【2025年最新】猫小説のおすすめランキングTOP30

猫が紡ぐ物語の世界へ！心に残るおすすめ猫小説との出会い

自由気ままで、時に甘えん坊、そしてミステリアスな魅力を持つ猫。そんな猫たちが登場する小説は、私たちを日常から少し離れた特別な世界へと連れて行ってくれます。猫の視点から人間社会を風刺的に描いたもの、猫と人との心温まる絆を描いた物語、猫が不思議な事件を解決するミステリーなど、そのジャンルは多岐にわたります。

猫小説の魅力は、なんといっても猫たちの生き生きとした描写にあります。彼らの何気ない仕草や行動が、物語に深い奥行きと温かみを与えてくれるのです。この記事では、あなたにとって忘れられない一冊となるような、心に残る猫小説をランキング形式でご紹介します。さあ、猫が紡ぐ物語の世界へ、一緒に旅立ちましょう。

【2025年最新】猫小説のおすすめランキングTOP30

お待たせいたしました！ここからは、小説専門メディア『小説ヨミタイ』が厳選した、猫小説のおすすめランキングTOP30を発表します。

誰もが知る不朽の名作から、最近話題の心温まる物語、ちょっぴり不思議なファンタジーまで、個性豊かな作品が勢揃いしました。あなたのお気に入りの一冊がきっと見つかるはずです。それでは、早速見ていきましょう！

1位『吾輩は猫である』夏目漱石

記念すべき第1位は、日本近代文学の金字塔、夏目漱石の『吾輩は猫である』です。 「吾輩は猫である。名前はまだない。」というあまりにも有名な一文で始まるこの作品は、1905年に発表されて以来、多くの読者に愛され続けています。

物語は、中学校の英語教師である珍野苦沙弥（ちんのくしゃみ）の家に住み着いた一匹のオス猫の視点で語られます。 この名もなき「吾輩」が、飼い主の苦沙弥や、彼の家に集まる風変わりな友人たちの日常を、冷静かつユーモアと皮肉たっぷりに観察していく様子が描かれます。 猫の目を通して見る人間社会の矛盾や滑稽さが浮き彫りにされ、読者は思わずクスリとさせられることでしょう。 物語の最後、ビールを飲んで水甕に落ちてしまうという吾輩のあっけない最期は、物語全体に深い余韻を残します。

2位『旅猫リポート』有川浩

第2位は、心温まるストーリーで多くの読者の涙を誘った有川浩の『旅猫リポート』です。 この物語は、元野良猫のナナが、ある事情から飼い主のサトルと一緒に新しい飼い主を探す旅に出るところから始まります。

銀色のワゴンに乗って日本の各地を巡りながら、サトルの小学校から大学までの友人たちを訪ねていくロードノベルです。 物語の大きな特徴は、賢い猫「ナナ」の視点とサトルの視点が織り交ぜられて語られる点です。 ナナの目を通して語られるサトルの優しさや、旅の途中で出会う人々の温かさが、物語に深い感動を与えます。なぜサトルはナナを手放さなければならないのか、その秘密が明らかになる時、読者はきっと涙を禁じ得ないでしょう。

3位『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤洋

第3位には、世代を超えて愛される児童文学の名作、斉藤洋の『ルドルフとイッパイアッテナ』がランクインしました。 1987年に刊行されたこの物語は、ひょんなことから岐阜の飼い主のもとを離れ、長距離トラックで東京まで来てしまった黒猫ルドルフの冒険と成長を描いています。

見知らぬ土地で途方に暮れるルドルフが出会ったのは、多くの名前を持つ教養豊かな野良猫のボス、「イッパイアッテナ」でした。 イッパイアッテナから野良猫として生きる術や、文字の読み書きといった「教養」の大切さを学んでいくルドルフ。 困難に立ち向かう中で育まれる友情や思いやりが、温かく描かれています。子どもはもちろん、大人が読んでも多くの発見がある、奥深い物語です。

4位『100万回生きたねこ』佐野洋子

第4位は、1977年の出版以来、世代を超えて読み継がれる佐野洋子の絵本『100万回生きたねこ』です。 物語の主人公は、100万回死んで100万回生き返った、とらねこ。 王様や船乗り、手品つかいなど、様々な飼い主のもとで生きますが、彼は自分のことしか好きではありませんでした。

そんな彼が、誰の猫でもない野良猫として生きていたある日、一匹の美しい白猫に出会います。 彼は初めて自分以外の存在を愛し、家族を持つことの喜びを知ります。そして、愛する者を失う悲しみを経験したとき、彼は二度と生き返ることはありませんでした。 シンプルながらも「生きること」「愛すること」という深いテーマを描いたこの作品は、読むたびに新たな感動を与えてくれるでしょう。

5位『ブランケット・キャッツ』重松清

第5位は、家族の温かさと再生を描く名手、重松清による『ブランケット・キャッツ』です。この物語は、新しい飼い主を探している猫たちと、それぞれの事情を抱えた人々との出会いを描いた連作短編集です。

主人公は、亡き妻が残した7匹の猫たちのために、新しい飼い主を探す中年男性、椎名秀亮。彼は、お気に入りのブランケットと一緒に2泊3日で猫を貸し出すという、少し変わった方法で猫たちの幸せな未来を探します。猫を介して浮き彫りになる人間の孤独や家族の問題、そして再生への希望が、重松清ならではの温かい筆致で描かれています。猫が人と人とを繋ぐ、心温まる物語です。

6位『世界から猫が消えたなら』川村元気

第6位は、映画プロデューサーとしても知られる川村元気の小説『世界から猫が消えたなら』です。 この物語は、脳腫瘍で余命わずかと宣告された30歳の郵便配達員の「僕」の前に、自分とそっくりな悪魔が現れるところから始まります。

悪魔は「この世界から何か一つを消す代わりに、一日の命を延ばす」という取引を持ちかけます。 電話、映画、時計…と、僕の思い出に深く関わるものが次々と消えていく中で、彼は失って初めてその大切さに気づいていきます。そして最後に悪魔が提案したのは「猫を消すこと」でした。 愛猫キャベツとの思い出を失うことと、自らの命。究極の選択を迫られた僕が下した決断とは。生きることの意味を問いかける、感動的な物語です。

7位『満月珈琲店の星詠み』望月麻衣

第7位には、美しいイラストと共に楽しめる、望月麻衣の『満月珈琲店の星詠み』がランクイン。この物語の舞台は、満月の夜にだけ現れる少し不思議な移動珈琲店「満月珈琲店」です。

訪れる客を温かく迎えるのは、マスターの猫と、星を読む力を持つ店員たち。彼らが提供するのは、極上のスイーツやドリンク、そして星占いに基づいた、人生にそっと寄り添うようなアドバイスです。悩みを抱えた人々が、満月珈琲店での出会いを通じて前向きな一歩を踏み出していく姿が、優しく描かれています。美しい描写と心温まるストーリーに癒されること間違いなしの一冊です。

8位『猫を処方いたします。』石田祥

第8位は、心に傷を負った人々に猫が寄り添う物語、石田祥の『猫を処方いたします。』です。舞台は、看板ものれんもない、少し変わったお店「猫のいる休憩所」。ここにやってくるのは、人間関係や仕事に疲れ、心に悩みを抱えた人々です。

そんな彼らに、店主はそれぞれにぴったりの猫を「処方」します。猫との触れ合いを通じて、訪れた人々が少しずつ心を癒し、自分自身を取り戻していく様子が丁寧に描かれています。猫が持つ不思議な癒やしの力を感じられる、優しさに満ちた物語。読めばきっと、温かい気持ちになれるはずです。

9位『ジェニィ』ポール・ギャリコ

第9位は、アメリカの作家ポール・ギャリコによる、猫好きのための大人の童話『ジェニィ』です。 物語は、猫になりたいと願っていた少年ピーターが、ある日突然、本当に猫になってしまうところから始まります。

猫の世界のルールも知らず、ロンドンの街に放り出されたピーターは、数々の困難に直面します。 そんな彼を助けてくれたのが、賢く心優しい雌猫のジェニィでした。 ジェニィから生きる術を学びながら、ピーターは一匹の猫として成長していきます。 二匹の猫が繰り広げる恋と冒険の旅は、読む人の心を温かく包み込んでくれるでしょう。 猫の描写が非常にリアルで、猫への深い愛情が感じられる作品です。

10位『海辺のカフカ』村上春樹

第10位は、世界的な人気を誇る村上春樹の長編小説『海辺のカフカ』です。この作品は猫が主役というわけではありませんが、物語の展開において猫が非常に重要な役割を果たします。

物語は、15歳の誕生日を機に家出する少年「田村カフカ」のパートと、猫と話すことができる不思議な老人「ナカタさん」のパートが、交互に進んでいきます。特にナカタさんのパートでは、猫探しの依頼をきっかけに、現実と非現実が入り混じる奇妙な事件に巻き込まれていきます。村上春樹ならではの謎めいた世界観の中で、猫たちが持つ神秘的な存在感が際立つ作品です。

11位『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』万城目学

第11位は、万城目学が描く、ちょっと不思議で心温まる物語『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』です。主人公は、小学一年生の女の子、かのこちゃん。彼女の相棒は、少し生意気だけど頼りになる、人間の言葉を話す猫のマドレーヌ夫人です。

物語は、かのこちゃんが日々の中で出会う小さな事件や不思議な出来事を、マドレーヌ夫人との会話を中心に描いていきます。子供の純粋な視点と、達観した猫の視点の掛け合いが絶妙で、思わず笑みがこぼれます。日常に潜む小さな奇跡を、ユーモアたっぷりに描き出した、優しくて楽しい一冊です。

12位『通い猫アルフィーの奇跡』レイチェル・ウェルズ

第12位は、イギリスの作家レイチェル・ウェルズによる、心温まる物語『通い猫アルフィーの奇跡』です。飼い主を亡くし、ひとりぼっちになってしまった猫のアルフィー。彼は、新しい家を見つけるため、ロンドンのとある通りに住む人々の「通い猫」になることを決意します。

アルフィーが訪れる家々は、それぞれに問題を抱えています。孤独な老人、人間関係に悩むシングルマザー、心を閉ざした若者など。アルフィーは、彼らの心にそっと寄り添い、その温かい存在で人々の心を癒していきます。猫がもたらす小さな奇跡が、人々の人生を少しずつ変えていく様子が感動的に描かれています。

13位『銀の猫』朝井まかて

第13位は、時代小説の名手、朝井まかてが江戸の町を舞台に描く『銀の猫』です。主人公は、腕利きの銀簪（ぎんかんざし）職人である卯之松。彼は、ひょんなことから美しい銀の毛並みを持つ猫「玉」を飼うことになります。

江戸の長屋を舞台に、職人である卯之松の日常と、彼を取り巻く人々との交流が、粋でいなせな江戸言葉と共に生き生きと描かれます。玉の存在が、不器用ながらも心優しい卯之松の人生に、温かい光を灯していく様子が印象的です。人情味あふれる江戸の町で繰り広げられる、人と猫の絆の物語です。

14位『猫の客』平出隆

第14位は、詩人としても知られる平出隆の『猫の客』です。 この作品は、ある夫婦の家にふらりと現れるようになった一匹の猫との、静かで濃密な日々を描いています。

隣家の飼い猫でありながら、いつしか夫婦の家を訪れるようになった「客」である猫。 夫婦は猫を愛おしみながらも、あくまで客として接し、その絶妙な距離感を保ち続けます。 しかし、その穏やかな日々に別れは突然訪れます。 失われていくものへの愛惜と、生の軌跡を美しい文章で綴った、静謐で味わい深い一冊です。 海外でも翻訳され、世界で愛されている猫文学です。

15位『あたしの一生 猫のダルシーの物語』江國香織

第15位は、江國香織が猫の視点から描く、愛と生と死の物語『あたしの一生 猫のダルシーの物語』です。主人公は、猫のダルシー。「あたし」という一人称で語られるこの物語は、ダルシーが生まれてから死ぬまでの一生を、淡々と、しかし情感豊かに描き出します。

飼い主との穏やかな日々、恋、出産、そして訪れる老いと死。ダルシーの目を通して描かれる世界は、時に愛おしく、時に切ない。猫の一生を通じて、生きることの喜びや悲しみ、そして命の尊さを静かに問いかけます。江國香織ならではの繊細で美しい文章が心に響く、感動的な一冊です。

16位『三毛猫ホームズの推理』赤川次郎

第16位は、言わずと知れた国民的ミステリー、赤川次郎の『三毛猫ホームズ』シリーズの第一作『三毛猫ホームズの推理』です。女性恐怖症で高所恐怖症、おまけに幽霊も苦手という、なんとも頼りない刑事・片山義太郎が主人公です。

そんな彼が難事件に挑むとき、いつもそばで助けてくれるのが、人間の言葉を理解しているかのような天才的な三毛猫、ホームズです。ホームズの何気ない仕草が事件解決の重要なヒントとなり、片山を名推理へと導きます。ユーモアとサスペンスが絶妙に融合した、軽快で読みやすいミステリーの傑作です。

17位『猫の事務所』宮沢賢治

第17位は、宮沢賢治による童話『猫の事務所』です。 この物語は、猫の歴史と地理を調べる「猫の第六事務所」を舞台に、そこで働く猫たちの姿を通して、人間社会の不条理やいじめの問題を風刺的に描いています。

事務所で四番書記として働くかま猫は、かまどで寝る癖があるため体が煤で汚れており、他の書記猫たちからいじめられています。 最初はかま猫に優しかった事務長の黒猫も、やがて他の猫たちの讒言に惑わされ、かま猫に冷たく当たります。 そんなある日、突然現れた獅子によって事務所は解散を命じられてしまいます。 短い物語の中に、差別や偏見といった社会の縮図が描き出された、深く考えさせられる作品です。

18位『モノレールねこ』加納朋子

第18位は、心温まる物語で人気の作家、加納朋子による短編集の表題作『モノレールねこ』です。 主人公の「ぼく」は小学五年生。 家に時々やってくるデブで不細工な野良猫の首輪に、「このねこのなまえはなんですか？」と書いたメモを結びつけます。 数日後、そこには「モノレールねこ」という返事が書かれていました。

こうして始まった、猫を介した見えない相手「タカキ」との不思議な文通。 しかし、ある日猫が車に轢かれて死んでしまい、交流は途絶えてしまいます。 そして十数年後、社会人になった「ぼく」が配属先で出会った先輩は…。人と人との不思議な縁と絆を描いた、感動的な物語です。

19位『きりこについて』西加奈子

第19位は、独特の世界観で読者を魅了する西加奈子の『きりこについて』です。主人公のきりこは、とても太っていて、周りからは少し変わっていると思われている女の子。そんな彼女の一番の友達は、黒猫のラムセス2世です。

この物語は、きりことラムセス2世の目を通して、世界の美しさや醜さ、そして生きることの素晴らしさを力強く描き出します。コンプレックスを抱えながらも、自分を肯定し、力強く生きていくきりこの姿に、多くの読者が勇気づけられるでしょう。猫が、孤独な少女の最高の理解者として描かれている、感動的な作品です。

20位『駐車場のねこ』嶋津輝

第20位は、心温まるストーリーが魅力の嶋津輝による『駐車場のねこ』です。物語の舞台は、とある月極駐車場。そこに住み着いた一匹の三毛猫「ミケ」と、駐車場を利用する人々との交流を描いた連作短編集です。

仕事に悩むサラリーマン、恋に臆病な女性、夢を諦めかけた青年。それぞれが抱える悩みや孤独に、ミケの存在がそっと寄り添います。猫との何気ない触れ合いが、人々の心を少しずつ解きほぐし、明日への一歩を踏み出すきっかけを与えてくれる様子が、優しく描かれています。読んだ後、心がほっこりと温かくなる一冊です。

21位『猫が見ていた』アンソロジー

第21位は、豪華作家陣による猫をテーマにした短編を集めたアンソロジー『猫が見ていた』です。ミステリー、ファンタジー、時代小説など、様々なジャンルの物語が収録されており、一冊で色々な猫の物語を楽しむことができます。

猫が事件の真相を知る唯一の目撃者であったり、人と人との縁を結ぶキューピッドになったり、あるいは不思議な力で人を助けたりと、作品ごとに異なる猫の魅力が存分に味わえるのが最大の魅力です。お気に入りの作家の作品を読むのもよし、新しい作家との出会いを求めて読むのもよし。猫好きならずとも楽しめる、贅沢な一冊です。

22位『猫弁』大山淳子

第22位は、天才なのにどこか残念な弁護士が主人公の、大山淳子による『猫弁』シリーズです。主人公の百瀬太郎は、一度見たものは絶対に忘れないという驚異的な記憶力を持つ天才弁護士。しかし、その才能はなぜか儲からない仕事にばかり発揮され、事務所はいつも経営難です。

そんな彼の周りには、いつもたくさんの猫たちが集まってきます。百瀬は、猫が絡んだ少し変わった事件や、人々の心温まる問題を、その天才的な頭脳と人情味あふれる優しさで解決していきます。ユーモアとミステリー、そして感動が詰まった、心温まるリーガルドラマです。

23位『黒猫の小夜曲』知念実希人

第23位は、人気ミステリー作家、知念実希人による「死神」シリーズの第2弾『黒猫の小夜曲』です。 この物語の主人公は、死神でありながら、黒猫の「クロ」として地上に降り立ち、未練を残して亡くなった魂を救済する役目を担っています。

記憶喪失の魂、愛する妻を残した夫の魂、殺人犯を追いながら殉職した刑事の魂。 クロは、地縛霊となった彼らの未練を解消するために奮闘する中で、いくつかの死の背景に、ある製薬会社が関わっていることに気づきます。 人間の生と死、そして魂の救済という深いテーマを扱いながらも、ミステリーとしての面白さも兼ね備えた、感動のハートフル・ミステリーです。

24位『陽だまりの彼女』越谷オサム

第24位は、ファンタジックな設定が魅力の恋愛小説、越谷オサムの『陽だまりの彼女』です。主人公の奥田浩介は、仕事の取引先で、中学時代の同級生・渡来真緒と10年ぶりに再会します。かつていじめられっ子だった真緒は、信じられないほど素敵な女性になっていました。

二人は恋に落ち、やがて結婚しますが、真緒には誰にも言えない不思議な秘密がありました。この物語では猫が直接の主人公ではありませんが、物語の核心に迫る、非常に重要な役割を担っています。甘く切ないラブストーリーと、驚きのラストが待っている、記憶に残る一冊です。

25位『本を守ろうとする猫の話』夏川草介

第25位は、本と猫を愛するすべての人に贈る、夏川草介の『本を守ろうとする猫の話』です。祖父が遺した古書店で引きこもり気味の生活を送っていた高校生、夏木林太郎。彼の前に、突然人間の言葉を話すトラネコが現れます。

その猫は、本をないがしろにする人々から本を解放するため、林太郎に助けを求めます。こうして、気弱な高校生と口の悪いトラネコの、本を守るための冒険が始まります。本が持つ力や、人と本との関係性を改めて考えさせられる、心温まるファンタジーです。

26位『猫とメガネ』榎田ユウリ

第26位は、日常に潜む小さな謎と人間模様を描く、榎田ユウリの『猫とメガネ』です。物語の舞台は、谷中、根津、千駄木のいわゆる「谷根千」エリア。この下町情緒あふれる町で、主人公は一匹の猫と出会います。

猫との出会いをきっかけに、主人公の周りで起こるささやかな事件や、町の人々との心温まる交流が描かれます。猫とメガネという小道具が、物語に絶妙なアクセントを加えており、登場人物たちの心情を巧みに表現しています。ゆったりとした時間の流れる下町で、猫に癒されながら読み進めたい一冊です。

27位『吾輩も猫である』アンソロジー

第27位は、夏目漱石の『吾輩は猫である』へのオマージュとして、現代の人気作家たちが腕を競ったアンソロジー『吾輩も猫である』です。様々な作家が、それぞれの解釈で「もし現代に『吾輩は猫である』があったら」というテーマに挑んでいます。

SF、ミステリー、ファンタジー、恋愛小説など、収録されている作品のジャンルは多岐にわたり、作家の個性と猫の魅力が融合した、ユニークな物語ばかりです。漱石の原作ファンはもちろん、初めて猫小説に触れる人でも楽しめる、バラエティ豊かな一冊となっています。

28位『猫の目を借りたい』槇あおい

第28位は、少し不思議な能力を持つ猫が登場する、槇あおいの『猫の目を借りたい』です。主人公は、他人の記憶の断片が見えてしまうという特殊な能力を持つ青年。その能力のせいで、人との関わりを避けるように生きてきました。

そんな彼の前に現れたのは、人の記憶に入り込み、忘れたい記憶を食べてくれるという不思議な猫でした。猫との出会いを通じて、主人公が過去のトラウマと向き合い、新たな一歩を踏み出していく姿を描いた、心温まるファンタジーです。辛い記憶を抱える人々の心に、そっと寄り添ってくれるような優しい物語です。

29位『猫城』南條竹則

第29位は、幻想文学の旗手、南條竹則が描く、奇妙で美しい物語『猫城』です。この作品は、猫たちが人間のように暮らし、独自の文化を築いている異世界「猫の国」を舞台にした連作短編集です。

人間の世界から迷い込んだ者、猫の国に生まれながら人間の血を引く者など、様々な登場人物が、猫の国で繰り広げる不思議な物語が収められています。緻密に構築された世界観と、幻想的で美しい描写が魅力で、読者を一気に物語の世界へと引き込みます。どこか懐かしく、そして少し不気味な猫たちの世界を堪能できる一冊です。

30位『猫と罰』宇津木健太郎

ランキングの最後を飾る第30位は、宇津木健太郎による、少しビターなミステリー『猫と罰』です。物語は、ある地方都市で起こる連続放火事件と、それに翻弄される人々の姿を描きます。

この物語において、猫は事件の直接的な解決には関わりませんが、登場人物たちの心の闇や、人間関係の歪みを映し出す鏡のような存在として描かれています。人間の罪と罰、そしてその先にあるかすかな希望を、猫の静かな視線を通して描き出した、重厚で読み応えのある作品です。

あなたのお気に入りは見つかりましたか？猫小説で豊かな読書時間を

【2025年最新】猫小説のおすすめランキングTOP30、いかがでしたでしょうか？

時代を超えて愛される文豪の名作から、心温まる現代の物語、そして少し不思議なファンタジーまで、様々な猫小説をご紹介しました。どの作品も、猫という存在を通して、私たちの日常に新たな彩りや発見を与えてくれるものばかりです。

忙しい日々の合間に、ふとページをめくれば、そこには自由気ままで愛らしい猫たちが待っています。ぜひ、このランキングを参考に、あなただけのお気に入りの一冊を見つけて、豊かな読書の時間をお過ごしください。