【2025年最新】眠気が覚める小説おすすめランキングTOP30

はじめに：読書中の眠気、あきらめていませんか？

「面白い本のはずなのに、ページをめくるたびにまぶたが重くなる…」「読書を楽しみたいのに、いつの間にか寝落ちしてしまう…」そんな経験はありませんか？

読書好きにとって、眠気は永遠のテーマかもしれません。しかし、その原因と対策を知れば、もっと快適に読書を楽しむことができるんです。この記事では、読書中に眠くなるメカニズムから、今日からできる簡単な眠気対策、そして眠気も吹き飛ぶほど夢中になれる小説まで、詳しくご紹介します。

なぜ本を読むと眠くなるの？考えられる5つの原因

読書中に眠くなるのには、ちゃんとした理由があります。決して、あなたの読書への情熱が足りないわけではありません。多くの人が経験するこの現象には、脳の働きや身体のメカニズムが深く関わっています。

ここでは、考えられる主な5つの原因を解説します。自分はどのタイプに当てはまるか、チェックしながら読み進めてみてくださいね。

原因1：脳が疲れて休息を求めているサイン

読書は、文字情報を理解し、情景を想像し、登場人物の感情を追体験するなど、私たちが思う以上に脳を活発に使う活動です。特に、普段使わない思考回路を刺激するような難しい内容の本や専門書を読むと、脳は多くのエネルギーを消費します。

脳が活動すると「アデノシン」という物質がたまり、これが一定量を超えると、脳は「疲れたから休みなさい」という指令を出します。この脳の休息モードへの切り替えが、眠気となって現れるのです。つまり、読書中の眠気は、あなたの脳が一生懸命働いている証拠ともいえるでしょう。

原因2：内容が難解・興味が持てず退屈している

自分の知識レベルに合わない難解な本や、そもそも興味を持てないジャンルの本を読んでいると、脳への刺激が少なくなり退屈を感じてしまいます。人間の脳は、単調な作業や退屈な状況に置かれると、覚醒レベルが低下しやすくなる性質があります。

内容が頭に入ってこないと、文字を目で追うだけの単純作業になりがちです。こうした状態は、脳を活性化させるどころか、むしろリラックスさせてしまい、結果として眠気を引き起こしてしまうのです。

原因3：リラックスしすぎて体が「おやすみモード」に

静かな部屋のソファやベッドで、ゆったりと本を読む時間は至福のひとときですよね。しかし、このリラックス状態こそが、眠気を誘う大きな原因になることがあります。読書には心拍数を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があることが知られています。

体がリラックスすると、休息を司る「副交感神経」が優位になります。さらに、脳がリラックスすると「βエンドルフィン」という心地よさをもたらす物質が分泌されることも。こうした体の反応が重なることで、心身ともにすっかり「おやすみモード」に入ってしまい、眠りに誘われるのです。

原因4：姿勢の悪さや薄暗い環境が眠りを誘う

読書をする時の環境も、眠気に大きく影響します。例えば、ベッドに寝転がったり、ソファに深く沈み込んだりするような楽な姿勢は、体をリラックスさせすぎて眠気を誘います。また、悪い姿勢は血流を滞らせ、脳への酸素供給を妨げるため、集中力の低下や眠気の原因になることもあります。

さらに、薄暗い照明の下での読書も要注意です。暗い環境は、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を活発にしてしまいます。目が疲れやすくなることで、脳が休息を求めて眠くなるという側面もあります。

原因5：そもそも睡眠不足や生活リズムが乱れている

読書中の眠気の背景に、日頃の生活習慣が隠れているケースも少なくありません。慢性的な睡眠不足や疲れが溜まっている状態では、体は常に休息を求めています。そんな時に読書を始めると、脳がリラックスモードに入りやすく、溜まっていた睡眠欲求が一気に表面化することがあります。

また、不規則な生活で体内リズムが乱れていると、日中の覚醒レベルが低くなりがちです。そのため、読書のような静かで集中力を要する活動が、眠気への引き金になってしまうのです。思い当たる節がある方は、まず生活習慣を見直すことが根本的な解決策になるかもしれません。

もう眠気に負けない！今日からできる読書中の眠気対策7選

読書中に眠くなる原因がわかったところで、いよいよ具体的な対策を見ていきましょう。特別な道具は必要なく、少しの工夫で読書環境は劇的に改善できます。

「自分にできそうだな」と思うものから、ぜひ試してみてください。これから紹介する7つの対策を実践すれば、あなたを悩ませていた眠気を撃退し、物語の世界にどっぷりと没入できるはずです。

対策1：背筋を伸ばして「座って」読む

まず見直したいのが読書中の姿勢です。ベッドやソファで寝転がって読むのは気持ちいいですが、体がリラックスしすぎて眠気を誘発します。眠気に勝ちたいなら、机に向かい、椅子に座って背筋を伸ばして読むのが基本です。

正しい姿勢を保つことで、血流が良くなり、脳に十分な酸素が供給されます。これにより、体は「今は活動する時間だ」と認識し、覚醒状態を維持しやすくなります。カフェや図書館など、少し緊張感のある場所で読むのも気分が変わっておすすめです。

対策2：デスクライトなどで十分な明るさを確保する

部屋の照明が薄暗いと、体は夜だと勘違いして睡眠モードに入りやすくなります。読書をする際は、部屋全体の照明に加えて、手元をしっかり照らすデスクライトなどを活用し、十分な明るさを確保しましょう。

明るい光には、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑え、脳を覚醒させる効果があります。目の疲れを軽減する効果も期待できるため、長時間の読書でも集中力が持続しやすくなりますよ。

対策3：時間を区切ってこまめに休憩を挟む

人間の集中力が続く時間には限界があります。研究によっては15分から50分程度とも言われています。長時間ぶっ通しで読もうとすると、脳が疲れてしまい、かえって効率が落ちてしまいます。

そこでおすすめなのが、「25分読んだら5分休憩する」といったように、時間を区切る方法です。タイマーをセットして、休憩時間になったら一度本から離れ、ストレッチをしたり、窓の外を眺めたりしてリフレッシュしましょう。このメリハリが、集中力を維持する秘訣です。

対策4：気になった部分をメモしながら能動的に読む

ただ目で文字を追うだけの「受け身」の読書は、単調で眠気を誘いやすいです。そこで、手を動かしながら「能動的」に読む工夫を取り入れてみましょう。例えば、心に残ったフレーズを書き出したり、登場人物の関係性を図にまとめたり、自分の考えをメモしたりするのです。

手を動かすことで脳が刺激され、覚醒状態を保ちやすくなります。また、内容をより深く理解しようと意識が働くため、退屈を感じにくくなり、自然と物語に没入できます。読書ノートを作るのも楽しいですよ。

対策5：ガムを噛んだり冷たい飲み物を飲んだりする

どうしても眠気が襲ってきた時には、物理的な刺激を与えるのも効果的です。ガムを噛むという行為は、眠気を覚ます効果があると言われています。

また、冷たい飲み物で口の中をスッキリさせたり、カフェインを含むコーヒーやお茶を飲んだりするのも良いでしょう。ただし、カフェインの摂り過ぎは体に負担をかけることもあるので、適量を心がけてくださいね。

対策6：朝や日中の頭が冴えている時間帯に読む

読書をする時間帯を工夫するのも、有効な眠気対策の一つです。一般的に、脳が最も活発に働くのは午前中だと言われています。夜に読むと眠くなってしまうという人は、朝起きてからの30分や、通勤・通学の時間など、頭がスッキリしている時間帯に読書タイムを設けてみてはいかがでしょうか。

また、食後は血糖値の変動で眠くなりやすい時間帯です。食後すぐの読書は避け、少し時間を置いてから始めるのがおすすめです。自分の生活リズムに合わせて、最も集中できるゴールデンタイムを見つけてみましょう。

対策7：まずは十分な睡眠を確保する

様々な対策を紹介してきましたが、最も根本的で重要なのが、日頃から十分な睡眠をとることです。慢性的な睡眠不足の状態では、どんな対策をしても眠気に勝つのは難しいでしょう。

まずは自分の生活を見直し、質の良い睡眠を確保することを最優先に考えてみてください。心身ともに健康な状態であってこそ、読書を心から楽しむことができます。どうしても眠い時は、無理せず仮眠をとるのも一つの手です。

【小説ヨミタイ厳選】眠気も吹き飛ぶ！夢中で読める小説おすすめランキングTOP30

眠気の原因と対策がわかったら、いよいよ本番です！ここでは「小説ヨミタイ」編集部が、眠気なんて忘れるほど夢中になれる小説を30作品厳選しました。

巧みな伏線、息をのむ展開、衝撃のラスト…。一度読み始めたら、ページをめくる手が止まらなくなること間違いなしの傑作ばかりです。ミステリー、SF、青春小説など、様々なジャンルから選びましたので、きっとあなたの「読みたい一冊」が見つかるはずです。

1位『容疑者Xの献身』東野圭吾

天才物理学者・湯川学が挑む事件の中でも、特に傑作と名高いのが本作。元妻を殺してしまった女性を救うため、隣人の天才数学者・石神が立てた「完璧なアリバイ」。その裏に隠された、あまりにも切なく、そして純粋な愛の形に、誰もが心を揺さぶられます。

ミステリーとしての完成度の高さはもちろん、究極の愛とは何かを問いかける物語に、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。ラスト一行で明かされる真実に、あなたはきっと涙します。

2位『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティー

「ミステリーの女王」アガサ・クリスティーの代表作にして、世界で最も有名なクローズド・サークルミステリーの一つ。孤島に集められた10人の男女が、童謡の歌詞になぞらえて一人、また一人と殺されていきます。誰が犯人なのか、どうやって殺したのか、全ての謎が解き明かされた時の衝撃は計り知れません。

疑心暗鬼にかられ、極限状態に追い込まれていく登場人物たちの心理描写は圧巻。息詰まるような緊張感と恐怖で、眠気を感じる暇などないはずです。

3位『白夜行』東野圭吾

幼い頃に起きたある殺人事件をきっかけに、全く別の人生を歩むことになった少年と少女。二人の周りでは、不可解な事件が次々と起こります。物語は、刑事の視点から19年間にわたる彼らの軌跡を追っていきますが、二人の関係性が直接描かれることはありません。

散りばめられた謎と、行間から滲み出る二人の歪んだ絆。その異様な関係性に引き込まれ、分厚いページ数も気にならないほど没頭してしまうでしょう。読み終えた後に残る、言いようのない虚無感と切なさは、まさに唯一無二の読書体験です。

4位『新世界より』貴志祐介

1000年後の日本を舞台にした壮大なSF巨編。人々が「呪力」と呼ばれる超能力を手にし、平和に暮らしているかのように見える管理社会。しかし、その裏には恐るべき秘密が隠されていました。主人公たちが、禁断の歴史に触れてしまったことから、物語は大きく動き出します。

作り込まれた世界観と、人類の業や進化を問う深いテーマ。謎が謎を呼ぶ展開に、ページをめくる手が止まらなくなります。特に、物語の根幹を揺るがす終盤のどんでん返しは、読書史に残る衝撃と言っても過言ではありません。

5位『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎

首相暗殺の濡れ衣を着せられた、ごく普通の青年・青柳。巨大な権力によって仕組まれた巨大な陰謀から、彼はひたすら逃げ続けます。絶望的な状況の中、彼を助けるのはかつての仲間や、見ず知らずの他人とのささやかな繋がりでした。

スリリングな逃亡劇としての面白さはもちろん、随所に散りばめられた伏線と、それらが繋がっていく爽快感は伊坂作品ならでは。人間の善意や信頼を信じさせてくれるラストに、胸が熱くなること間違いなしです。

6位『カササギ殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ

ミステリー好きなら絶対に読むべき、驚愕の仕掛けが施された傑作。物語は、ある編集者が人気ミステリー作家の遺作の原稿を読むところから始まります。しかし、その原稿には結末がありませんでした。そして、原稿の中に隠された謎が、現実の世界の事件とリンクしていくのです。

作中作のクラシカルなミステリーと、現代を舞台にした謎解きが交錯する二重構造。この巧みな構成に、あなたもきっと騙されるはず。ミステリー小説というジャンルそのものへの愛に満ちた一冊です。

7位『火車』宮部みゆき

休職中の刑事が、遠縁の青年から依頼され、失踪した彼の婚約者を探す物語。彼女の足跡を追ううちに見えてきたのは、カード破産という現代社会の闇でした。彼女は一体誰なのか？なぜ姿を消さなければならなかったのか？謎が深まるにつれて、読者は物語にぐいぐいと引き込まれていきます。

緻密な取材に基づいて描かれる社会派ミステリーとしての完成度は圧巻。人間の弱さと強さ、そして社会の非情さを描き切った、宮部みゆきの代表作です。

8位『1984年』ジョージ・オーウェル

「ビッグ・ブラザー」率いる党が全てを支配する超管理社会を描いた、ディストピア小説の金字塔。思想や歴史は党によって統制され、人々は常にテレスクリーンで監視されています。そんな世界で、歴史の改竄を行う役人である主人公が、体制に疑問を抱き始めることから物語は始まります。

現代社会にも通じる監視社会の恐怖と、全体主義の危険性を鋭く描いた本作は、発表から70年以上経った今も色褪せません。息苦しいほどのリアリティに、眠気も忘れて読みふけってしまうでしょう。

9位『イニシエーション・ラブ』乾くるみ

80年代の甘酸っぱい恋愛模様を描いた、一見すると普通の青春小説。合コンで出会った男女のぎこちない恋愛が、瑞々しい筆致で綴られていきます。しかし、この物語には巧妙な罠が仕掛けられています。

読み進めるうちに感じる、かすかな違和感。そして、ラスト2行で全ての景色が反転する衝撃は、まさに伝説的。あなたは必ず、もう一度最初から読み返したくなります。この快感を味わうためなら、眠くなんてなれません。

10位『君の膵臓をたべたい』住野よる

衝撃的なタイトルとは裏腹に、瑞々しくも切ない青春が描かれた感動作。クラスの人気者で、膵臓の病により余命いくばくもない少女・桜良と、本好きで孤立している「僕」。偶然、彼女の秘密を知ってしまった「僕」が、彼女と過ごす残された時間の中で、少しずつ変わっていきます。

一日一日の大切さ、人と関わることの素晴らしさを教えてくれる物語。二人の関係性の変化から目が離せなくなり、一気に読み終えてしまうでしょう。涙なしには読めないラストが、あなたの心を温かく包み込みます。

11位『重力ピエロ』伊坂幸太郎

仙台で起こる連続放火事件と、現場に残される謎のグラフィティアート。遺伝子研究をする兄・泉水と、自分がピカソの生まれ変わりだと信じる弟・春は、この事件の謎を追い始めます。やがて、その謎は自分たちの家族の過去に隠された、ある哀しい真実へと繋がっていきます。

軽快な会話とユーモアの中に、重いテーマが巧みに織り込まれた伊坂幸太郎の真骨頂。散りばめられた伏線が一つに収束していく様は見事としか言いようがありません。「春が二階から落ちてきた」という有名な一文に象徴される、家族の愛の形に胸を打たれます。

12位『十角館の殺人』綾辻行人

日本のミステリー史に「新本格」というジャンルを確立させた記念碑的作品。大学のミステリ研究会に所属する7人が、半年前に凄惨な事件が起きた角島（つのじま）の「十角館」を訪れます。やがて、彼らのもとに届く犯行予告。そして、予告通りに一人、また一人と殺されていきます。

外界から隔絶された館、奇妙な登場人物たち、そして論理的な謎解き。本格ミステリーの魅力が凝縮された一冊です。そして、ラスト一行で全てがひっくり返る衝撃は、今なお語り継がれる伝説。このカタルシスを味わえば、眠気も吹き飛ぶことでしょう。

13位『かがみの孤城』辻村深月

学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。ある日、自室の鏡が光り出し、吸い込まれるように中へ入ると、そこには城と見ず知らずの6人の中学生がいました。彼らは「オオカミさま」に、願いを叶える鍵を探すよう命じられます。

なぜこの7人が集められたのか？城に隠された秘密とは？ミステリータッチで進む物語に、ページをめくる手が止まりません。思春期の揺れ動く心情を繊細に描き、バラバラだった7人が少しずつ心を通わせていく姿に、温かい感動が広がります。

14位『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

夏休み前、友達のS君が首を吊って死んだ。しかし、彼の死体は忽然と消えてしまう。主人公のミチオの前に現れたのは、S君の生まれ変わりだと名乗る一匹の蜘蛛だった。ミチオは、蜘蛛になったS君と共に、事件の真相を探し始めます。

不気味でグロテスク、それでいてどこか物悲しい独特の世界観。予測不能な展開と、張り巡らされた伏線の数々に、読者は混乱しながらも引き込まれていきます。そして、最後に待ち受ける衝撃の結末は、あなたの価値観を根底から揺さぶるかもしれません。

15位『チャイルド44』トム・ロブ・スミス

スターリン体制下のソビエト連邦が舞台。「楽園」とされる国家では、殺人は起こらないことになっていました。しかし、理想とは裏腹に、子供たちが惨殺される連続殺人事件が発生します。国家保安省の捜査官レオは、国家の矛盾に苦しみながらも、見えない犯人を追います。

実在の事件をモデルにした、重厚でスリリングなミステリー。息苦しいほどの社会情勢と、次々と襲いかかる困難の中で、信念を貫こうとする主人公の姿から目が離せません。圧倒的なリーダビリティで、上下巻の長さを感じさせない傑作です。

16位『告白』湊かなえ

「愛美は事故で死んだのではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」中学校の終業式、女性教師が語り始めた衝撃的な告白。娘を殺された彼女の、静かで冷徹な復讐劇が幕を開けます。事件に関わった人物たちの視点が次々と入れ替わり、一つの事件が多角的に語られていく構成は見事です。

人間の悪意や身勝手さをえぐり出すような物語に、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。後味の悪さから「イヤミス」というジャンルを確立させた、湊かなえの鮮烈なデビュー作です。

17位『旅のラゴス』筒井康隆

人々が場所から場所へと「移動」する世界。主人公ラゴスは、特殊な能力を学ぶため、そして自身のルーツを知るために、広大な世界を旅します。様々な文化や人々との出会いと別れを繰り返しながら、彼の長い旅は続いていきます。

SF的な設定でありながら、描かれるのは普遍的な人生の物語。淡々とした筆致で綴られるラゴスの旅路は、不思議な魅力に満ちています。壮大な時間と空間の流れを感じながら、読後には爽やかな感動が残る一冊。物語の世界に浸りたい夜にぴったりです。

18位『夜のピクニック』恩田陸

高校生活最後のイベント「歩行祭」。それは、全校生徒が夜を徹して80kmを歩き通すという、少し変わった伝統行事です。生徒たちは、友人との会話や、自らとの対話の中で、それぞれが抱える想いや悩みに向き合っていきます。

大きな事件が起こるわけではありません。しかし、高校生たちの繊細な心の機微や、過ぎ去っていく時間への愛おしさが丁寧に描かれ、読者の心を掴んで離しません。青春時代のきらめきと切なさが詰まった、ノスタルジックな物語。一晩の出来事に、あなたもきっと夢中になるはずです。

19位『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午

自称「何でも屋」の主人公が、ある女性から浮気調査を依頼されたことから物語は始まります。一方で、彼はフィットネスクラブで出会った女性と恋に落ち、順調に関係を育んでいきます。全く関係ないように見える二つの話が、やがて思いもよらない形で繋がっていきます。

巧みな叙述トリックで読者を鮮やかに騙す、ミステリー史に残る傑作。全ての真相が明らかになった時、あなたは驚きのあまり声を上げるかもしれません。そして、タイトルの本当の意味を知った時、深い感動に包まれるでしょう。

20位『風の影』カルロス・ルイス・サフォン

舞台は内戦後のスペイン・バルセロナ。少年ダニエルは、父に連れられて「忘れられた本の墓場」を訪れ、そこで『風の影』という一冊の本と運命的な出会いを果たします。その本の著者について調べるうちに、ダニエルは歴史の闇に葬られた恐ろしい秘密に巻き込まれていきます。

文学、恋愛、歴史、ミステリー、あらゆる要素が詰まった極上のエンターテインメント。謎が謎を呼ぶ展開と、魅力的な登場人物たちに、ページをめくる手が止まらなくなること必至です。本を愛する全ての人に読んでほしい、壮大な物語です。

21位『リバー』奥田英朗

閑静な住宅街で次々と起こる、小学生を狙った連続殺人事件。捜査は難航し、警察は焦りを募らせていきます。物語は、捜査にあたる刑事、被害者の家族、マスコミ、そして精神を病んだ容疑者など、事件に関わる様々な人々の視点から描かれます。

群像劇の手法で、事件を取り巻く人々の苦悩や葛藤を生々しく描き出した社会派ミステリー。犯人は誰なのかという謎解きだけでなく、人間の心の闇や社会の歪みに深く切り込んでいきます。息詰まるような緊張感に、眠気も忘れて読みふけってしまうでしょう。

22位『八日目の蝉』角田光代

父の愛人だった女に誘拐され、4年間育てられた恵理菜。事件後、本当の両親のもとに戻っても、彼女は心を閉ざしたままでした。大学生になった恵理菜は、自らと同じように数奇な運命を背負った女性と出会い、過去と向き合うことを決意します。

誘拐した女との逃亡生活と、事件後の恵理菜の葛藤が交互に描かれる構成。血の繋がりを超えた母性とは何か、幸せとは何かを問いかける、深く切ない物語です。二人の女性の生き様から目が離せなくなり、一気に読み終えてしまうでしょう。

23位『虐殺器官』伊藤計劃

テロの脅威が世界を覆う近未来。先進国では徹底的なセキュリティ管理でテロが根絶された一方、後進国では内戦や民族虐殺が激化していました。その裏には、虐殺を操る謎の男、ジョン・ポールの存在が。アメリカ軍の暗殺部隊に所属するシェパード大尉は、彼の追跡を命じられます。

「虐殺を引き起こす文法」とは一体何なのか。言語や意識、人間の本質に迫る、思弁的でハードなSFアクション。圧倒的な情報量と疾走感あふれる戦闘描写に、脳が痺れるような興奮を覚えるはずです。

24位『理由』宮部みゆき

超高層マンションで起きた、一家4人の惨殺事件。しかし、殺されたのは、そこに住んでいるはずの家族ではありませんでした。彼らは一体誰なのか？なぜ、この場所で死ななければならなかったのか？物語は、事件に関わった数十人もの人々へのインタビュー形式で進んでいきます。

様々な人々の証言をつなぎ合わせることで、事件の輪郭が少しずつ浮かび上がってくる構成は見事。現代社会が抱える家族の問題や、住宅ローン問題などを背景に、人間の虚栄心や孤独が描き出されます。ドキュメンタリーのような臨場感に、引き込まれること間違いなしです。

25位『サラバ！』西加奈子

イランで生まれ、エジプト、そして日本と、様々な場所を転々としながら成長していく少年・圷歩（あくつあゆむ）の30年以上にわたる物語。個性的な家族や、各地で出会う人々との交流を通して、彼は自分だけの「信じるもの」を見つけていきます。

国や文化、宗教の違いを乗り越えていく歩の姿を、力強く、そしてユーモアたっぷりに描いた大河小説。生命力あふれる物語に、笑って、泣いて、最後には大きな元気をもらえます。上下巻の長さを感じさせない、パワフルな一冊です。

26位『傲慢と善良』辻村深月

婚約者が、忽然と姿を消した。彼女の行方を追ううちに、主人公の架は、今まで知らなかった彼女の過去や本性、そして自分自身の「傲慢さ」に気づいていきます。恋愛や婚活における、現代人の自意識や無意識の差別意識を鋭くえぐり出した傑作です。

「自分は善良な人間だ」と思っている人ほど、胸に突き刺さる言葉の数々。登場人物たちの痛々しいほどのリアルな心理描写に、ページをめくる手が止まらなくなります。恋愛小説でありながら、極上のミステリーでもあります。

27位『ボッコちゃん』星新一

「ショートショートの神様」星新一の作品が50編収録された傑作選。数ページで完結する短い物語の中に、ブラックユーモアや、未来社会への鋭い風刺、そしてあっと驚く結末が凝縮されています。どの話から読んでも楽しめるので、読書が苦手な人にもおすすめです。

少し不思議で、少し怖い。そんな独特の世界観に引き込まれ、次へ次へと読み進めたくなるはず。短い時間で刺激的な読書体験ができるので、眠気を感じる前に一編読み終えてしまうでしょう。

28位『図書館戦争』有川浩

あらゆるメディアへの不当な検閲が横行する近未来の日本。そんな時代に、本を読む自由を守るため、武力も行使する組織「図書隊」が存在した。高校時代に出会った図書隊員に憧れて入隊した主人公・笠原郁の、恋と成長を描く物語です。

「本を守るための戦争」という奇想天外な設定と、個性豊かなキャラクターたちが織りなす人間ドラマが魅力。アクションあり、笑いあり、そして胸キュンのラブコメありと、エンタメ要素が満載で、飽きる暇がありません。

29位『本心』平野啓一郎

舞台は、亡くなった人をリアルなAIとして再生できるようになった近未来。主人公の朔也は、ある日突然亡くなった母の「自由死」の真相を知るため、母をバーチャル・フィギュア（VF）として再生させます。しかし、VFの母と対話する中で、彼は今まで知らなかった母の「本心」に触れていくことになります。

AI技術が発達した社会における人間の幸福や死生観を問う、深く思索的な物語。ミステリーとしても秀逸で、母の死の真相を追ううちに、読者は物語にぐいぐいと引き込まれていきます。近未来のリアルな描写に、眠気も忘れて没頭してしまうでしょう。

30位『スロウハイツの神様』辻村深月

若きクリエイターたちが共同生活を送るアパート「スロウハイツ」。人気脚本家の赤羽環、漫画家、画家など、才能あふれる住人たちが、互いに刺激し合いながら夢を追いかけています。物語は、彼らの日常と、10年前に起きたある事件の謎を軸に展開していきます。

夢を追うことの輝きと、才能をめぐる嫉妬や焦り。クリエイターたちのリアルな葛藤が、胸に迫ります。散りばめられた伏線が、ラストに向かって一気に収束していく様は圧巻。読み終えた後、温かい感動と、明日への活力が湧いてくるような一冊です。

眠くなるのは悪いことだけじゃない？読書と睡眠のいい関係

ここまで読書中の眠気対策について解説してきましたが、視点を変えれば、読書による眠気は「質の良い睡眠」の味方にもなってくれます。

集中して本を読みたい時と、リラックスして眠りにつきたい時。目的によって読書との付き合い方を変えることで、あなたの生活はもっと豊かになるかもしれません。ここでは、読書を睡眠に活かす方法をご紹介します。

就寝前の読書はリラックス効果があり、入眠儀式に最適

イギリスのある大学の研究では、わずか6分間の読書でストレスが68%も軽減されるという結果が出ています。これは、音楽鑑賞や散歩よりも高い効果です。読書をすることで心拍数が落ち着き、筋肉の緊張がほぐれ、心身ともにリラックスした状態になります。

このリラックス効果を活かし、就寝前に本を読むことを毎日の習慣にする「入眠儀式」を取り入れるのがおすすめです。毎日同じ行動を繰り返すことで、脳が「これから寝る時間だ」と認識し、スムーズな入眠をサポートしてくれます。

スマホの代わりに本を読むことで睡眠の質が向上

就寝前にスマートフォンやタブレットを見ていませんか？これらの電子機器が発するブルーライトは、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりと、睡眠の質を低下させる原因になります。

そこで、寝る前のスマホ時間を読書に変えることを強くおすすめします。紙の本であればブルーライトの心配はありません。穏やかな気持ちで物語の世界に浸ることで、脳を興奮させる情報から遠ざけ、自然で深い眠りへと導いてくれるでしょう。

まとめ：原因と対策を知って、自分に合った読書スタイルを見つけよう

この記事では、読書中に眠くなる原因から、具体的な対策、そして眠気が吹き飛ぶおすすめの小説まで幅広くご紹介しました。

読書中の眠気は、脳の疲れやリラックス効果、環境、生活習慣など、様々な要因が絡み合って起こります。姿勢や読む時間帯を少し工夫するだけで、読書体験は大きく改善されるはずです。また、時には読書を「入眠儀式」として活用し、睡眠の質を高めるのも素敵な付き合い方です。

今回ご紹介した対策や小説を参考に、ぜひあなたに合った読書スタイルを見つけて、最高の読書ライフを送ってくださいね。