2025年9月発売のおすすめ小説ランキングTOP7

【2025年9月版】読書の秋に読みたい！今月発売のおすすめ小説を厳選紹介

暑さも和らぎ、過ごしやすい日が増えてくる9月は、まさに「読書の秋」にぴったりの季節です。 夜が長くなるこれからの時期、ゆっくりと物語の世界に浸りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

2025年の9月も、人気作家の待望の最新作から、新たな才能が光る注目作まで、魅力的な小説が数多く出版されます。 ミステリー、人間ドラマ、ホラーなど、ジャンルも様々で、どれから読もうか迷ってしまうほどの豊作ぶりです。

この記事では、そんな9月発売の小説の中から、「これは絶対に読んでほしい！」と太鼓判を押す作品を、ランキング形式でご紹介します。あなたにとって、この秋最高の相棒となる一冊がきっと見つかるはずです。

2025年9月発売のおすすめ小説ランキングTOP7

いよいよランキングの発表です！数多くの新刊の中から、話題性や内容の面白さを総合的に判断し、編集部が厳選したTOP7をご紹介します。

ページをめくる手が止まらなくなる刺激的なミステリーから、心の奥深くにじんわりと響く感動の物語まで、多彩なジャンルの作品がランクインしました。あなたの「読みたい本リスト」に加えたくなる一冊が、きっと見つかるはずです。それでは、早速見ていきましょう！

1位『閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書』知念 実希人

2025年9月18日に発売された知念実希人さんの最新作『閲覧厳禁 猟奇殺人犯の精神鑑定報告書』は、現実とフィクションの境界が曖昧になる「モキュメンタリーホラー」というジャンルの作品です。 予約が殺到し発売前に重版が決定するなど、発売前から大きな注目を集めていました。

物語は、11名を惨殺した猟奇殺人事件の犯人・八重樫信也の精神鑑定記録という体裁で進みます。 精神科医・上原香澄がインタビューを行う中で、八重樫が怯える都市伝説の怪物「ドウメキ」の謎と、事件の恐ろしい真相が次第に明らかになっていきます。 この報告書を読むこと自体が、読者に精神的な影響を及ぼす可能性があると警告されており、ページをめくるごとに背筋が凍るような読書体験が待っています。

本作は8月に発売された『スワイプ厳禁 変死した大学生のスマホ』と対になる作品で、2作合わせて読むことで、より深く物語の世界に没入できます。 現役医師でもある著者ならではのリアルな筆致が、この世ならざる恐怖を際立たせています。

2位『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ

『桐島、部活やめるってよ』『何者』などで知られる直木賞作家・朝井リョウさんの作家生活15周年記念作品となるのが、2025年9月5日に発売された『イン・ザ・メガチャーチ』です。 発売からわずか1週間で発行部数10万部を突破するなど、大きな話題を呼んでいます。

本作のテーマは、現代社会を象徴する「推し活」と、それを取り巻く「ファンダム経済」です。 物語は、アイドル運営としてファンダムを仕掛ける側の男性、推し活に救いを求める大学生、そして推し活をやめて陰謀論にのめり込む女性という、世代も立場も異なる3人の視点から描かれます。

それぞれの視点が交錯することで、現代の熱狂や依存、そして共感の構造が鋭く描き出されていきます。 「今の時代、人を動かすものは何なのか」という普遍的かつ根源的な問いを、私たちに突きつける社会派エンターテイメントの傑作です。

3位『追憶の鑑定人』岩井 圭也

ドラマ化もされた人気シリーズの最新作、岩井圭也さんの『追憶の鑑定人』が2025年9月2日に発売されました。 緻密な科学捜査と、そこに浮かび上がる人間ドラマが魅力の科学捜査ミステリーです。

かつて科捜研のエースとして「彼に鑑定できない証拠物はない」とまで言われた主人公・土門誠。 現在は民間の鑑定人として活動する彼のもとに、ある依頼が舞い込みます。それは、大学時代の旧友であり、火災によって記憶を失った上に放火の疑いまでかけられてしまった大学教授・猪狩愛の無実の証明でした。

旧友を信じたいという想いと、鑑定結果が示す科学的な事実。その間で揺れ動きながらも、土門はただ一つの真実を求めて鑑定に臨みます。 「科学を信じることは、人を信じることじゃないかな？」という作中の問いかけが、深く胸に突き刺さる作品です。

4位『神さまショッピング』角田光代

『対岸の彼女』で直木賞を受賞し、『八日目の蝉』など数々の作品が映像化されている人気作家・角田光代さん。 そんな彼女の最新作『神さまショッピング』が2025年9月25日に発売されました。 本作は、「信じること」をテーマに、8人の登場人物がそれぞれの「神さま」を探し求める姿を描いた短篇集です。

「幸せになれますように」という純粋な願いから、「あの人にいなくなって欲しい」という誰にも言えない黒い願いまで、心に秘めた祈りを叶えるため、人々は自分だけの神さまを求めて旅に出ます。 物語の舞台は神楽坂や京都といった国内だけでなく、ミャンマー、スリランカ、ガンジス川、パリの教会など世界各地に及びます。

自他ともに認める「聖地マニア」である著者だからこそ描ける、リアルな祈りの形。 誰もが何かにすがりたいと願う現代に、そっと寄り添ってくれるような一冊です。

5位『女の子の背骨』市川 沙央

2023年に『ハンチバック』で芥川賞を受賞し、社会に大きな衝撃を与えた市川沙央さん。 その待望の第二小説集『女の子の背骨』が、2025年9月26日に発売されました。 前作を超えるとも言われる衝撃作で、2つの中篇が収録されています。

表題作の「女の子の背骨」は、筋肉の難病を患う主人公と、同じ病を持つ姉との関係を描いた、著者の実体験が色濃く反映された私小説的な作品です。 もう一方の「オフィーリア23号」は、性差別主義的な思想を持つ女子大学院生が、三島由紀夫の『憂国』をテーマにしたアダルトビデオへの出演を目論むという、過激で挑発的な物語となっています。

「難病と生きる身体から放たれる言葉が現代を撃つ」というキャッチコピーの通り、読者の価値観や常識を激しく揺さぶる一冊です。 きれいごとでは済まされない現実を、鋭利な言葉で突きつけてくる強烈な読書体験があなたを待っています。

6位『探偵小石は恋しない』森 バジル

2023年に『ノウイットオール あなただけが知っている』で松本清張賞を受賞してデビューした、注目の新鋭・森バジルさん。 その最新作『探偵小石は恋しない』が2025年9月18日に発売されました。 多くの作家や書店員から「絶対に事前情報なしで読んでほしい」と絶賛の声が上がっている、驚愕の本格ミステリです。

主人公は、名探偵に憧れるミステリオタクの探偵・小石。 しかし、彼の探偵事務所に舞い込む依頼は、不倫や浮気の調査といった色恋沙汰ばかり。 実はある理由から「病的に」色恋調査が得意だという小石は、相棒の蓮杖と共に調査に乗り出しますが、その裏では思いもよらない事件が進行していました。

可愛らしいタイトルからは想像もつかない、大胆不敵な仕掛けが満載の一冊です。 恋愛ミステリーだと思って油断していると、物語の終盤で世界が一変するような衝撃を受けること間違いなし。 「騙される快感」を存分に味わいたいミステリーファンにおすすめです。

7位『凍える島【新装版】』近藤 史恵

物語の舞台は、瀬戸内海に浮かぶ孤島。かつて新興宗教の聖地だったというその島へ慰安旅行に訪れた男女8人。 しかし、楽しいはずの旅行は、密室で発見された一体の刺殺体を皮切りに、悪夢へと変わります。 通信手段も断たれた島で、一人、また一人と犠牲者が増えていく…。 まさにミステリーの王道である「クローズド・サークル」ものです。

人気作家の原点ともいえる作品で、本格ミステリーの醍醐味が凝縮されています。

気になる一冊は見つかりましたか？2025年9月発売のおすすめ小説まとめ

2025年9月発売のおすすめ小説ランキングTOP7をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。気になる一冊、読んでみたいと感じる作品は見つかりましたか？

今月は、ページをめくる手が止まらなくなる刺激的なミステリーから、現代社会のリアルを切り取った社会派エンタメ、そして心の琴線に触れる人間ドラマまで、非常に多彩なジャンルの作品をご紹介しました。どの作品も、読書の秋の夜長を彩るにふさわしい、読み応えのある一冊ばかりです。

ぜひこの機会に、気になった小説を手に取ってみてください。この記事が、あなたにとって忘れられない一冊との出会いのきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。