皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らし...
皆さま、はじめまして。わたくし、『小説ヨミタイ』編集長の「ふくちい」と申します。夜の森で獲物を見つけるように、わたしの鋭い目で、世に埋もれた素晴らしい物語たちを見つけ出し、皆さまにお届けするのが仕事です。星の数ほどある物語の中から、あなたの心を照らす一編を見つけ出すお手伝いをさせてください。これからどうぞ、よろしくお見知りおきを。
中島らも(1952-2004)は、小説家、劇作家、エッセイスト、ミュージシャンなど、数多くの肩書を持つマルチな才能の持ち主です。 コピーライターとしてキャリアをスタートさせた後、作家としてデビューし、その活動は小説やエッセイの執筆にとどまらず、劇団「笑殺軍団リリパット・アーミー」の旗揚げや、ロックバンド「PISS」での音楽活動など、非常に多岐にわたりました。
彼の作品の最大の魅力は、自身の壮絶な体験をベースにした、唯一無二の世界観にあります。アルコール依存症や躁鬱病との闘いといった個人的な苦悩を、ユーモアと鋭い社会批評を交えて描き出す作風は、多くの読者を惹きつけてやみません。 社会のレールから外れてしまった人々へ向けられる、その温かくもシニカルな眼差しは、読む者に「普通」とは何かを問いかけ、自分を肯定する勇気を与えてくれます。
ここからは、数ある中島らも作品の中から、小説ヨミタイ編集部が厳選したおすすめの小説をランキング形式でご紹介します。
破天荒な実体験に基づくシリアスな物語から、奇想天外なホラー・コメディまで、その作風は非常に幅広いです。 このランキングを参考に、ぜひあなたのお気に入りの一冊を見つけて、らもワールドの奥深さに触れてみてください。
中島らも作品に初めて触れるなら、まず読んでほしいのが代表作『今夜、すべてのバーで』です。この作品で、中島らもは第13回吉川英治文学新人賞を受賞しました。 物語は、作者自身のアルコール依存症での入院体験が色濃く反映された私小説となっています。
主人公の小島容(こじまいるる)は、医師から「このまま飲み続けたら死ぬ」と宣告されても酒をやめられず、ついに入院することに。 病院での個性的な患者たちとの交流や、シラフの状態で現実と向き合う苦悩を通して、人間の「依存」とは何か、生と死とは何かを深く問いかけます。 重いテーマを扱いながらも、随所に散りばめられたユーモアと、らも独特の軽妙な筆致が光る傑作です。
アルコール依存の描写が生々しくて…。でも、だからこそ伝わるものがあるんだよね。
『今夜、すべてのバーで』とは打って変わり、壮大なスケールで描かれるエンターテインメント大作が『ガダラの豚』です。本作は第47回日本推理作家協会賞を受賞し、中島らもの小説家としての評価を不動のものにしました。
アフリカ呪術を研究するアル中の大学教授・大生部(おおうべ)が、新興宗教にハマった妻を救うべく立ち上がるところから物語は始まります。 物語の舞台は日本からアフリカへと移り、呪術や超能力といったオカルト的な現象と、科学や手品によるトリックの解明が交錯しながら、読者を一気に物語の世界へ引き込みます。 文庫本3冊にわたる長編ですが、個性的なキャラクターと先の読めない展開に、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしの一級品の冒険活劇です。
日本とアフリカを行き来するスケールの大きさが最高!エンタメ小説としてめちゃくちゃ面白いよ。
中島らもの自伝的長編小説が『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』です。兵庫県尼崎市で生まれ、日本有数の進学校である灘中学校・高等学校で過ごした多感な思春期が、ユーモアとペーソスたっぷりに描かれています。
落ちこぼれだった自身の学生時代を赤裸々に綴りながら、当時の神戸や尼崎の風景を鮮やかに描き出しています。 大人になることへの抵抗、社会への違和感、そして文学や音楽への傾倒。らもワールドの根幹をなす「ねじれ」がどのように形成されたのかを知ることができる、ファン必読の一冊です。
らもさんのルーツがわかる作品だね。これを読むと、他の作品ももっと深く楽しめる気がするな。
SF的な設定の中に、人間の生と死、愛という普遍的なテーマを織り込んだ異色の恋愛小説が『永遠も半ばを過ぎて』です。1997年には『Lie Lie Lie』というタイトルで映画化もされました。
物語の主人公は、製薬会社の研究所に勤める男。彼は、臨床実験で出会った余命いくばくもない女性と恋に落ちます。彼女の脳をコンピュータに移植し、永遠の命を与えようと試みるのですが……。切ないラブストーリーでありながら、生命倫理という重いテーマにも切り込んだ、考えさせられる作品です。
永遠の愛ってなんだろうって考えちゃう…。切なくて、でも美しい物語だよ。
中島らものドラッグ体験をベースにした、サイケデリックで幻想的な長編小説です。タイトルの『アマニタ・パンセリナ』とは、幻覚作用を持つキノコの名前です。
主人公は、そのキノコを求めて旅に出ます。現実と幻覚が入り混じるトリップ体験を、らもならではの緻密で美しい文章で描き出しています。単なるドラッグ文学にとどまらず、精神世界の探求や自己との対話を描いた哲学的な側面も持っています。読む人を選ぶかもしれませんが、ハマる人にはたまらないディープな一冊です。
これは…かなりディープな世界観だね。読むときは心してかからないと、わたしもトリップしちゃいそうだよ。
「首屋敷」と呼ばれる空き家に忍び込んだ少年が、地下室に置かれた人体模型から聞かされる12の奇妙な物語、という構成のホラー短編集です。
「眼」「鼻」「耳」「膝」といった人体のパーツをモチーフに、人間の内面に潜む孤独や欲望、恐怖を描き出しています。 グロテスクでありながらどこか幻想的で、ブラックユーモアも効いているのが、いかにも中島らもらしいホラー作品と言えるでしょう。 それぞれの話は独立していますが、全体を通して一つの不気味な世界観を構築しています。
本作における人体の各器官を起点とした物語の発想は、人間の根源的な恐怖を的確に抽出していると言わざるを得ない。
悪役プロレスラーの父親と、そんな父親を恥ずかしく思う小学生の息子。二人の心の交流を描いた、笑えて泣けるハートウォーミングな物語です。 この作品は2004年に映画化もされ、話題となりました。
主人公の少年は、金髪に赤白の隈取りをした悪役レスラーの父親が嫌でたまりません。 しかし、父親は息子の信頼を取り戻すため、無謀ともいえる異種格闘技戦への挑戦を決意します。 不器用な父親が、プロレスを通して息子に愛と生き様を伝えようとする姿に、胸が熱くなること間違いなしです。
お父さんの不器用な愛情に泣いちゃった…。家族っていいなあって、しみじみ思うよ。
中島らもの小説家デビュー作であり、表題作を含む4つの中・短編が収録されています。 広告代理店でのサラリーマン経験など、自身の体験が色濃く反映された作品群です。
中でも表題作の『頭の中がカユいんだ』は、広告業界の狂騒的な日常を、ブラックユーモアたっぷりに描いた傑作です。次々と巻き起こる珍事件に翻弄される主人公の姿は、現代社会で働く私たちの共感も呼ぶでしょう。初期のらも作品の勢いと、独特の文体を存分に味わえる一冊です。
広告業界ってこんなにクレイジーなの!?って笑っちゃった。でも、このハチャメチャさがクセになるんだよね。
ホラーとギャグが絶妙に融合した、中島らもワールド全開の短編集です。 都市伝説、呪い、殺し合いが許された日など、奇想天外な設定の物語が7編収録されています。
表題作の『白いメリーさん』は、誰もが知る都市伝説をモチーフにした悲劇。 一方で、呪われた家系を逆手にとって商売を始める姉妹を描く『クローリング・キング・スネイク』など、ブラックな笑いに満ちた作品も。人間の狂気や社会の歪みを、シュールな笑いと恐怖の中に描き出す、らもならではのセンスが光ります。
恐怖と笑いは紙一重であるという命題を、本作は極めて高いレベルで実証している。人間の心理を巧みに突いた構成は見事である。
上方落語の噺家とその師匠の、破天荒ながらも深い絆を描いた人情噺です。この作品は、のちに映画化、舞台化もされました。
物語は、亡くなった師匠の通夜で、弟子たちが思い出話に花を咲かせるところから始まります。師匠の型破りなエピソードが次々と飛び出し、笑いの中に師弟愛や芸の道の厳しさ、そして人の死というテーマが織り込まれています。読後には、温かい涙と笑顔がこぼれることでしょう。
師匠と弟子の関係って、なんかいいよね。破天荒だけど、愛情がたっぷりなんだもん。
「恋は世界で一番美しい病気だ!」と断言する中島らもが、恋愛をテーマに綴ったエッセイ&ショートショート集です。
ご老人の恋愛から、いやらしいパパになるための条件、結婚についてまで、古今東西のあらゆる愛の形を、らも独自の視点でユーモラスに、そして時に真面目に考察しています。 バカバカしい話に笑いながらも、恋愛や人間関係についての鋭い洞察にハッとさせられることも。読めばきっと、恋愛がしたくなる(かもしれない)一冊です。
らもさんの恋愛講座、面白すぎ!こんな風に恋愛を語れる大人になりたいなあって思っちゃった。
中島らも自身のバンド活動の経験を元に書かれた、音楽への愛に満ちた青春小説です。ヤク中や精神異常者など、社会からはみ出した人々が登場するのも、らも作品ならでは。
物語は、精神分裂病のギタリスト・ガド君をはじめとする個性的なメンバーたちが、バンド活動を通して心を通わせていく様を描きます。音楽が持つ力、そして世間になじめない人々への優しい眼差しが胸を打ちます。 作中に登場するオリジナル楽曲の歌詞も素晴らしく、読んでいると実際に音が聞こえてくるような感覚に陥ります。
音楽って、言葉を超えて人と人を繋ぐ力があるんだね。なんだか、わたしもバンドやりたくなっちゃった!
中島らもが亡くなる直前まで執筆していた作品を含む、最後の短編集です。 単行本未収録だった幻の3作品も収録されています。
表題作『君はフィクション』は、中年小説家と、彼が出会う双子の姉妹との奇妙な三角関係を描いた物語。 ほかにも、ホラー、SF、私小説風の作品まで、多彩なジャンルの短編が収められており、作家・中島らもの引き出しの多さを改めて感じさせられます。 軽快な文章でサクッと読めますが、どの作品も不思議な読後感を残す粒ぞろいです。
最後の作品集だと思うと、なんだか感慨深いな…。どの話も「らもさんらしさ」が詰まってるよ。
老人たちが超人的な能力を身につけて大活躍する、奇想天外な連作短編集です。
主人公は、ブラジルの格闘技・カポエラをマスターしたおじいさん。彼をはじめ、驚異的な身体能力を持つ老人たちが、悪徳業者や地上げ屋を相手に大暴れします。荒唐無稽な設定と、痛快なストーリー展開が魅力のエンターテインメント作品です。老人パワーが炸裂する様に、元気と笑いをもらえます。
おじいちゃんたちが、めちゃくちゃ強くてカッコいい!こんなお年寄りになりたいな!
ある家族の崩壊と再生を、幻想的な筆致で描いた長編小説です。
主人公の少年は、アルコールに溺れる父親と、新興宗教にのめり込む母親のもとで、孤独な日々を送っています。そんな彼の心の支えは、不思議な能力を持つ妹の存在でした。過酷な現実と、美しくもはかない幻想の世界が交錯する物語は、読む者の心を静かに揺さぶります。家族とは何か、救いとは何かを問いかける、切なくも美しい作品です。
家族の問題って、すごくデリケートだよね…。幻想的な世界観が、逆に現実の切なさを際立たせてる感じがしたよ。
中島らもの急逝により未完となった、幻の長編小説です。 絶筆でありながら、その圧倒的な熱量と文章の力は、多くの読者を惹きつけてやみません。
物語は、文章を書くこと、そして人に何かを伝えることの本質をテーマにしています。 「一番大事なのはその書き手にどうしても人に伝えたい事実、考え、想いが有るかどうかってことなんだ」という作中の言葉は、物書きに限らず、すべての表現者、そして読者の胸に突き刺さります。 未完であることが、かえってこの作品の伝説性を高めていると言えるかもしれません。
未完だからこそ、想像力が掻き立てられるね。らもさんが本当に伝えたかったことは何だったんだろうって、ずっと考えちゃうよ。
中島らものおすすめ小説ランキング、いかがでしたでしょうか。彼の作品は、アルコールやドラッグ、精神の病といった重いテーマを扱いながらも、決して湿っぽくなることなく、常にユーモアと人間への愛に満ちています。
今回ご紹介した作品以外にも、中島らもには魅力的な小説やエッセイが数多く存在します。このランキングをきっかけに、ぜひ唯一無二の「らもワールド」に足を踏み入れてみてください。きっと、あなたの価値観を揺さぶるような、強烈な読書体験が待っているはずです。