に、物語の中心となる殺し屋バルミロの冷酷さと残虐性は、まさにサイコパスそのもの。人間の命が軽々と奪われていく様は、読者に強烈なインパクトと戦慄を与えます。第165回直木三十五賞、第34回山本周五郎賞をダブル受賞した傑作です。
本作で描かれる暴力は、単なる犯罪行為にとどまらない。アステカ神話という壮大な世界観と結びつくことで、それは一種の儀式性、神聖性すら帯びてくる。現代社会の倫理観が根底から覆されるような、恐るべき読書体験が待っている。
「ホラーの帝王」スティーヴン・キングが描く、究極のサイコホラーです。人気作家のポール・シェルダンが、雪道で事故に遭い、元看護師のアニー・ウィルクスに救助されます。しかし、彼女はポールの熱狂的なファンであり、その愛情は次第に狂気へと変わっていきます。
アニーは、ポールの書いた小説の結末が気に入らないという理由で彼を監禁し、自分の望む物語を書くように強要します。逃げ場のない閉鎖された空間で、狂信的なファンに支配される恐怖が、じわじわと読者の精神を蝕んでいきます。サイコパスの執着心と、それがもたらす暴力の恐ろしさを存分に味わえる一冊です。
こ、怖すぎる…。ファンなのは嬉しいけど、これは絶対嫌だ!自分の作品を勝手に書き換えろなんて言われたら、わたしならショックで気絶しちゃうかも…。
一家惨殺事件の唯一の生き残りである少女、フジコ。彼女がなぜ、自らもまた稀代の殺人鬼へと変貌していったのか。その壮絶な人生と、彼女の内に秘められた狂気を描いた物語です。読後、嫌な気分になること間違いなしの「イヤミス」の代表作として知られています。
物語は、フジコの娘の視点から、母親の過去を辿る形で進んでいきます。次々と明らかになる衝撃の事実に、読者は何度も騙され、翻弄されるでしょう。人間の醜さや悪意がこれでもかと詰め込まれており、読了後には重い余韻が残ります。その中毒性の高さから、多くのファンを生み出した問題作です。
本作は、人間の心理に潜む「自己正当化」というメカニズムを巧みに描いている。主人公フジコの行動は、彼女自身の視点から見れば、ある種の必然性を持っている。この主観と客観の乖離こそが、読者に強烈な不快感と恐怖を与えるのだ。
夏休み前、主人公のミチオは、欠席した同級生S君の家を訪ねます。するとそこには、首を吊って死んでいるS君の姿が。しかし、ミチオが警察を呼んで戻ってくると、S君の死体は忽然と消えていました。数日後、ミチオの前に、自分はS君が生まれ変わった姿だと主張するクモが現れます。
この物語は、一見するとファンタジーのようですが、読み進めるうちに不穏な空気が漂い始め、やがて衝撃的な真実が明らかになります。登場人物たちの言動に隠された嘘や矛盾、そして彼らが抱える心の闇が、物語を思わぬ方向へと導いていきます。叙述トリックが見事な、後味の悪いミステリーとして非常に評価の高い作品です。
え、え、どういうこと!?クモが生まれ変わり…?もう何が本当で何が嘘なのか全然わからないよ!最後の展開には本当にびっくりしたなあ。
斧で脳を奪い去るという猟奇的な連続殺人事件が発生。その犯人を追う弁護士の二宮彰は、実は彼自身も生まれつき感情を持たないサイコパスでした。ある日、二宮は犯人に襲撃され、命からがら逃げ延びます。プライドを傷つけられた彼は、犯人への復讐を誓い、独自の捜査を開始します。
サイコパスVSシリアルキラーという、狂気と狂気がぶつかり合う壮絶な戦いを描いたサイコスリラーです。感情を持たない主人公が、犯人を追い詰める中で、自身の過去や本性と向き合っていく姿が描かれます。第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2023年には亀梨和也さん主演で映画化もされました。
サイコパスがサイコパスを追いかけるなんて、面白そう!どっちも感情がないから、どんな戦いになるのか想像もつかないよ。これは読んでみないと!
「館」シリーズで知られる綾辻行人が描く、スプラッターホラー小説です。物語は、かつて連続殺人事件が起きた山荘を訪れた大学生たちが、再び現れた謎の殺人鬼によって次々と惨殺されていく様子を描きます。
この作品の特徴は、なんといってもその徹底したゴア描写にあります。目を背けたくなるような残酷なシーンが続くため、ホラー耐性のない方にはおすすめできません。しかし、極限状況に置かれた人間の心理や、殺人鬼の圧倒的な恐怖を描いた作品として、一部のファンからカルト的な人気を誇っています。スリルと恐怖を極限まで味わいたい方向けの一冊です。
本作における暴力描写の徹底性は、読者の生理的嫌悪感を喚起することを目的としている。それは、物語のリアリティを追求する上での必然的な帰結であり、作者のホラーというジャンルに対する真摯な態度の表れと言えるだろう。
口にフックをかけられ、マンションの高層階から吊るされるという猟奇的な殺人事件が発生。現場には「きょう、かえるをつかまえたよ」という稚拙な犯行声明が残されていました。警察は、この異常な事件の犯人を「カエル男」と名付け、捜査を開始します。
この作品は、警察小説としての面白さと、サイコパスの狂気を描くスリラーとしての恐怖が見事に融合しています。二転三転するスリリングな展開と、読者の予想を裏切る衝撃の結末が魅力です。社会派ミステリーの名手である中山七里さんが、人間の心の闇に深く切り込んだ一冊です。
うわあ…想像しただけで鳥肌が立つよ。カエル男って一体何者なの!?犯人が全然わからなくて、最後までドキドキしっぱなしだった!
連続する若い女性の誘拐殺人事件を追う刑事の物語と、ある男が「精子提供」によって生まれた子どもたちを探し求める物語。一見、無関係に見える二つのストーリーが、やがて一つの恐るべき真相へと収束していきます。
巧みなプロットと叙述トリックで、多くのミステリーファンを唸らせた傑作です。物語が進むにつれて深まる謎と、少しずつ明らかになる登場人物たちの関係性から目が離せません。そして、ラストで明かされる真実は、読者に衝撃と深い「慟哭」をもたらすでしょう。本格ミステリーの醍醐味を存分に味わえる一冊です。
最後の最後で全部がつながった時、本当に声が出た…。あまりにも切なくて、悲しくて、読み終わった後しばらく動けなかったよ。これは名作だね。
東電OL殺人事件をモチーフに、名門女子高に通う二人の対照的な少女、ユリコと和恵の人生を描いた物語です。類まれな美貌を持つ姉のユリコと、醜い容姿にコンプレックスを抱く語り手の「私」。そして、彼女たちの同級生であり、後に娼婦となって殺害される和恵。三人の女性の人生が、複雑に絡み合っていきます。
この作品は、女性の内面に渦巻く嫉妬や劣等感、承認欲求といった感情を、容赦なくえぐり出します。登場人物たちの心の闇が、時にグロテスクに、しかしリアルに描かれており、読者はその世界観に圧倒されるでしょう。人間の本質に迫る、桐野夏生さんの代表作の一つです。
本作は、美醜という普遍的なテーマを通じて、現代社会における女性の生きづらさを浮き彫りにしている。登場人物たちの行動は、社会的な抑圧に対する、歪んだ形での抵抗と解釈することもできるだろう。極めて社会学的な示唆に富んだ作品だ。
かつて自分を不幸のどん底に突き落とした友人、達也から弁護依頼が舞い込んだ弁護士の圭輔。圭輔は、幼少期に達也によって両親を失い、人生をめちゃくちゃにされていました。彼は復讐を誓い、弁護士として達也と対峙することを決意します。
一見すると善良で魅力的な人物に見える達也ですが、その本性は、他人を巧みに操り、破滅させることを楽しむ冷酷なサイコパスです。彼の魔の手によって、圭輔の周りの人々が次々と不幸に見舞われていく様は、まさに悪夢そのもの。サイコパスが身近にいる恐怖をリアルに描いたサスペンス小説です。
こんな友達がいたら、人生が壊れちゃうよ…。圭輔が可哀想すぎて、読んでいて本当に胸が苦しくなった。達也みたいな人には絶対に出会いたくない!
殺人に依存し、その衝動を抑えられない人々を描いた連作短編集です。登場するのは、ごく普通に見える主婦やサラリーマン、学生たち。しかし、彼らは皆、心の内に殺人への抗いがたい欲求を抱えています。
日常の中に潜む狂気を描いた、後味の悪い物語が揃っています。なぜ彼らは殺人に惹かれてしまうのか。その心理が淡々と、しかし克明に描かれており、読者は人間の心の脆さや危うさに気づかされるでしょう。『粘膜人間』で第3回「ホラーサスペンス大賞」特別賞を受賞した櫛木理宇さんの作品です。
本作は、殺人を「依存症」という観点から描くことで、その行為を個人の倫理的問題から、より普遍的な病理のレベルへと引き上げている。誰しもが陥る可能性のある心の病として殺人を捉える視点は、非常に斬新かつ示唆に富んでいる。
美しい蝶の標本のように、若い女性たちを誘拐し、背中に蝶のタトゥーを彫って庭で飼育する男「庭師」。この異常な楽園で暮らしていた少女たちが、FBIに保護されるところから物語は始まります。彼女たちの口から語られるのは、監禁生活の恐ろしい実態でした。
幻想的で美しい情景描写と、その裏に隠された残酷な真実のギャップが、読者に強烈な印象を与えます。閉ざされた庭で何が起こっていたのか。生存者であるマヤの証言を通して、事件の全貌が少しずつ明らかになっていく構成に、ページをめくる手が止まらなくなります。世界中でベストセラーとなったサイコスリラーです。
美しい庭と蝶…それなのに、やっていることは残酷すぎるよ。こんな場所で暮らさなきゃいけなかったなんて、想像するだけで胸が痛い。彼女たちが無事に保護されて本当に良かった。
人の命を救うはずの医師が、実は快楽殺人鬼だったら…?そんな恐ろしい設定の医療サイコサスペンスです。主人公の医師は、患者を救うことに喜びを感じる一方で、人を殺したいという衝動を抑えられずにいました。彼はその歪んだ欲望を満たすため、完全犯罪をもくろみます。
医療現場という、本来は聖域であるべき場所が舞台となっているため、より一層の恐怖を感じさせます。専門的な医療知識を悪用した犯行手口は、非常にリアルで説得力があります。人間の倫理観を根底から揺さぶる、衝撃的な一冊です。
本作は、生命倫理という極めて現代的なテーマを扱っている。人の生死を司る医師という存在が、その倫理観を逸脱した時、いかに恐ろしい事態を招くか。この問いは、現代医療が抱える根源的な問題を鋭くえぐり出している。
40年前に起きた怪事件の謎に、名探偵・御手洗潔が挑む本格ミステリーです。画家であった男が遺した手記には、6人の若い娘を殺害し、それぞれの体の一部を組み合わせて完璧な人間「アゾート」を創り出すという、恐るべき計画が記されていました。その後、彼の娘たちが次々と遺体で発見されます。
この作品は、その壮大なトリックと奇抜なアイデアで、本格ミステリーの歴史に名を刻んだ傑作です。特に、読者の度肝を抜くトリックは、ミステリーファンなら一度は体験しておくべきでしょう。島田荘司さんのデビュー作にして、御手洗潔シリーズの第一作目です。
このトリックは本当にすごい!全然わからなかったよ。御手洗さんの推理が始まったら、もうワクワクが止まらなかったな。本格ミステリー好きにはたまらない一冊だね!
孤島のハイテク研究所で、天才プログラマー・真賀田四季博士が、ウェディングドレス姿で手足のない死体となって発見されます。偶然島を訪れていたN大学助教授の犀川創平と、学生の西之園萌絵が、この不可解な密室殺人の謎に挑みます。
理系ミステリーの金字塔として名高い「S&Mシリーズ」の第一作目です。論理的で知的な謎解きと、犀川と萌絵の軽妙なやりとりが魅力です。事件の中心にいる真賀田四季博士は、常人には理解できない思考を持つ天才であり、その存在が物語に独特の雰囲気を与えています。アニメ化やドラマ化もされた人気作品です。
わたし、犀川先生と萌絵ちゃんのコンビが大好き!難しいトリックも、二人の会話を読んでいると楽しくなっちゃうんだよね。真賀田四季博士は、まさに天才って感じで憧れるなあ。
人間の「死」や「闇」に強く惹かれる、少し変わった二人の高校生、僕と森野夜。彼らは、世間で起きる猟奇的な殺人事件に興味を持ち、独自の調査を始めます。しかし、それは自ら危険に足を踏み入れる行為でもありました。
この作品は、6つの短編からなる連作短編集です。グロテスクな事件を扱いながらも、どこか切なく、美しい雰囲気が漂っているのが特徴です。主人公たちの持つ独特の死生観や、繊細な心理描写が、多くの読者を魅了しました。第3回本格ミステリ大賞を受賞した、乙一さんの代表作の一つです。
ちょっと怖いけど、すごく引き込まれる世界観だったな。僕と森野さんの関係性が、危うくて、でもなんだか綺麗で…。乙一さんの作品は、いつも心に残る何かがあるんだよね。
自称「何でも屋」の成瀬将虎が、悪質な霊感商法に挑む一方で、麻宮さくらという女性との恋愛模様が描かれます。一見すると、ハードボイルドと恋愛小説が融合したような物語ですが、この作品の本当の恐ろしさは、最後の最後に待っています。
巧みに張り巡らされた伏線と、読者の思い込みを利用した叙述トリックは、まさに圧巻の一言。すべてが明らかになったとき、あなたは必ず最初から読み返したくなるでしょう。第57回日本推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞した、現代叙述トリックミステリーの最高峰です。
これは完全に騙された!もう見事としか言いようがないよ。読み終わった後の衝撃がすごすぎて、しばらく放心状態だったな。ミステリー好きなら絶対に読むべき一冊!
大学入学のため引っ越してきた椎名は、隣人の河崎と名乗る奇妙な男に出会います。彼は、同じアパートに住むブータン人留学生に広辞苑をプレゼントするため、本屋を襲撃する計画を持ちかけます。椎名は、彼のペースに巻き込まれ、計画に協力することになります。
伊坂幸太郎さんらしい、ユーモラスな会話と伏線が散りばめられた物語です。物語が進むにつれて、登場人物たちの過去や、計画の本当の意味が明らかになっていきます。そして、ラストで明かされる切ない真実は、多くの読者の心を打ちました。第25回吉川英治文学新人賞を受賞し、映画化もされた人気作です。
最初はコメディみたいで面白かったのに、最後は涙が止まらなかった…。切ないけど、すごく優しい物語だったな。読み終わった後、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を聴きたくなったよ。
ここまで、29作品ものサイコパス小説をご紹介してきましたが、気になる一冊は見つかりましたでしょうか。サイコパス小説と一括りに言っても、その内容はさまざまです。人間の悪意に満ちた後味の悪い「イヤミス」から、息をのむような心理戦が繰り広げられるサスペンス、そして巧みなトリックで読者を欺くミステリーまで、多種多様な作品があります。
もしあなたが、人間の心の闇を覗き見るようなスリルを味わいたいなら、ホラー要素の強い作品がおすすめです。一方で、知的な興奮を求めるなら、サイコパスとの頭脳戦を描いた作品や、どんでん返しが見事なミステリー作品を手に取ってみてはいかがでしょうか。このランキングが、あなたにとって最高の読書体験を見つける手助けとなれば幸いです。